解説者のプロフィール

藤井香江(ふじい・かえ)
簡単ダイエット専門家。40代から美しくやせる! 簡単ダイエットの専門家、スリムデザイナー、美容系編集者&ライター。半年で20kgのダイエットに成功し、20年以上体重をキープ。ジュースやスープによる独自の食事法を開発し、二度と太らない体質と健康を維持。食べても飲んでもやせて、リバウンドなしの簡単メソッドが男女問わず好評。
やせられない人たちの共通点は便秘
「ダイエットをしても、すぐにリバウンドしがち」
「どうして太るのか、理由が全然わからない」
「そんなに食べていないのに、なぜか体重がジワジワと増えてきた」
こうした悩みを聞くたびに、太っていた頃の私を思い出します。もともと太りやすい体質で、20代のときには身長が160cmに対して、体重は70kgもあったのです。話題になっているダイエット法に飛びついては、リバウンドをくり返し、何度も自己嫌悪に陥っていました。
そんな数々の失敗をもとに、「やせられない私に、本当に足りていないものは何なのか」を追求しながら、試行錯誤を重ねました。
その結果、半年で20kgの減量に成功し、20年以上も無理なく体形をキープできています。
こうして私がたどり着いたダイエット法を、3~4年前から本格的にオンライン講座でお伝えしてきました。これまで500名以上の方に受講していただいたのですが、新型コロナ期においては、その91%がダイエットに成功しています。
これほど成功率が高い秘訣は、我慢をしないこと、がんばらないこと。そして、「私たちの体にとって一番必要なもの」を補っていることにあります。
太っていた頃の私や、受講生の皆さんには、共通点がありました。それは便秘です。老廃物や毒素がきちんと排泄されず、どっさりと体にたまっていたのです。
このように「体が目詰まりを起こしている状態」では、ダイエットに効果的な栄養素をとったとしても、うまく体内で吸収されません。
さらに、私たちの悩みは肥満だけでなく、肌が荒れる、ニキビができる、元気が出ないといった点でも共通していました。これは、毒素による悪影響だと考えられます。
そんな「何をやってもやせられない人たち」に、根本的に不足していたのが、“水溶性食物繊維”なのです。
水に溶けるタイプの食物繊維をとるべき
食物繊維には水溶性と不溶性があります。
水溶性食物繊維は、その名の通り、水に溶ける性質の食物繊維です。代表的なものは、ペクチンやフコイダン。水分を保持する性質が強く、水を含むとネバネバ・トロトロと粘りのある状態になります。
一方、セルロースなどの不溶性食物繊維は、水に溶けません。たいていの人が「食物繊維」という言葉を耳にすると、不溶性食物繊維をイメージするようです。
そのため、便秘に悩む人の多くが、便通改善のために、不溶性食物繊維が豊富な根菜類などを、たくさんとる傾向がありました。しかし、不溶性食物繊維は、水を含むとスポンジのように膨らみます。そのため、便秘の人がとると、逆効果になりやすいのです。
便秘の場合、腸が内容物を送り出す「蠕動運動」が弱くなっています。この状態で不溶性食物繊維が腸に入ってくると、便はボリュームが大きくなり過ぎて、スムーズに進まなくなってしまいます。こうして、腸内に便が停滞します。その間に、便の水分が腸から吸収され、カチカチに硬くなります。
つまり、不溶性食物繊維には便秘を悪化させるケースもあるのです。
腸内に滞った便からは、水分だけでなく、毒素や老廃物も吸収されます。これらが血液に乗って全身を巡ると、新陳代謝が妨げられます。
そして、体にとって必要な栄養素は吸収されにくく、体内の脂肪は燃焼しづらくなるため、ジワジワと太っていきます。しかも、毒素によって、肌やメンタルの状態まで悪化してしまうのです。
40~50代は女性にとって体のあちこちに変調が出てくる曲がり角の世代に当たり、それ以降は新陳代謝のサイクルが悪くなります。
ですから、体にたまった毒素や老廃物を取り除く「デトックス」を心がけることが重要。そのためには、根本的に不足している水溶性食物繊維を補うことが、非常に効果的です。
手軽に、たっぷりと水溶性食物繊維をとる方法として、私が考案したのが、メカブとナメコを混ぜた「ネバネバ海藻キノコ」です。
メカブにはフコイダンやアルギン酸、ナメコにはムチンやペクチンといった水溶性食物繊維が豊富に含まれています。この2つを組み合わせたネバネバ海藻キノコで、水溶性食物繊維が十分に摂取できます。
調理する際に火を使わないので、暑い夏でもラクに作ることができます。1日1回食べることが望ましいのですが、ダイエットが目的の場合は、毎日、夕食前に食べることを心がけてください。早い人だと翌朝には、気持ちのよい便通が起こるはずです。

●メカブやナメコには水溶性食物繊維が豊富に含まれる!
●便秘が改善して体の目詰まりを解消できる!
●調理する際に火を使わないので作るのがラク!
●スープや麺類などさまざまな料理に活用できる!
ネバネバ海藻キノコの作り方

材料(2食分)
メカブ(味付けなし)…2パック
ナメコ…2袋
※塩を1つまみ加えて混ぜると、冷蔵庫で3日ほど保存可能。
※味付けしてあるメカブを利用してもよいが、その場合、他の食品と組み合わせるときに塩分などを控えめにすること。

❶ナメコを耐熱容器に入れ、電子レンジ(500W)で2分ほど加熱する。

❷①の粗熱が取れたら、メカブと混ぜ合わせて、出来上がり。
ネバネバ海藻キノコの活用レシピ2種

ネバネバ納豆
ネバネバ海藻キノコ1食分と、納豆1パック分を混ぜ合わせ、納豆に添付のたれやからしを加えて味を調える。

ネバネバ和風おろし
ネバネバ海藻キノコ1食分と、ダイコンおろし約50g(約2cm分)を混ぜ、ポン酢を適宜かける。
お菓子を食べたいと思わなくなる
ネバネバ海藻キノコを食べ始めて最初に現れる効果が、デトックスです。便秘が解消したり、肌荒れが改善したりして、多くの場合、2週間で3kgほど体重が減ります。
これは、保水力の高い水溶性食物繊維が腸内で便を軟らかくし、滑りをよくすることが関係しています。加えて、水溶性食物繊維は、ビフィズス菌など腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えます。こうして、便秘が解消され、毒素や老廃物が体外に出ていくのです。
デトックスが進むにつれて、新陳代謝が本来のサイクルに戻っていきます。
すると、栄養素の吸収もよくなるだけでなく、脂肪燃焼も促され、「何をやってもやせられない」という状態から抜け出します。昼間のおやつにお菓子を食べても、週末に飲み会に参加しても、太りにくい体になってくるのです。
また、おやつや飲み会を、以前ほど魅力的には感じられなくなるでしょう。ネバネバ海藻キノコを食べていたら、自然とお菓子やお酒の量が減っていったという話は珍しくありません。
これは、デトックス効果によって、舌(味覚)が本来の自然な状態を取り戻すからと考えられます。「人工的な味付けだと、舌がピリピリする」ということを、私だけでなく受講生の皆さんも経験しています。
お菓子やお酒といった太りやすい飲食物を、無理に我慢する必要はありません。無意識のうちに、自然とほしくなくなっていくはずです。
体がデトックスされると、内臓の機能も正常な状態に戻るようで、受講生からは「健康診断の腎臓の数値が改善して、全て『異常なし』になりました」という報告も受けています。
2~3ヵ月続ければ6~8kgやせるはず
ネバネバ海藻キノコには、こうしたデトックス効果の他に、血糖値の上昇をゆるやかにしたり、脂質の吸収を抑えたりする効果もあります。
食物繊維と一緒に糖質をとると、食後に血糖値が上昇しにくくなります。ですから、ネバネバ海藻キノコを、白いご飯や麺類を口にする前に食べたり、料理に加えて食べたりするのがお勧めです。
糖質が好きならば、ダイエットのために我慢する必要はありません。むしろ我慢を続けると、リバウンドをしやすくなります。大事なのは、ご飯や麺類を食べる前にネバネバ海藻キノコをとるといったセオリーを守ることです。
こうした効果も減量につながっていき、ネバネバ海藻キノコを食べ始めて2~3カ月で6~8kgのダイエットに成功するはずです。
もちろん、減量幅に個人差はありますが、「ネバネバ海藻キノコでやせない体はない」と、自信を持ってお伝えできます。
ネバネバ海藻キノコのさまざまな効果
●体内の老廃物を体外に排出するデトックス効果により、便秘の解消、肌荒れの改善が期待できる
●水溶性食物繊維がビフィズス菌など腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える
●新陳代謝が本来のサイクルに戻り、栄養素の吸収がよくなる他、脂肪燃焼が促される
●舌(味覚)が本来の自然な状態を取り戻し、お菓子が魅力的には感じられなくなる
●血糖値の上昇を抑える

この記事は『安心』2022年7月号に掲載されています。
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