解説者のプロフィール

天霧真世(あまぎり・まよ)
健康美エクササイズトレーナー。1980年、大阪府生まれ。1999年に宝塚音楽学校を卒業後、同年4月に宝塚歌劇団に入団。星組男役として、「風と共に去りぬ」「ベルサイユのばら」など数々の舞台に出演する。2011年に宝塚歌劇団を退団後、翌年から自身が在団中に行っていたエクササイズ「マヨササイズ」の教室を、東京・大阪・名古屋に開設。音楽に合わせて運動したり、タオルやめん棒といった身近なアイテムを使ったりと、簡単で楽しいエクササイズが好評。
舞台で疲れた足が一晩で軽くなった!
私は、宝塚歌劇団の星組で男役を務めた後、退団してからは「健康美エクササイズトレーナー」として、エクササイズのレッスンやオンラインレッスンを開催しています。
私がお伝えしているのは、在団中に考案した「マヨササイズ」です。公演前のウォーミングアップで筋トレやストレッチをしていたところ、星組の皆も一緒に行うようになり、「マヨが行うエクササイズ」として、こう呼ばれるようになりました。
このことは、ファンの皆さんもよくご存じだったので、退団後の私の元に「マヨササイズを教えてほしい」という声が数多く寄せられました。
そこで、感謝の気持ちからレッスンを開催したところ大好評。「またやってほしい」というリクエストに応えるうちに、レッスンは回数を重ね、口コミで参加者も増えていきました。
一般向けのマヨササイズは、高齢の方でも簡単かつ確実に筋肉を刺激できるように、タオルなどの身近なアイテムを活用するといった工夫をしています。
そんなアイテムの中で「一家に1本!」と私が熱くお勧めしているのが、めん類などの生地を伸ばす際に使う、「めん棒」です。
その素晴らしさに目覚めたのは、在団中のときでした。私はもともと足がむくみやすい体質で、公演で高いヒールの靴をはいてダンスをすると、極度に足が疲れてしまうことに悩んでいました。
帰宅後も、むくみや重だるさを引きずり、手でふくらはぎをマッサージしても、まだ疲れが残る状態。ひどいときは、夜中に足がつることもありました。
そんなある日、ふと目についたのが、自宅にあっためん棒。星組の旅行で香川県に行った際、うどんの手打ち体験をしたときにいただいたものでしたが、自宅では使う機会がなく放置していました。
そこでふと、めん棒でふくらはぎをマッサージしてみたところ、何とも気持ちがよかったのです。足のむくみやだるさもたちまち和らぎ、翌朝には、劇的に足が軽くなっていました。
そこからの私は、すっかりめん棒のとりこ。習慣的にめん棒でふくらはぎをマッサージするようになり、長年のむくみやこむら返りといった足のトラブルから解放されました。
私のめん棒への愛は強く、退団時には名前入りのめん棒を組の皆に配ったほど。当時の星組生は、今もめん棒を持っていて楽屋や家で使ってくれているそうです。
運動と組み合わせれば脂肪燃焼に役立つ
めん棒を使ったふくらはぎマッサージの方法は、下項の通りです。めん棒は、100円ショップで買えるもので構いません。
マッサージを行う時間で、最も効果的なのは夜です。テレビを見ながら、あるいは布団の上で1分程度行うだけでも、1日の疲れが取れて、足が軽くなるはずです。
また、運動やウォーキングの前後にふくらはぎをマッサージしておくと、血流がよくなる上、脂肪が効率よく燃焼します。運動は、簡単なものでも十分効果があるので、マッサージ後にかかとを上げ下げするだけでも美脚につながります。
特に、ふくらはぎの筋力が弱い人は、運動後に筋肉を休ませることが大切。動いた後にマッサージを行うといいでしょう。
めん棒を使ったマヨササイズのレッスン参加者からは、「むくみが取れて、その場で足の形が変わった」「立ち座りがしんどかったのがスッと立てるようになった」「以前は駅まで歩くだけで息切れをしていたが、いつの間にからくに歩けるようになっていた」といった声をいただいています。
ふくらはぎマッサージは、健康や美脚の維持に役立ちます。手もみだと疲れてしまう人や、足に手が届きにくい人でも、手軽にできるめん棒マッサージを行ってみてください。
めん棒を使ったふくらはぎマッサージのやり方
〈横に持って使う〉
床に座った状態で、めん棒を横に持って足首に当てる。ふくらはぎにたまっている血液を心臓に戻すようなイメージで、下から上に向かってめん棒を押し上げる。

※優しくなでるだけでも十分に効果が得られる。強めの刺激が心地よいと感じるならば、無理のない範囲でゴリゴリ押してもOK。
〈縦に持って使う〉
床に座った状態で、めん棒を縦に持つ。先端でツボを押すイメージで、気持ちいいと感じる場所を押す。

※お勧めのイタ気持ちいいポイントは、ふくらはぎの側面の骨と筋肉の境目。足の疲れやむくみによく効く。

この記事は『安心』2022年7月号に掲載されています。
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