プロフィール

岡田奈々(おかだ・なな)
1974年、 オーディション番組『あなたをスターに』でチャンピオンに選ばれる。75年5月、『ひとりごと』で歌手デビューし、同時にテレビドラマにも出演。ゴールデンアロー賞グラフ賞受賞。76年、映画『青春の構図』(松竹)主演、エランドール新人賞を受賞。以後、歌手・女優として多くの映画、ドラマ、CMに出演している。初代グリコポッキーガールとしても知られる。身長162cm、体重43kg。
ランチに食べたりおやつにしたりと大活躍
私が芸能界に入ったのは、16歳のとき。以来63歳になる現在まで、歌手や女優として、さまざまなチャレンジを続けてきました。長く活動するうえで、基本となるのはやはり健康。いつでも元気でいられるように、自分なりの工夫を続けています。
そんな私が、いちばんのお手本にしているのが、91歳になる母です。母はいつも、とにかく元気。朝は絵文字入りのメールで私を起こしてくれますし、ナンプレ(数独)が趣味なくらい頭もしっかりしています。
あるとき母に、「なぜそんなに元気なの?」と聞くと、「小魚の酢漬けを食べているのよ」と教えてくれました。
そこでそれを参考に、私も煮干しを酢漬けにすることにしたのですが、どうせなら野菜も漬けて、「ピクルス」にしようと思い立ちました。それ以来、もう10年近くピクルスを作り続けています。
寒い時季には、野菜はスープにしてとるため、ピクルスを食べるのは、気温が上がる春先から夏にかけて。キュウリやミニトマト、セロリ、パプリカなど、スーパーで手に入る身近な野菜を材料にしています。
作り方はごく簡単です。最初に、ピクルス液を作ります。穀物酢と水を1対1で鍋に入れ、そこにスプーン1杯程度のハチミツと塩少々、赤唐辛子、ローリエを加えます。酢がまろやかになるよう2〜3分煮立たせればOK。
そして、スティック状に切った野菜を入れた瓶に、ピクルス液を注ぎ、冷蔵庫でひと晩寝かせれば、自家製ピクルスの完成です。

岡田さんの手作りピクルス
味つけにはこだわっています。酸っぱ過ぎると胃に悪いように感じますし、酸味を抑えると口当たりのよさから食べ過ぎてしまうので、ちょうどよい酸味になるように、ハチミツの量を調整します。味は野菜によっても変えることも。例えばミニトマトなら、あえて甘めに作って、デザート感覚で食べています。
私はピクルスを、主に昼食のときにとっています。ここ数年は新型コロナの影響で家にいる時間が増えましたが、口寂しくて間食したいときに、おやつがわりに食べることもあります。
母に教わった、煮干しの酢漬けももちろん作ります。煮干しを酢に漬けるだけだと少し生臭いので、やはりハチミツと赤唐辛子を加えるのですが、こちらは辛みを強めに効かせ、ピリッとした味つけにします。すると、南蛮漬けのような味になります。
お酒はあまり強くない私ですが、日本酒やワインを少しいただくことも。そんなときのおつまみにもぴったりです。
最近はアーモンドの酢漬けも作って、毎日5粒ほど食べています。洗って10時間ほど水に浸けてやわらかくしたアーモンドを、リンゴ酢に漬けるだけ。こちらも簡単に作れます。
こうして、今やわが家の冷蔵庫には、ピクルスを中心に、数種類の酢漬けが並んでいます。
忙しい日々でも疲れを感じない!
私は、若いころからほとんどスタイルが変わっていません。体の健康も体形も、維持するのは少し大変ですが、日常のなかでできる小さな努力を続けようと思っています。
ピクルスを食べることもその一つですが、見た目もカラフルでかわいいピクルスは、おいしく、作る作業も楽しくて、続けることが苦ではありません。
そういえば、ピクルスは、肌にもいいように思います。日ごろから肌荒れもなく、ツルリとした状態を、いつも維持できているような気がします。
また、忙しい日々でも、あまり疲れを感じないのも、こうして、ピクルスで酢や野菜をしっかりとっているおかげかもしれません。
これからも母をはじめ、人生の先輩たちからヒントをいただきながら、体にいいといわれる物や習慣を取り入れて、元気に過ごしたいと思っています。
煮干しのビタミンB群がスタイル維持に奏功
神谷小児科医院医長 神谷仁
岡田さんがピクルスでとっている野菜や酢には、いずれも腸内環境を整える作用があります。腸内環境が整えば、栄養の吸収や老廃物の排出もうまくできるので、肌にもよい影響が現れます。
また酢漬けで召し上がっている煮干しにはビタミンB群が含まれており、これが脂肪と糖の代謝を促し、やせやすい体質にしてくれます。このことが岡田さんのスタイル維持に役立っていると考えられます。
[別記事:ポイントは煮干し! やせ体質になり糖尿病や高血圧、骨の老化も防ぐ腸活ピクルス→]

この記事は『壮快』2022年8月号に掲載されています。
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