健康診断で「腎機能が悪くなってきている」といわれたら……どんな食事をすれば? 気になりますよね。腎機能が低下ぎみの人、まだ腎臓病ではないけれど気をつけたい人も、安心しておいしく食べられるメニューをご紹介します。塩分の調整に役立つ、管理栄養士による調理の工夫も必見です。ぜひ家族皆で食卓を囲み、食事を楽しんでください。【監修】浅野健一郎(倉敷中央病院腎臓内科主任部長)

監修者のプロフィール

画像: 監修者のプロフィール

浅野健一郎(あさの・けんいちろう)

倉敷中央病院腎臓内科主任部長・人工透析センターセンター長。公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院腎臓内科主任部長。日本内科学会認定内科医、日本腎臓学会腎臓専門医・腎臓指導医、日本透析医学会透析専門医・透析指導医。日本高血圧学会、日本病態栄養学会、米国腎臓学会、日本腎臓リハビリテーション学会会員。

[別記事:カリウムやたんぱく質は制限すべき? 腎臓を守り筋力を維持する食事の新常識→

※このレシピは「塩分6g未満/日」「たんぱく質は適量(70g目安/日)とる」ことを指標として構成しています。

ゴロゴロ野菜のみそ汁 カレー風味

画像: たんぱく質:3.7g 塩分:0.9g(各1人分)

たんぱく質:3.7g 塩分:0.9g(各1人分)

調理の工夫ポイント
具だくさんにすれば、自然と汁が少なめに。加熱すると甘くなる野菜を油揚げと組み合わせ、コクと旨みをアップ。カレーの風味も加わるので、出汁いらずでもおいしくいただけます。

材料(2人分)
タマネギ…1/4個(50g)
カボチャ、シメジ…各50g
オクラ…4本(40g)
油揚げ…1/2枚(10g)
水…250ml
カレー粉…小さじ1/2
みそ…大さじ1弱

タマネギは薄切り、カボチャは厚さ5mmのイチョウ切りにする。シメジは石突きを取り除き、手でほぐす。オクラは斜め1cm幅に切る。
油揚げは熱湯を回しかけて水気をしぼり、1cm幅に切る。
小鍋に①のオクラ以外と水を入れて中火にかけ、煮立ったら②を加え、ふたをして弱火で5分煮る。
オクラとカレー粉を入れ、さっと煮たらみそを溶き入れて器に盛る。

レタスとコーンのかき玉スープ

画像: たんぱく質:4.6g 塩分:0.7g(各1人分)

たんぱく質:4.6g 塩分:0.7g(各1人分)

調理の工夫ポイント
だし風味+塩味が欲しいときは塩コンブが便利です。レタスの水分があるので水は少なめでOK。コーンは食塩無添加で使いやすい冷凍を。ゴマ油で風味豊かに!

材料(2人分)
レタス…80g
コーン(冷凍)…30g
卵…1個
塩コンブ…7g
水…250ml
片栗粉、ゴマ油…各小さじ1/2

レタスはざく切りにする。
小鍋に塩コンブと水を入れ中火で熱し、煮立ったら①とコーンを入れてさっと煮る。
片栗粉を倍量の水(分量外)で溶き、②に入れて煮立て、とろみをつける。卵を溶いて流し入れ、固まったらゴマ油を回しかけ、器に盛る。

豆苗の海苔ナムル

画像: たんぱく質:3.1g 塩分:0.3g(各1人分)

たんぱく質:3.1g 塩分:0.3g(各1人分)

調理の工夫ポイント
酢を加えると、しょうゆを控えても物足りなさをカバーできます。海苔で和えることで、磯の香りと旨みが加わります。

材料(2人分)
豆苗…1袋(100g)
焼き海苔…全形1枚
ゴマ油…小さじ2
酢…小さじ1
白いりゴマ…小さじ2

しょうゆ…小さじ2/3
おろしニンニク、砂糖…各小さじ1/4

豆苗は根もとを切り落としてざく切りにし、耐熱ボウルに入れてふんわりとラップをかけ、600Wの電子レンジで1分加熱する。
①の水気をしぼり、熱いうちに、よく混ぜたⒶで和える。ちぎった海苔と白いりゴマを加え、さっと混ぜて器に盛る。

カボチャと枝豆のハニーマスタードサラダ

画像: たんぱく質:4.8g 塩分:0.2g(各1人分)

たんぱく質:4.8g 塩分:0.2g(各1人分)

調理の工夫ポイント
クルミを煎って香ばしさとコクをプラス。食感の異なる食材でメリハリをつけ、マスタードをアクセントに。マヨネーズは、実は減塩調味料です。

材料(2人分)
カボチャ…150g
枝豆(冷凍)…60g(正味30g)
クルミ(素焼き・無塩)…15g
酢…大さじ1
マヨネーズ…大さじ1
レタス(好みで)…適量

ハチミツ…小さじ2
粒マスタード…小さじ1

カボチャは2~3cm角に切り、耐熱ボウルに入れてふんわりとラップをかけ、600Wの電子レンジで3分加熱する。熱いうちに粗くつぶし、よく混ぜたⒶを入れて和え、粗熱を取る。
枝豆は流水で解凍し、さやから豆を取り出す。クルミは粗く刻み、フライパンで数分乾煎りする。
①と②を合わせ、マヨネーズで和える。
器にレタスを敷き、③を盛る。

野菜たっぷりの豚バラ酢豚

画像: たんぱく質:12.9g 塩分:1.2g(各1人分)

たんぱく質:12.9g 塩分:1.2g(各1人分)

調理の工夫ポイント
豚バラなら、たんぱく質量を調整しつつ、コクと旨みのある脂を野菜の炒め油に兼用できて◎。肉に片栗粉をまぶすことで、少ない煮汁でほどよいとろみがつきます。ケチャップは塩分控えめの調味料です。

材料(2人分)
豚バラ肉(薄切り)…5枚(150g)
片栗粉…大さじ1
タマネギ…1/3個(60g)
ピーマン…2個(60g)
赤パプリカ…1/3個(50g)
シイタケ…2個(40g)
ゴマ油…大さじ1

酒…大さじ1 
おろしショウガ…小さじ1

酢…大さじ2
ケチャップ…大さじ1
しょうゆ…小さじ2
砂糖…小さじ1

豚バラ肉は長さ半分に切ってⒶをもみ込み、ひと口大に丸め、片栗粉をまぶす。
タマネギ、ピーマン、赤パプリカは乱切りにする。シイタケは石突きを取り除き、十字の4等分にする。
フライパンにゴマ油を入れ中火で熱し、①を焼く。肉の色が変わったら②を入れて炒める。野菜がしんなりしてきたら、よく混ぜたⒷを入れ、とろみがつくまで煮絡める。

鶏ジャガのガリバタしょうゆ炒め

画像: たんぱく質:19.7g 塩分:0.9g(各1人分)

たんぱく質:19.7g 塩分:0.9g(各1人分)

調理の工夫ポイント
食べごたえのあるジャガイモと、低カロリーのエリンギで、栄養価を調整しつつボリュームアップ。肉に小麦粉をまぶすと調味料がよく絡むので下味は不要です。バターしょうゆの風味で少ない塩分でも満足。

材料(2人分)
鶏モモ肉…小1枚(200g)
小麦粉…小さじ2
ジャガイモ…中1個(150g)
エリンギ…2本(80g)
ニンニク(つぶす)…1片
オリーブオイル…大さじ1/2
バター…8g しょうゆ…大さじ1/2
黒コショウ…適量
刻みパセリ(好みで)…適量

鶏モモ肉はひと口大に切り、小麦粉を全体にまぶす。
ジャガイモは皮をむきひと口大に切り、耐熱ボウルに入れてふんわりとラップをかけ、600Wの電子レンジで2分加熱する。エリンギは長さ半分に切ってから縦7~8mm厚さにスライスする。
フライパンにニンニクとオリーブオイルを入れて熱し、皮目を下にして鶏肉を入れて焼く。肉の色が変わったら②を入れて炒める。ニンニクは焦げる前に取り出す。
全体に火が通ったら、バターとしょうゆを入れて絡め、黒コショウを振る。器に盛り、パセリを散らす。

サバ缶と夏野菜の香草パン粉焼き

画像: たんぱく質:16.4g 塩分:0.8g(各1人分)

たんぱく質:16.4g 塩分:0.8g(各1人分)

調理の工夫ポイント
水煮に含まれる塩分を活用、マヨネーズでコクを出します。パン粉のサクサク食感とバジル&ニンニクの風味がアクセントになり減塩でも物足りなさを感じません。

材料(2人分)
サバ水煮(缶)…1缶(190g・正味140g)
ミニトマト…6個(60g)
ズッキーニ…1/3本(50g)
マヨネーズ…大さじ1

パン粉…大さじ4
オリーブオイル…大さじ1
おろしニンニク…小さじ1/2
ドライバジル…小さじ1/4

サバは缶汁を切り、キッチンペーパーで身を押さえて水気を取ってから、軽くほぐす。ミニトマトは半分に切る。ズッキーニは厚さ5mmの半月切りにする。
ボウルに①を入れ、マヨネーズで和える。
耐熱皿に②を平らに広げ、よく混ぜ合わせたⒶを上からまぶしつけ、オーブントースターで10~12分、こんがりと色づくまで焼く。

厚揚げ入り麻婆ナス風炒め

画像: たんぱく質:17.0g 塩分:1.2g(各1人分)

たんぱく質:17.0g 塩分:1.2g(各1人分)

調理の工夫ポイント
少ない煮汁で炒め煮にすると、調味料を減らせます。塩分の高い豆板醤を使わず、オイスターソースをチョイス。酢の酸味が旨みを引き立てます。辛さは粉山椒で調節を。

材料(2人分)
厚揚げ…1枚(150g)
ナス…2本(140g)
ニンニク(みじん切り)…1片
ゴマ油…大さじ1
豚ひき肉…80g
ネギ(みじん切り)…30g
万能ネギ(小口切り)…適量
粉山椒(好みで)…適量

オイスターソース、酢…各小さじ2
しょうゆ、砂糖…各小さじ1
おろしショウガ…小さじ1/2
片栗粉…小さじ1/4
水…50ml

厚揚げは2cm角に切る。
ナスは縦半分に切ってから乱切りにしてさっと水にさらす。耐熱ボウルに入れてふんわりとラップをかけ、600Wの電子レンジで1分30秒加熱する。
フライパンにニンニクとゴマ油を入れて弱火で熱し、香りが立ったら豚ひき肉を入れ、中火で炒める。肉の色が変わったのを確認し①と②、ネギを入れて炒め、全体に油が回ったらよく混ぜたⒶを加え、とろみがつくまで煮絡める。
器に盛り万能ネギを散らし、粉山椒を振る。

■料理・スタイリング・栄養計算/緑川鮎香(料理研究家・管理栄養士)

画像: この記事は『壮快』2022年9月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『壮快』2022年9月号に掲載されています。

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