プロフィール

山口治樹(やまぐち・はるき)
1980年、東京都出身。2009年、相方の石田創とともにお笑いコンビ「デルピエロ」を結成。コンビでの活動の他、「デルピエロ山口」として、お笑い芸人のアンガールズ田中の物まねネタも行う。自身の薄毛克服経験を生かし、2021年に東京・国立に発毛サロンをオープン。発毛家芸人として、独自の増毛法をブログなどで発信している。
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シャンプーを減らして増毛に成功!
皆さん、初めまして。お笑いコンビ「デルピエロ」の山口です。
突然ですが、僕は10年以上もの間、薄毛に悩んできました。小学生の頃から薄毛に対する恐怖心が大きかった僕にとって、髪の毛が減っていく日々は精神的に苦痛でした。
「ハゲたくない!」という一心で、育毛剤を何十本も試したこともあります。しかし、それでも効果は出ず、いっそスキンヘッドにしようかと悩んだ時期もありました。
そんな僕ですが、実はその後独学で増毛に成功しました。この経験を生かし、今では「発毛家芸人」として、自分で検証した増毛法をブログなどで皆さんにお伝えしています。
その1つの方法が、シャンプーの回数を減らすこと。通称「減シャン」です。
僕の場合は、2021年1月から1年間シャンプー洗髪の回数を減らし続けた結果、髪のボリュームが増えるなどのうれしい効果を得られました。
実は、当初は減シャンではなく、お湯だけで洗髪する「湯シャン」を実践しようと考えていました。湯シャンは、タモリさんが実践していることもあり、以前から関心がありました。
ただ、僕はひどく脂性(皮脂の分泌が過剰になりやすい性質)なため、習慣にできませんでした。実際に2度挑戦しましたが、どちらも失敗しています。
そこで、いきなり湯シャンに切り替えるのではなく、徐々にシャンプーの使用量や回数を減らすことにしたのです。

デルピエロ山口さんの
減シャンのやり方
❶洗面器のお湯に頭を浸けてもみ洗いをする
洗面器に40℃くらいの熱めのお湯を張り、頭を浸ける。
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片手でガバッと頭をつかみながら、かなり強めに頭皮をもみ洗いする。
<ポイント> 熱めのお湯で脂を溶かして、皮脂を絞り出すようなイメージで行う。
❷少量のシャンプーを使って洗う
髪の部分だけにシャンプーをつけて汚れと脂を落とすように洗う。
・使用量……ボトルから1/2プッシュ、1/3プッシュと、無理のない範囲で徐々に減らす。
・シャンプー洗髪の頻度……1日置き、2日置きと、徐々に期間をあけるとよい。
❸シャワーで髪をすすぐ&もみ洗い
シャンプーの泡が頭皮につかないように気をつけながら、シャワーですすぎ洗いをする。
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最後にもう一度、お湯で頭皮をもみ洗いして終了。
シャンプーを無理に我慢しない
僕の減シャンは、他の人と比べるとかなり過激なので、「武闘派減シャン」と名づけました。(やり方は前項)。
武闘派減シャンの第1のポイントは、お湯で洗髪する際にマッサージを兼ねたやや強めの頭皮のもみ込みを行うこと。
実はもともと、頭皮マッサージだけでもかなりの増毛効果を実感していました。そこで、熱めのお湯で頭皮をもみ洗いするときも、頭皮へのマッサージを意識したのです。
頭皮マッサージと言うと、頭皮の表面だけをもむと思われがちです。しかし僕の場合は、頭蓋骨を意識して、筋肉をかなり強めに押すように行います。
頭皮が傷つくのを避けるため、爪は立てず、頭皮はむやみにこすりません。指の腹で30秒ほどギューッと持続圧をかけると、筋肉が溶けるようにゆるむのがわかります。
また、頭皮の奥の方に、ゴリゴリとした老廃物のたまり場のような箇所があることも。そのときは、ゴリゴリした部分を、指で砕くようなイメージでもみほぐします。
その他にも、頭のこりがある箇所をじっくりほぐしたり、頭蓋骨に張り付いて薄くなった頭皮をつまみ上げるようにしたりという動作も組み合わせます。
第2のポイントは、無理にシャンプーを我慢しないこと。
前述した通り、僕はひどい脂性なので、一時は毎日2度シャンプー洗髪をしていました。それでも脂の残りが気になって、洗浄力の強いシャンプーを試したこともありました。
しかし、念入りに洗髪した直後であれば、頭皮はカサカサに乾きますが、2時間ほどで頭皮が光るほどギトギトな脂が浮き始めるのです。
このギトギト感も、減シャンを続ければ少しずつ改善していきます。熱めのお湯でしっかりと頭皮をもむからか、洗髪後の脂残りは、以前よりも気になりません。
そうは言っても、減シャンを始めて最初の1ヵ月は、相当ストレスがたまりました。シャンプー洗髪を我慢した日には、シャンプーで気持ちよく髪を洗う夢を見たくらいです。
このようなストレスがあるとどうしても続きません。そのため、僕は頭皮や髪の様子を見ながら、たまには気持ちよくシャンプー洗髪を堪能することにしました。この方法に変えて1ヵ月を過ぎた辺りで、「どうにか続けられそうだ」と思えるようになりました。

美容師も気づくほど髪質が変わった
ちなみに、使用するシャンプーは、天然素材の入った洗浄力のマイルドなシャンプーを使うよう心がけています。
現在は、「究極の天然素材シャンプー」として、塩こうじをシャンプー代わりに使っています。見た目はグロテスクですが、意外とスッキリ洗えて気持ちがいいですよ!
減シャンを始めてから、僕は毎日、髪の状態を写真で記録しています。その様子を確認すると、開始から半月ほどで、髪の黒さと、どっしり感が増したように感じました。
さらに、20日目になると、行きつけの美容院で、美容師さんに「髪質が変わったか」と尋ねられました。僕が薄毛だった頃から付き合いのある人なので、相当変化があったのでしょう。
減シャン生活から60日が経った頃には、髪や頭皮のベタつきがハッキリと減少。その後も1年間続けた結果、脂の量が確実に減り、シャンプー洗髪は月に3~4回で十分と思えるまでになったのです。
頭皮の状態がよくなったおかげか、髪は以前よりも太くなってツヤも出て、ボリューム感も増しています。抜け毛も減少し、もみ洗いの影響か、頭皮自体もかなり柔らかくなりました。
僕自身もそうでしたが、シャンプー洗髪が習慣化している人ほど、減シャン挑戦時にストレスを感じると思います。ですから、どうしてもつらくなったら無理しないこと。「精神的にも、髪の毛的にもつらい」と感じたら、気持ちよくシャンプー洗髪をしてください。
頭も気持ちもスッキリしたら、翌日からまた減シャンを始めましょう。そうして徐々に慣れていけば、きっと変化を体感できるはずです。

この記事は『安心』2022年7月号に掲載されています。
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