服用のタイミング
Q. 朝食のあと服用するように指示されましたが、私は朝食をとりません。どうしたらいいですか?
A. 時間をずらして服用できる場合があります。
1日1回の薬ならば、昼食後の服用でも大丈夫な物があります。1日3回の薬でも、昼食後、夕食後、寝る前とずらす、1日2回に減らす、といった変更ができることがあります。いずれも自己判断せずに、医師に相談しましょう。
Q. 薬を飲み忘れました。次のタイミングまで飲まずに待つべきですか?
A. 薬によって異なります。
月1回服用のビスホスホネート製剤(骨粗鬆症治療薬)は、翌日に飲んでもかまいません。毎日服用する薬なら、次回まで飲まなくていいこともありますが、医師に確認しましょう。また、一度に複数回分、服用するのはやめてください。
Q. 「『食間』に服用」とあるときは、食事中に薬を飲むのでしょうか?
A. 『食間』は、「食事と食事の間」を指します。
「食直後」など、多種多様な服用のタイミングは下図を参考にしてください。


「食直前」「食直後」はお箸などの食器を基準にしよう!
Q. 「頓服(とんぷく)」とはなんでしょうか?
A. 痛みや熱など、症状が現れたときに服用することです。
症状が現れていないときは、服用しません。
飲みやすくする方法
Q. 薬が大きくて飲めません。ほかの薬に変更できませんか?
A. 薬局で飲みやすい形に変更できることがあります。
同じ薬の小さい規格に換える、半分に割る、粉砕する、といったことができる場合があります(有料)。効果がなくなったり、副作用が出やすくなったりする薬があるので、自己判断で手を加えないでください。まずは薬剤師にご相談ください。
Q. 一度に飲む数や量、種類を間違えてしまいます。どうしたらいいですか?
A. 薬局で「一包化」ができます。
一包化とは、1回に服用する分を1袋ごとにまとめることです(有料)。種類ごとに別々にする、日付を記す、個人情報になることは記さないなど、ご希望に沿って一包化します。
塗り薬・湿布の貼り方
Q. チューブに入った塗り薬を別の容器に移していいですか?
A. 1ヵ月程度で使い切る量ならかまいません。
なるべく、菌やゴミが入らないようにしてください。別容器に移せない薬もあるので、医師や薬剤師に確認しましょう。薬局で受け取るときに、薬剤師に移し換えてもらうこともできます(有料)。
Q. なぜ薬の塗る順番が決まっているのですか?
A. 体への吸収しやすさが関係しています。
医師の指示がなかった場合は、広く塗る薬から使いましょう。軟膏は基本的に水をはじく性質があるので先に塗ると、あとに塗る薬が吸収されないことがあります。
Q. 貼った湿布がクシャクシャにならない方法はありませんか?
A. フィルムを一度に全部はがさないことがポイントです。
お勧めの貼り方
①フィルムを少しだけはがして、その部分を患部周辺に貼る。
②フィルムを徐々にはがしながら、少しずつ貼っていく。
ひじやひざなど関節に貼るときは、湿布にハサミで切れ目を入れておくと、ずれにくくなります。貼るのに役立つグッズも販売されています。

Q. 湿布を長時間貼っていると、かぶれます。一日中貼っていなければいけませんか?
A. 基本的に半日貼れば、効果が現れます。
かぶれないように早めにはがしてもかまいません。
薬の特徴・制度
Q. 目薬の中にある粒々はなんでしょうか?なぜよく振る必要があるのでしょうか?
A. 溶けにくい成分が分離して粒々になることがあります。
混ぜる必要があるので、よく振ってから点眼してください。また、目薬のふたを下に向けて置くと、この成分によって詰まることがあります。ふたを上に向けて保管してください。
Q. 余っていた薬をまた使っていいですか?
A. 余った薬は捨ててください。
一度開封してしばらくすると、雑菌が繁殖したり、状態が維持できなくなったりします。未開封でも、薬には使用期限があります。気温や湿度、紫外線などの影響で、化学変化が起こるのです。
Q. 粉や粒、液体など形状が違うのはどうしてですか?
A. 飲みやすさが関係しています。
それぞれの効果は、基本的に同じと考えてかまいません。胃薬などは、効果を早めるために、液体や顆粒になっていることがあります。
Q. 今までと同じ薬なのに値段が変わりました。どうしてですか?
A. 薬価改定による変動です。
処方薬は2年に一度、国による価格の見直しがあります(薬価改定)。原則、2年に1回、4月の診療報酬改定とともに行われます。値段が変わらなかったり安くなったりすることがありますが、高くなることもあります。
Q. 今までと違う薬が処方されました。どうしてですか?
A. 症状の具合やほかの臓器への影響などを考慮して、薬が換わることがあります。
例えば高血圧の薬の場合、
・血圧が突然上昇する人は、心臓の負担も抑えられる降圧剤に変更
・1種類の降圧剤で効果が薄かった人は、心臓の負担を抑える降圧剤と体の水分を出す降圧剤の併用に変更
といった例が挙げられます。
Q. 痛み止めの薬という説明でしたが、調べてみたら精神疾患の薬でした。誤った処方でしょうか?
A. 薬によっては、複数の効果を持つ物があります。
例えばデュロキセチン塩酸塩は、うつ状態の改善と痛みの両方に効果があります。うつ状態のない人に使用して、痛みの軽減効果と安全性が評価されています。
Q. 新型コロナウイルスの薬はありませんか?
A. 特定の薬局にあります。
国の特例承認を受けている新型コロナウイルス感染症の経口抗ウイルス薬に、ラゲブリオとパキロビッドパックがあります。
これらを処方できる医療機関や薬局は限られており、まずは対応している医療機関で受診する必要があります。また、発症から5日以内しか使えない、といった条件があります。詳しくはお住いの自治体などにご確認ください。(2022年4月19日現在)

この記事は『壮快』2022年7月号に掲載されています。
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