「ミネラル」は、5大栄養素の一つであるにもかかわらず、たんぱく質やビタミンなどに比べると、その重要性が軽視されがちです。ミネラル不足がもたらす体や心への悪影響にいち早く着目し、ミネラル豊富な食事の重要性を提唱し続けている国光美佳先生に、ミネラルの重要性と、いますぐできるミネラル補給レシピについてお話を伺いました。

プロフィール

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国光美佳(くにみつ・みか)

子どもの心と健康を守る会代表。一般社団法人国際食学協会理事。『発達障害にクスリはいらない』(内山葉子医師との共著。マキノ出版)、『食べなきゃ、危険!』(小若順一氏との共著。三五館シンシャ)など著書・監修書多数。

現代人はミネラルが不足しがち

「ミネラル」とは、5大栄養素の一つで、体内の生理機能を正常に保ち、心身を元気に安定させるのに欠かせないものです。

代表的なものに、カルシウム・カリウム・リンなどがあり、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」でも、摂取基準が定められています。

画像: 5大栄養素

5大栄養素

ミネラルは、体内で作ることができないので、食品から補う必要がありますが、残念なことに、現代人はミネラルが不足しがちです。

その原因としては、主に以下の4つがあげられます。

①水煮製品の増加・カット野菜の多用

いずれも、製造の過程でミネラルが抜けてしまいます。

②食品添加物の影響

なかでも「リン酸塩」が問題になります。リン酸塩は、練り物など、さまざまな食品に添加されていますが、体内から排出されるときに、ミネラルも一緒にくっつけていってしまいます。

③だし文化の変化

ミネラルが豊富な天然だしを使っていた食文化が変化し、化学調味料、うまみ調味料入りの顆粒だしが多用されるようになっています。

④精製しすぎた油や食品の多用

精製度の高い油、白砂糖、精白小麦などは、ミネラルを不純物として取り除いています。

ミネラルが不足すると、こんなことが起こる?

体の中では、さまざまな化学反応が起こっています。そのほとんどには、酵素がかかわっていますが、ミネラルには酵素の働きを助ける役目があります。

つまり、ミネラルが十分に足りていると、酵素が円滑に働き、体の各機関の働きも円滑になります。

また、神経伝達物質やホルモンを作るときにも、ミネラルは欠かせません。そのため、ミネラルは体だけでなく、精神や神経にも大きな影響を及ぼしています。

以下のようなお悩みは、ひょっとしたらミネラル不足が原因で起こっているかもしれません。

・めまい、立ちくらみ
・肩こり、頭痛
・抜け毛
・集中力の低下
・イライラしやすい
・疲れやすい
・不眠
・貧血
・味覚障害
・骨粗鬆症 など

「かける・混ぜる」で手軽にミネラルチャレンジ

「そうは言っても、どうやってミネラルを取ったらいいの?」と思う方もいらっしゃるでしょう。

国光先生は、まずは以下のことから始めてみるのをお勧めしています。

①主食の見直し

白米ご飯を食べているなら、雑穀や分づき米、玄米を混ぜる。

②だしのフル活用

ミネラルが豊富な煮干し、アゴ(トビウオ)、コンブなど、天然のだしを粉末にして、毎日の料理にかけたり混ぜたりして食べる。だしを取った後のだしがらも、料理の具材として使用し、全部食べる。

③非精製の油をとる

エクストラバージンオリーブ油やゴマ油など、非精製の良質な油を、料理にかけたり混ぜたりする。良質の油の摂取は、体の細胞膜を整え、ミネラルが効率的に働きやすい環境をつくります。

上記3つのステップが達成できるようになったら、普段の食事でミネラル豊富な食材(小魚や貝類、海藻類、木の実など)を積極的にとるよう心がけるのが、お勧めとのことです。

こうして日々の食事でミネラル豊富な食材を積極的に食べることを、国光先生は「ミネラルチャレンジ」と呼んでいます。

ちなみに、ミネラル豊富な食事を始めると、2週間くらいで体や気分の変化を感じる方が多いそうですよ。

混ぜるだけ!「だしオイルみそ」の作り方

「ミネラルチャレンジ」のおともに、作っておくととっても便利なのが、「だしオイルみそ」。

手軽においしいみそ汁ができて、ミネラルもしっかりとることができるスグレモノです。

だしオイルみそ(みそ汁6~7杯分)
・だし粉末(※)…20g
・みそ…60g
・エクストラバージンオリーブ油…20g
※だし粉末は、イワシ煮干し60g、焼きアゴ35g、コンブ5gを粉末にして混ぜて作ります。

今回は市販の「天然だし調味粉」を使用しましたが、ご自宅にあるだしパックの粉を使用してもOKです。ただし、食塩や食品添加物を使用していないものを使うようにしてください。

 

画像: 材料(上から時計回りに、エクストラバージンオリーブ油、みそ、だし粉末)

材料(上から時計回りに、エクストラバージンオリーブ油、みそ、だし粉末)

全ての材料をよく混ぜ合わせれば出来上がり。

画像: よく混ぜて…

よく混ぜて…

画像: 出来上がり!

出来上がり!

保存容器に移して、冷蔵庫で保存します。1週間保存可能です。

お椀に入れてお湯を注ぐだけ!
だし香る絶品みそ汁が出来上がり!

みそ汁1杯分のだしオイルみその分量は、15gが目安です。

ワカメやあおさ、とろろ昆布などを加えると、海藻のミネラルもプラスされるので、お勧めだそうです。

画像: お椀に入れてお湯を注ぐだけ! だし香る絶品みそ汁が出来上がり!
画像: 今回は乾燥ワカメを入れてみました

今回は乾燥ワカメを入れてみました

さっそくいただいてみると、オリーブ油が入っているのに、不思議に全く油っこくありません。普段はだしパックでだしを取ってみそ汁を作っていますが、それよりもしっかりだしの味が感じられます。だしがらのゴミが出ないのもいいですね!

◆執筆/藤田淳子(Editor)
健康雑誌の編集者。読書(ミステリ)とビールとゲームが毎日の癒し。下手すると1週間外に出なくても平気な超インドア派のため、家で簡単に作れる体にいい料理や手軽にできる運動などを日々模索中。

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