人気の猫島に挟まれた地島(福岡県)
861kmの猫旅
昔から暖かい地域の離島はどこでも猫がいました。もちろん島の産業が漁業以外で栄えていたら話は別ですが、漁港には猫がいるのがあたりまえの景色でした。現在は島の人口減少に伴い猫も減ってるそうです。そんな数少ない離島での猫の暮らしをみてみましょう。

地島(じのしま)の位置
人とのつき合いと自然な暮らし
地島訪問は今回で3回目。5年振りに訪れました。
あいにくの雨でしたので、姿が見えません。以前は港で暮らし、漁師さんや釣り人からおすそ分けをいただいていましたが、民家を訪問しているところをかろうじて発見しました。

雨は島猫には大事な水分補給

代わる代わる勝手口に猫が訪れるお宅

5年前の港の様子。漁師さんが猫のご飯の用意をしています

とても綺麗なハチワレ猫は外でみかけましたが家で飼われているようです
島民の方のお話によると、地島も高齢化で人が減り、それに比例して猫も減ってしまったそうです。それでも晴れ間が見えてくると、外に出てきて木登りしたり、駆け回ったり島の自然を楽しんでいるように見えました。

ここには木登り上手な島猫がいました

木陰は、人も猫にも驚くほどの心地よさです
木陰は、人も猫にも驚くほどの心地よさです
夏の炎天下での猫探しは、大変ですが、子猫に会えるかもしれません。

家の裏で暑くて伸びていた黒猫の子猫

猛ダッシュで逃げて行ったキジトラの子猫
この日、親切な島の方が生まれたばかりの子猫がいる場所まで案内してくれました。
玄関先にある母猫と2匹の子猫の姿にテンションがあがります。こちらへどんどん向かってくる1匹の子猫は、木の葉の日陰と日なたの差をまだ開かない目で感じとるように必死に顔を向けています。

玄関先の親子。手前の子は目が開いていない

どんどん母親から離れるて行くので心配です

見えない目で上を見ようとしています

しばらくすると少し左目が開きました

母親と一緒のもう1匹の子猫はすでに両目が開いています
素敵な島猫カップル
日陰で休んでいるとイケメンな茶トラ猫が近づいてきました。

茶トラのイケメン猫
馴染みの島民の家に行くのはなく、見慣れぬ観光客へオヤツの催促でしょうか。あまり警戒心のない猫のようです。ふと見ると瞳がブルーなのに気がつきました。青い目の茶トラ猫はとても珍しい。猫の撮影をし始めてから現在までおよそ1万匹に会ってきたのですがたぶん今回が2匹目。

カメラを追う吸い込まれそうなブルーの瞳
同じ茶トラ猫とカップルのようですが、子どもたちにもブルーの瞳は受け継がれて行くのでしょうか。

メスの茶トラ猫は黄色の瞳

茶トラ猫の青い瞳は稀少です

2匹は仲良しの若いカップルでした
猫に会いに福岡県の相島と藍島に訪れる機会があったら、ぜひ地島にも足を運んでみてください。
作者プロフィール
南幅俊輔(みなみはば・しゅんすけ)

盛岡市生まれ。グラフィックデザイナー&写真家。デザイン事務所コイル代表。現在、デザイン以外にも撮影、編集、執筆を手がける。2009年より外で暮らす猫「ソトネコ」をテーマに本格的に撮影活動を開始。日本のソトネコや看板猫のほか、海外の猫の取材・撮影を行っている。著書に「ソトネコJAPAN」「猫と世界遺産の街カレンダー」(洋泉社)、「ワル猫カレンダー」「ワル猫だもの」「サーバルパーク」(すべてマガジン・マガジン)、「どやにゃん」(辰巳出版)など。企画・デザインでは「ねこ検定」「ハシビロコウのすべて」「ゴリラのすべて」(すべて廣済堂出版)など。
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