野菜の酢漬けは、酢と砂糖と塩だけで簡単に作れて、そのまま食べるのはもちろん、料理やご飯にちょい足ししたりもできる便利な常備菜です。健康効果が抜群な5つの酢漬けとレシピ、さらにお勧めの使い方を、料理研究家・野口真紀先生、医師の石原新菜先生が紹介します。【レシピ・調理・スタイリング】野口真紀【解説】石原新菜(イシハラクリニック副院長)

解説者のプロフィール

画像1: 【野菜の酢漬けの作り方】酢と砂糖と塩だけで簡単!一晩でできて健康効果も抜群な5つのレシピ(紫タマネギ、パプリカ、青トウガラシ、ショウガ、切り干し大根)

野口真紀(のぐち・まき)
料理研究家。料理雑誌の編集者を経て現職。作りやすくておいしい、栄養や健康に配慮したレシピが人気を博している。大のお酢好きであり、家族で外食をする際はテーブルに置いてある酢のおかわりが必要になることも。著書『毎日食べて体すっきり 野菜の酢漬けと展開レシピ』(エムディエヌコーポレーション刊)では、28の簡単な酢漬けと76の展開レシピを紹介している。

[別記事:料理がらくになる!野菜が長持ち!毎日とれば健康にもなる「野菜の酢漬け」→

画像2: 【野菜の酢漬けの作り方】酢と砂糖と塩だけで簡単!一晩でできて健康効果も抜群な5つのレシピ(紫タマネギ、パプリカ、青トウガラシ、ショウガ、切り干し大根)

石原新菜(いしはら・にいな)
イシハラクリニック副院長、医師。帝京大学医学部卒業後、大学病院での勤務を経て、現在、自然医学の泰斗で医学博士の父、石原結實氏が院長を務めるイシハラクリニックで、漢方医学、自然療法、食事療法により、さまざまな病気の治療に当たっている。雑誌をはじめ、テレビやラジオなどのメディア出演多数。

[別記事:生活習慣病を撃退! 便秘や肌トラブルを一掃!「野菜の酢漬け」9大メリット→

紫タマネギ

画像: 紫タマネギ

紫の成分が血液をサラサラにする

紫タマネギの色の元になっているのは、抗酸化作用の強いポリフェノール・アントシアニン。血液をサラサラにして、動脈硬化を予防してくれます。その他にも、アリシン、イソアリインなどの血圧や血糖値を下げる成分も豊富なため、生活習慣病の予防・改善にうってつけです。

紫タマネギの酢漬けの作り方

【材料】(作りやすい分量)
・紫タマネギ…2個(タマネギの場合も同量)
・合わせ酢
|酢……1/2カップ
|砂糖…大さじ3
|塩…小さじ1/2

①紫タマネギは薄切りにする。
②保存容器に①と合わせ酢を入れてよく混ぜる。
③冷蔵庫で一晩味をなじませる。

鶏むね肉と三つ葉の紫タマネギあん

画像: 鶏むね肉と三つ葉の紫タマネギあん

【材料】(2人分)
・鶏むね肉(適量の塩、コショウで下味をつける)……大1枚
・片栗粉……適量
・油(米油など)……適量
・紫タマネギの酢漬け……1カップ
・三つ葉(ざく切り)……1束

①鶏むね肉は一口大のそぎ切りにして、片栗粉をまぶす。
②フライパンに油を1cmほど入れて、①を両面こんがりと揚げる。
③ボウルに②、紫タマネギの酢漬け、三つ葉を入れてサッとあえる。

パプリカ

画像: パプリカ

ビタミンC&鉄分で女性の悩みを解決

パプリカには、女性の悩みに効く成分が多く含まれています。代表的なのがビタミンC。コラーゲンの産生を促したり、紫外線によるダメージを回復させたりする作用があります。鉄分も豊富なので、隠れ貧血の予防にも役立ちます。

パプリカの酢漬けの作り方

【材料】(作りやすい分量)
・パプリカ(赤、黄)…各1個
・合わせ酢
|酢……1/2カップ
|砂糖…大さじ3
|塩…小さじ1/2

①パプリカは細切りにする。
②保存容器に①と合わせ酢を入れてよく混ぜる。
③冷蔵庫で一晩味をなじませる。

ツナとパプリカのマリネ

画像: ツナとパプリカのマリネ

【材料】(2人分)

|パプリカの酢漬け……パプリカ1個分
|ツナ缶……1缶
|紫タマネギ(みじん切り)……1/4個(普通のタマネギでも可)
|塩、コショウ……各適量
・バゲット……適量
・マスタード……適量
・ディル(なければ粗く刻んだパセリ)……適量

①ボウルにⒶを入れて混ぜる。
②バゲットにマスタードをぬり、①とディルをのせる。

青トウガラシ

画像: 青トウガラシ

脂肪の分解を促進!

青トウガラシの辛味成分・カプサイシンには、ホルモンのアドレナリンの分泌を促す作用があります。これによって、脂肪を分解する酵素・リパーゼの分泌がよくなるので、ダイエット効果が期待できます。たんぱく質の代謝をよくするビタミンB6も豊富なので、筋肉を維持しつつやせたい人にお勧めです。

青トウガラシの酢漬けの作り方

【材料】(作りやすい分量)
•青トウガラシ…20本
•酢…1カップ

①青トウガラシはヘタを切り、小口切りにする。
②保存容器に①と酢を入れ、冷蔵庫で1日以上漬ける。
※漬ける日数が長いほど辛味が和らぐ。
※辛味成分のカプサイシンが皮膚につくと、ヒリヒリすることがある。心配な場合は、ゴム手袋をして作る。

春雨と青トウガラシのサラダ

画像: 春雨と青トウガラシのサラダ

【材料】(2人分)
・春雨……50g
・乾燥キクラゲ……30g
・エビ……8尾
・パクチー……3株
・ドレッシング
|青トウガラシの酢漬け……大さじ3(辛味が苦手な人は調整する)
|ニンニク(みじん切り)…1片分
|ナンプラー……大さじ3
|砂糖……大さじ1

①春雨は袋の表示通りにゆでて水気を切る。乾燥キクラゲは水で戻してサッとゆで、細切りにする。エビは背わたを取り、ゆでて殻をむく。パクチーはざく切りにする。
②大きめのボウルにドレッシングの材料を入れ、混ぜ合わせる。
③②に①を入れ、全体をあえる。

ショウガ

画像: ショウガ

感染症予防にも役立つ"食べる薬"

ショウガは、漢方薬の7割以上に使われている薬効の強い野菜。冷え取りや血流改善、炎症抑制など、さまざまな効能が期待できます。抗菌・抗ウイルス作用も強いので、感染症や食中毒の予防にもショウガの酢漬けを活用するといいでしょう。

ショウガの酢漬けの作り方

【材料】(作りやすい分量)
・ショウガ…100g
・合わせ酢
|酢……1/2カップ
|砂糖…大さじ3
|塩…小さじ1/2

①ショウガは、皮の汚いところを切り落とし、千切りにする。
②保存容器に①と合わせ酢を入れてよく混ぜる。
③冷蔵庫で一晩漬ける。

メカジキの酢ショウガ照り焼き

画像: メカジキの酢ショウガ照り焼き

【材料】(2人分)
・メカジキ……2枚
・塩……少々
・片栗粉……適量
・油(米油など)……大さじ2
・万願寺とうがらし……2本
(なければピーマン(半分に切って種を除き斜め半分に切る)4個)
・合わせ調味料
|ショウガの酢漬け……大さじ3
|砂糖、酒、みりん……各大さじ1
|しょうゆ……大さじ2

①メカジキは表面の水分を取って塩を振り、片栗粉を全体にまぶす。
②フライパンに油を入れて熱し、①と万願寺とうがらしを入れて両面こんがりと焼く。万願寺とうがらしは、焼けたら取り出す。
③②に合わせ調味料を加え、全体に絡める。器に盛り、万願寺とうがらしを添える。

切り干し大根

画像: 切り干し大根

胃腸スッキリ! 骨の強化にも◎

大根は、ジアスターゼやアミラーゼなどの消化酵素が豊富なため、胃腸の調子をよくする作用があります。そんな大根を天日干しした切り干し大根には、栄養が凝縮されています。カルシウムやビタミンB群も豊富なので、骨粗鬆症(骨がもろくなる病気)の予防やエネルギー代謝を高める効果も期待できます。

切り干し大根の酢漬けの作り方

【材料】(作りやすい分量)
・切り干し大根…50g
・合わせ酢
|酢……1/2カップ
|砂糖…大さじ3
|塩…小さじ1/2

①切り干し大根は水で洗い、熱湯でサッとゆでて水気をよく切る。
②保存容器に①と合わせ酢を入れてよく混ぜる。
③冷蔵庫で一晩漬ける。

カリカリ豚バラと切り干し大根のあえ物

画像: カリカリ豚バラと切り干し大根のあえ物

【材料】(2人分)
・豚バラ肉(4cm幅に切る)……200g
・切り干し大根の酢漬け……1カップ

①油を引かずに熱したフライパンに豚バラ肉を入れ、両面をカリカリに焼く。
②切り干し大根の酢漬けと①を、器に交互に盛り合わせる。

野菜の酢漬け活用術

野菜の酢漬けは、料理にはもちろん、普段のご飯にちょい足ししたり、おかず代わりにそのまま食べたりもできる便利な常備菜です。お酢を愛する石原新菜先生と野口真紀先生に、お勧めの使い方を紹介していただきました。

画像1: 野菜の酢漬け活用術

納豆に入れる
納豆のタレ代わりに野菜の酢漬けを加えることで、おいしく減塩ができます! 朝食の定番にすれば、不足しがちな野菜も手軽にとることができます(野口)

画像2: 野菜の酢漬け活用術

サラダや刺し身にかける
暑さが続くと、サラダや刺し身といったサッパリしたものが食べたくなります。そんなときに野菜の酢漬けと合わせて食べれば、酸味が効いて、はしが進みます! ドレッシングやしょうゆを使わず、低カロリー&低塩・低糖にできるのもうれしいポイント(石原)

画像3: 野菜の酢漬け活用術

カレーの具材やお供にする
カレーのお供と言えばラッキョウ漬けや福神漬けが一般的ですが、野菜の酢漬けも相性抜群です。具材のタマネギを紫タマネギの酢漬けにして酸味を加えるもよし、青トウガラシの酢漬けをのせて辛味をアップするもよし。カレーをさらにおいしく食べられます(野口)

画像4: 野菜の酢漬け活用術

ギョーザのタレに使う
複数の野菜の酢漬けをギョーザのタレに使えば、さまざまな味変が楽しめます! 私のお勧めは、青トウガラシの酢漬けと、ショウガの酢漬け。ギョーザの風味がパワーアップして、とても食べ応えがあります(野口)

画像5: 野菜の酢漬け活用術

冷やっこにのせる
味がマンネリ化しがちな冷ややっこも、野菜の酢漬けを使えば食べ飽きない定番おかずに! 私のお勧めは、何と言ってもショウガの酢漬け。酢の酸味が効いていて、スッキリ食べられます(石原)

画像6: 野菜の酢漬け活用術

おつまみにする
野菜の酢漬けを2~3品小鉢に盛るだけで、ご飯やお酒に合うおつまみに大変身。焼き魚や厚揚げの上にのせて食べれば、手間いらずで豪華な一品に仕上がります。私の場合はワインが好きなので、チーズやサラミと合わせて晩酌をしています(野口)

画像7: 野菜の酢漬け活用術

ソースやドリンクに使う
野菜の酢漬けを漬け酢ごとフードプロセッサーやミキサーにかければ、より幅広い料理に使えるソースに大変身。舌触りもよくなるので、ドレッシングやつけダレに活用しやすくなります。ショウガの酢漬けは、ドリンクに入れても美味。炭酸で割れば、スッキリおいしいジンジャーエールになります(石原)

画像: この記事は『安心』2022年9月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『安心』2022年9月号に掲載されています。

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