【岡山・倉敷を猫旅】天使の寝顔にキュン！蔵屋敷の街で出会ったやんちゃな子猫〈猫を訪ねてにゃん千里〉

倉敷で出会ったやんちゃな子猫

島ねこの撮影の際に倉敷美観地区に立ち寄ったことがあります。

ちょうど写真展の話もあリ、ギャラリーの下見も兼ねていました。下見を終えて歴史ある建物が並ぶ路地を歩いていると、懐かしい物を発見しました。

昭和45年〜50年台に流行したスーパーカー自転車です。フレームに付いているギアレバーが特徴で、当時のブームから一度も見たことがありません。

家の前に停められていることから現役だと思われます。そのスタイルが懐かしく写真を撮っていたら、散歩から帰ってきた持ち主が声を掛けてきました。しばらく立ち話をしているうちに、猫の写真展会場の下見で来たことをお話ししたところ、ご自宅に最近迎え入れたという、かわいい子猫に会わせてくれました。

天使のような寝顔

倉敷といえば白壁の蔵屋敷の街。歴史ある街並みを見ることができる日本有数の観光地です。そんな趣を残す家に入れていただき、子猫の寝姿を見せてもらいました。土間の奥、和柄の座布団の上でスヤスヤと眠っているキジ柄の猫。近所で生まれたところを保護したそうです。安心しきって寝ている姿はまるで天使のよう。

カメラのシャッターを夢中で押していると音に気付き目を覚ましました。

シャッター音に合わせてポーズ

天使のような子猫は、動きだすと意外とアクティブ。あちこち動き回り寝起きは儚げな表情だったのに、やんちゃな猫に変身です。寝たかと思ったらびっくり顔をしたり、変顔を連発したり。そんな姿をとらえようと、こちらも連写が止まりません。というかシャッター音を楽しんでいるように感じてきます。

忘れられない倉敷の夜

気がつけばあっという間に大きくなってしまう、子猫の貴重な写真が撮れました。
10分？　いやそれ以上長いことずっとカメラを構えていたようです。気がつけばあたりは暗くなっていました。その間、家主は見知らぬ私のために家をあけて表で夕涼みをしながら待っていました。

家には子猫の兄弟でしょうか？　一回り大きな子猫もいて、まとめて面倒を見ているそう。隣の駐車場にも数匹の猫の姿もあり、人にも猫にも優しい人柄を感じました。

帰り道、お店から漏れる灯りがとても温かく思えた倉敷の街でした。

作者プロフィール

盛岡市生まれ。グラフィックデザイナー＆写真家。デザイン事務所コイル代表。現在、デザイン以外にも撮影、編集、執筆を手がける。２００９年より外で暮らす猫「ソトネコ」をテーマに本格的に撮影活動を開始。日本のソトネコや看板猫のほか、海外の猫の取材・撮影を行っている。著書に「ソトネコＪＡＰＡＮ」「猫と世界遺産の街カレンダー」（洋泉社）、「ワル猫カレンダー」「ワル猫だもの」「サーバルパーク」（すべてマガジン・マガジン）、「どやにゃん」（辰巳出版）など。企画・デザインでは「ねこ検定」「ハシビロコウのすべて」「ゴリラのすべて」（すべて廣済堂出版）など。

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