解説者のプロフィール

松岡博子(まつおか・ひろこ)
アピア均整院代表。身体均整師会常任理事、副会長。身体均整法学院で身体均整法を学び、東京・高田馬場にサロンを開設。骨盤や背骨に着目した施術を行い、高い成果を上げている。『ゆがみをリセット! 骨盤ほぐし体操』(成美堂出版)など、著書・監修書多数。
[別記事:「ゆがむ」「傾く」ってどういうこと?知ってるようで実は知らない骨盤のトリセツ→]
首を後ろに倒しやすい人は「骨盤後傾タイプ」
こんな体形が特徴

ネコ背気味で、顔は下向き、お尻が垂れやすい。手足は細長いが、全身はふっくら丸みを帯びた体形。

気をつけたい症状
・便秘 ・高血圧、心臓病 ・肥満 ・O脚
重心がかかとにあり、ネコ背になって、お尻も垂れやすいのが特徴です。頭は小さく、顔は下を向く傾向があります。首や手足は細長いのですが、全体はふっくら丸みを帯びた体形です。
ネコ背の状態が続く結果、背中に肉がつきやすくなる人もいます。また、骨盤が後傾していることが影響して、O脚になる場合もあります。
後傾した骨盤で、無意識に体のバランスを取ろうとするため、肩や背中、胸部などが強く緊張しがちです。
体の緊張から代謝が低下し、特に腸が硬くなって便秘しやすい傾向があります。また、高血圧や心臓病など、血液循環に関する病気にも要注意です。
性格的には、クールで知性的な「頭脳派」の側面を色濃く持っています。自分では物事を深く観察したり、考察したりしますが、それを表明して他人に意見を言うことは苦手です。
このように、物事を口に出していうのが苦手な分、ストレスをため込みやすいところがあります。骨盤後傾タイプはストレスをため込むと、その解消法を「食べること」に求めがち。ストレスに比例して食べる量が増え、肥満になるパターンが多いので、気をつけましょう。
クールな側面を持ちつつも、他人に対する優しさから、我慢を重ねてくよくよと悩んでしまうループに入り込む場合も。
そんなときこそ、下の骨盤ほぐし体操をやってみましょう。この体操で後傾した骨盤がリセットされると、心身に余分なものをため込みにくくなってきます。
骨盤後傾タイプに起こりやすい便秘や肥満なども、この骨盤ほぐし体操を行うことで予防・改善できます。
ストレスを感じて過食に走りそうになったら、体操を行うのもよい方法。1回で骨盤が整うとともに、心身がスッキリするので、ぜひお試しください。
骨盤後傾タイプの人にお勧めの骨盤ほぐし体操
手のひらを上に向けて組んで体を伸ばすことで、体の前面の筋肉が伸び、うつむき加減の姿勢が修正されます。いすに座った状態で行ってもOK。1日1セット行いますが、1日のうちに何度行っても構いません。
①足を肩幅に開いて立つ

足を肩幅に開き、肩や腕の力を抜く。手は体の横に自然に沿わせ、視線は正面に向ける。
②手を組んで両腕を上げる

手のひらを上に向けて組み、腕を上に上げる。

③かかとを上げて上に伸びる

鼻から息を吸いながらかかとを上げ、10秒かけて全身をなるべく上に伸ばす。そのまま、我慢できるだけ息を止める。
④息を吐いて脱力

口から一気に息を吐きながら、体を前に倒すようにして脱力し、そのまま10秒リラックスする。
■イラスト/石山綾子

この記事は『安心』2022年10月号に掲載されています。
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