キュッと上がったバストやヒップ、美脚、腰のくびれといった美人体形を持つ人たちには、体に一本の軸(体幹軸)が通っているという共通点があります。体の軸を生み出すには、骨盤がわずかに前傾していなければいけません。その微前傾をさせるのにお勧めの方法が、今回紹介する「カエルストレッチ」です。【解説】阿佐美宏明(株式会社ザウルス代表取締役・元プロキックボクサー)

解説者のプロフィール

画像: 解説者のプロフィール

阿佐美宏明(あさみ・ひろあき)

1985年生まれ。「K-1」関連のリングにも上がっていた元プロキックボクサー。現役時代に、体幹軸の大切さに気づき、ザウルス式体幹軸調整ストレッチを考案。現在は、体幹軸を整える「全力ストレッチ」の店舗を全国各地40店で展開中。体幹軸を整えることで、バストアップやヒップアップに加え、腹囲のシェイプアップなどが実現し、プロポーションがよくなる他、疲労回復、自然治癒力の向上も見込めると評判。

美人の共通点は体の軸があること

キュッと上がったバストやヒップ、美脚、腰のくびれといった、誰もが憧れる美人体形。このような体形を持つ人たちには、体に一本の軸(体幹軸)が通っているという共通点があります。

この体の軸こそ、美人の秘訣。体の軸とは簡単に言えば、「体幹部(胴体)の中心を上下に貫く1本の軸」のことです。

私は、体の軸をつくり、安定させられるように調整する方法を編み出し、皆さんに勧めています。

体の軸の存在と、その重要性に気づいたのは、かつて私がプロのキックボクサーだったときのことです。当時の私は、有名な格闘技イベント「K-1」関連のリングに上がるほど競技に打ち込んでいました。

25歳のとき、本場・タイで武者修行を行ったのですが、現地の選手が100発連続でやすやすとキックを蹴り続けるのに驚きました。日本人は、10発も打てばクタクタです。

彼らのスタミナの秘密を探ると、体の軸がしっかりできていることに気づきました。彼らは〝でんでん太鼓〟のように胴体を回転させて、腕や足を効率よく動かしているのです。これは、私にとって大きな発見でした。

もう1つ発見がありました。現地の「タイ古式マッサージ」です。体をほぐし、関節の可動域を広げるストレッチが多くあり、体を動かしやすくなります。それによって、体の軸もブレなくなることに気づきました。

その後、私はタイ古式マッサージを学び、格闘技で蓄積した知識を組み合わせて、体の軸を調整する方法としてまとめました。

体の軸を調整する方法は、もともとは格闘技に限ったものでした。しかし、思わぬ出来事が起こります。

当時、私はトレーナーとして、格闘家やスポーツ愛好家など、さまざまな方の体の軸の調整を行っていました。中には誰もが知る女優やモデルもいました。

彼女たちの体の軸を調整するために、体操やストレッチを指導していたら、「プロポーションがよくなった」という予想外の反響が多くあったのです。

そのことから、「美人をつくるためにも、体の軸の調整は有用なのだ」と確信を得ることができました。

画像: 体の軸がバストアップ、ヒップアップを生む!

体の軸がバストアップ、ヒップアップを生む!

姿勢がよくなり若く見られる

では、どうすれば体の軸をつくり、理想の体形に近づけるのでしょうか。

大切になる部位が「骨盤」です。体の軸を生み出すには、骨盤がわずかに前傾していなければいけません。体の軸に対して、骨盤が微前傾している状態(理想は30‌度)です。

このように骨盤を微前傾させることで、背骨の状態が本来のゆるやかなS字カーブに近づきます。すると、頭や腕の重みを上手に分散できるようになって、体の軸が安定するのです。

体の軸ができていないと、日常生活において、手足や腹筋など全身の筋肉を正しく動かせず、一部の筋肉ばかりに頼ることになります。

すると、ふくらはぎの筋肉だけが異常に発達して太くなったり、二の腕がたるんだりします。腹筋やお尻の筋肉も正しく使えていないので、ブヨブヨに垂れたり、貧相になったりするのです。

一方、骨盤の微前傾によって体の軸ができれば、一部の筋肉に頼ることなく、全身の筋肉をしっかりと動かせますから、冒頭で挙げたような憧れの体形に近づいていきます。

骨盤を微前傾させるのにお勧めの方法が、今回紹介する「カエルストレッチ」です。このストレッチは、太もも内側の内転筋を柔らかくし、股関節の可動域を広げます。股関節を開こうとすると、自然と骨盤が微前傾になってくれるのです。

加えて、上体を持ち上げる動作により、体の軸をつくる腹横筋や横隔膜の動きもよくなるので、ポッコリ腹が防げます。

骨盤の微前傾を実現した方からは、「垂れたオバちゃん尻が改善した」「背すじが伸びて若く見られるようになった」といった声をいただいています。

美人をつくるカエルストレッチのやり方

※基本のやり方から始め、強度が物足りなくなったら「上級者向け」を行う。
※骨盤調整だけでなく、筋トレの要素もあるので、筋肉痛がある日はストレッチを控える。

基本

うつぶせになって、両手のひらを肩の横に置き、両ひじを90度に曲げて立てる。両足を無理のない範囲で大きく開き、両ひざを少し曲げる。

画像1: 基本

両ひじを伸ばして上体を起こす。目線が上向きになるようあごを上げて10秒キープ。1日3回を目安に行う。

画像2: 基本

上級者向け

基本のやり方の①の姿勢になった後に、足の裏同士を合わせる。かかとやひざが床から浮かないようにする。両ひじを伸ばして上体を起こす。目線が上向きになるようあごを上げて10秒キープ。1日3回を目安に行う。

画像: 上級者向け

両ひじを伸ばす際に、下半身を動かさないように注意。特に、足の裏同士が離れやすいのでしっかりと合わせる。

骨盤が整うといいこといっぱい!

バストアップやヒップアップ、憧れのくびれ。メリハリの利いた体形に近づくカギは「骨盤の微前傾」です。骨盤を整えて、理想の体形を実現しているトレーナー3名に話を聞きました。

画像1: 【美人体型に矯正】ポイントは骨盤の微前傾?背すじが伸びて垂れ尻が上がるカエルストレッチのやり方

MARIさん

私はトレーナーになってから、ストレッチを習慣的に行うようになりました。

骨盤が微前傾の状態になると、体に軸が通ります。体の軸ができて、軸を維持し続けられると、体の各部がどこにあって、どう動かすのが正しいのかを感覚的にわかるようになります。

体の軸ができることのいい面は、美しさだけではありません。歩くときも驚くほどスッと足が出てくれるので、疲れにくくなります。私の場合は、代謝もよくなったようで、便秘が減りました。そのことで、お肌にも好影響がありました。

「カエルストレッチ」は、体が硬い方にもぜひ取り組んでいただきたいです。これを行うと、上半身と下半身をつなぐ腸腰筋、太ももの内側の内転筋、さらにおなか周りにもすごく効きます。これらの筋肉の動きがよくなると、骨盤が理想的な微前傾で安定していきます。
 

画像2: 【美人体型に矯正】ポイントは骨盤の微前傾?背すじが伸びて垂れ尻が上がるカエルストレッチのやり方

REINAさん

私は子どもの頃からバレエをやっていたので、体の柔らかさには自信がありました。姿勢もよいつもりでしたが、体が柔らかい分、腰を反る癖が習慣化していたようです。

また、昔から腰痛持ちでもありました。バレエで痛めたものだとばかり思っていたのですが、実は、骨盤が必要以上に前に倒れた過前傾の状態だったようです。そのために、反り腰になって腰痛を起こしやすくなっていたみたいです。

それに気づいてから、「カエルストレッチ」を行うようになりました。このストレッチで骨盤の微前傾を生み出すと、体の軸が安定します。すると、お尻が上がり、胸も張れるようになります。

骨盤の微前傾を普段から意識するようになって以来、立っているとき、座っているとき、歩いているとき……いつ人に見られても恥ずかしくない、美しい姿勢を容易にキープできるようになりました。

それに、腰痛も起こらなくなりました。どうやら反り腰ではなくなったことが、腰の負担を減らしたようです。柔軟な方も、骨盤の微前傾を意識していただきたいと思います。

画像3: 【美人体型に矯正】ポイントは骨盤の微前傾?背すじが伸びて垂れ尻が上がるカエルストレッチのやり方

KANONさん

私はもともとダンスをしていて、首や肩、腰の痛みによく悩まされていました。「どうしてすぐに体が痛くなるんだろう?」といつも疑問でした。

最大の悩みは腰痛でした。あとあとわかったことですが、腰痛の原因は骨盤が前傾し過ぎていて、反り腰になっていることでした。理想は微前傾なのですが、私の場合は前に倒れ過ぎていたようです。

それは、昔から新体操をしていたことが大きく関係していました。新体操では、腰を反る動きが多くて、知らずに骨盤の過前傾の姿勢が癖になっていたようです。

そこで、骨盤を本来の微前傾に保つためのストレッチを習慣にしました。「カエルストレッチ」もその1つです。

骨盤が微前傾している姿勢を保ち続けられるようになると、腰が反り過ぎて筋肉が縮んだときに、その違和感にすぐ気づけます。ストレッチをして伸ばしてあげれば、痛くなるのを防ぐことができます。

それ以来、たびたび悩まされていた首や肩、それに腰の痛みは起こらなくなりました。

画像: 骨盤が整うといいこといっぱい!
画像: この記事は『安心』2022年10月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『安心』2022年10月号に掲載されています。

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