子宮頸がんのほとんどは、ヒトパピローマウイルスによるウイルス感染が原因です。そして、大半の人が生涯の間に、このウイルスに感染するとされています。がんになるかならないかを決めているのが、その人自身の免疫力ということなのでしょう。私の場合、ずっと低体温でしたから、それが免疫力を下げてしまった一因だったのではないかと思います。【解説】居原田麗(麗ビューティー皮フ科クリニック院長)

解説者のプロフィール

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居原田麗(いはらだ・れい)

滋賀県生まれ。2006年、国立滋賀医科大学卒業。11年、麗ビューティー皮フ科クリニックを開院、同院長。美容を医療の観点から考え、女性医師の立場から、繊細な悩みにも対応。日本美容皮膚科学会、日本美容外科学会、日本形成外科学会など、多くの学会で正会員を務める傍ら、3人の息子と1人の娘の母でもある。20年に子宮頸がんが発覚。肝臓への転移も見つかり、現在闘病中。

子供たちを残して死ぬわけにはいかない!

2020年3月、子宮頸がんの告知を受けたときは、ショックでした。診断は、子宮頸がんのうちでも、非常に希少な小細胞がん。小細胞がんは進行が早く、予後がとても悪いのです。

我が家には4人の子供がいて、末っ子は、その当時まだ1歳。夫が一人でこの子たちを育てなくてはいけないのかと思い、大泣きしてしまいました。

それでも、子供たちを残して死ぬわけにいかないと気を取り直し、治療もセルフケアもがんばろうと決意しました。

子宮を全摘し、その後は抗がん剤治療。術後1年くらいは元気に過ごし、仕事にも復帰していましたが、2021年8月、肝臓に転移が見つかり、11月に肝臓の切除手術を受けました。先進医療の可能性も探りつつ、現在は、別の抗がん剤治療を始めようとしているところです。

がんのセルフケアはさまざまです。エビデンスがはっきりしていないものであっても、多くのがんの患者さんが試して、実際によさそうに思えることにはトライしています。

画像: 自動調理鍋とブレンダーは必需品

自動調理鍋とブレンダーは必需品

まず食事ですが、がんの患者さんにとって精製された糖はよくない、といわれます。そこで、白米は玄米に換え、白砂糖は控えています。乳製品は豆乳に。あとは、野菜を積極的に摂取し、小麦(グルテン)をできるだけ控えるグルテンフリーを心がけています。

朝起きたら、まずニンジン、ケール、レモンでジュースを作り、それを飲みます。食事は玄米ごはんに納豆やみそ汁、お豆腐などの和食のメニューや、作りおきしている野菜スープが、朝と昼のメインです。野菜スープは体にいい物を多く使って、常に冷凍してあります。

夕食を、育ち盛りの子供たちと同じメニューにするのはなかなか難しいものがあります。なので、基本は子供たちに合わせつつ、自分が食べられる物を選んで食べています。

例えば子供たちがクリームシチューの場合、私自身は乳製品を控えているので、同じ物は食べられません。かわりに、野菜を別に取り分けておき、それらの野菜で豆乳ベースの自分用のシチューを作るといったように、食卓に並んでいる物を自分のためにアレンジするのです。

ただ、特に食事面で厳しく律し過ぎると、つらくなってしまうので、最近は、ときどき制限を緩めています。

画像: 居原田先生のキノコ入りサツマイモのポタージュ

居原田先生のキノコ入りサツマイモのポタージュ

寒い季節には汗をかくくらい温かく!

温活も行っています。寒い季節は靴下の2枚履きに加え、レッグウォーマーをして、腹巻きも2枚重ねで着用します。腹巻きの上に使い捨てカイロも貼り、さらに温かいモコモコのパジャマを着て、汗をかくくらい温かくします。

私はもともと低体温でした。汗をかけば化粧もくずれますし、いつも涼しげにしているほうが美しいと考えていたので、自分の手足が冷たいのを気に入っていたくらいです。

今では、その考えを改め、「汗をかいた。よし!」と考えられるようになりました。

温活の結果、35度台だった体温が上がってきて、目標値の36.5度をほぼ毎日クリアできるようになっています。

運動もしたほうがいいでしょう。でも、私は昔から体を動かすのが苦手で、ほとんど運動を行ってきませんでした。

ただ、運動している人のほうが抗がん剤が有効であるというエビデンスがあります。唯一泳ぐことは好きなので、現在プールに通うことを計画中です。

子宮頸がんのほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)によるウイルス感染が原因です。そして、大半の人が生涯の間に、このウイルスに感染するとされています。それにもかかわらず、がんになる人と、ならない人が出てくるわけです。

がんになるかならないかを決めているのが、その人自身の免疫力ということなのでしょう。私の場合、ずっと低体温でしたから、それが免疫力を下げてしまった一因だったのではないかと思います。

がんにならないために、また、がんになってしまったとき、その進行を遅らせるためにも、食事をはじめとした生活習慣が、とてもたいせつだと改めて感じています。

画像: この記事は『壮快』2022年6月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『壮快』2022年6月号に掲載されています。

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