中医学では、耳鳴り・難聴といった耳の不調は、「腎」の機能が低下することによって起こるとされています。早めに腎をケアすれば、耳鳴りや難聴などの症状を軽減する効果も期待できます。また、「肝」の機能を助けることが「腎」を強くすることにつながります。【指導・解説】中倫子(株式会社TMB 管理栄養士・国際中医薬膳師)

解説者のプロフィール

画像: 解説者のプロフィール

中倫子(なか・みちこ)

(株)トータルマネジメントビジネス 管理栄養士・国際中医薬膳師。食品メーカーや量販店に向けた料理レシピ開発などに従事。生活習慣病改善のための栄養指導も行い、栄養と料理・薬膳に関する健康教育にも携わっている。

サヤインゲンとヒジキの黒ゴマあえ

画像: サヤインゲンとヒジキの黒ゴマあえ

黒い食材は腎の働きを高めるといわれ、黒豆や黒ゴマはその代表格です。老化による耳鳴り・めまい・白髪、足腰の弱りなどの改善が期待できます。また、古来より中国では、豆類は腎を滋養できるといわれています。日頃から少量ずつとることをお勧めします。なお、黒豆と小魚の酢漬けも腎の力を養います。

材料(2人分)
サヤインゲン……120g
ヒジキ(生)……10g
[あえ衣]
 酒……大さじ1
 しょうゆ……大さじ1
 黒練りゴマ……大さじ1/3
 黒ゴマ(炒ってすったもの)……大さじ2

サヤインゲンは柔らかくなるまでゆで、箸などでザルに引き上げ3〜4cmの長さに切る。
①の鍋にヒジキを入れてさっと沸騰させ、水気を切る。
あえ衣を作る。耐熱容器に酒を入れ、電子レンジで40秒程度加熱する。黒練りゴマを溶かし入れ、黒ゴマを入れよく混ぜる。②のヒジキを加え混ぜる。
③のあえ衣に①のサヤインゲンを入れ、あえる。

セリとタケノコのすっぽんスープ

画像: セリとタケノコのすっぽんスープ

春は「三寒四温」で目まぐるしく気候が変化し、自律神経が乱れやすくなります。セリは、香りによりストレスを緩和します。また、タケノコは、便秘を解消して老廃物の排出を促します。すっぽんは体のほてりを冷まし、体内を潤して肝・腎を養います。これらの作用により、自律神経を整える効果が期待できます。

材料(1人分)
セリ……10g
すっぽんスープ(市販品・なければ鶏ガラスープでも可)……1缶(180ml)
タケノコ(水煮)……穂先スライス1〜2枚
ショウガ汁……少々

セリは食べやすい大きさに切る。
すっぽんスープを鍋に入れて加熱し、タケノコを入れ、沸騰させる。
食べる直前に①を入れ、ショウガ汁を加える。

黒豆茶

画像: 黒豆茶

材料(2人分)
黒豆……大さじ1
〔黒豆は、入手できるなら「黒千石」がお勧め。市販品の黒豆茶(乾煎り済み)も手軽で便利〕
水……500〜700ml(好みで加減する)
麦茶……大さじ1/2
かえりちりめん(いりこや煮干しでも可)……適量

黒豆は、香ばしい香りがしてキツネ色の焦げ目がつくまでフライパンで乾煎りし、お茶パックに入れる。
①を、水の入った鍋またはやかんに入れて加熱する。沸騰したら弱火にして麦茶を入れ、15分程度弱火で煮る。

画像: 耳鳴り・難聴を食事でケア!耳の老化を防ぐ食材を使ったレシピ6選

黒豆とちりめんの酢漬け

黒豆は2回程度黒豆茶に使える。その後、柔らかくなっていれば、かえりちりめんとともに酢に漬けて食べてもおいしい。黒豆茶を2回程度作った後も黒豆が固いままなら、もう1〜2回お茶を作り、柔らかくなってから酢漬けに使う。

鶏レバーの梅酒煮

画像: 鶏レバーの梅酒煮

鶏レバーはビタミンAを豊富に含み、目の働きを助けます。また、肝の働きを整え、血を補います。梅酒のクエン酸は肝を働きやすくし、同時に腎を助けます。

材料(作りやすい分量)
鶏レバー(下処理済み)……300g
梅酒……適量
しょうゆ……大さじ2〜3
砂糖……大さじ2〜3
ショウガ……1片(薄切り)
針ショウガ……適量

鶏レバーは一口大に切る。
小鍋に①を入れ、かぶるくらいまで梅酒を入れる。
②を加熱し、鍋肌がクツクツ音を出し始めたら鍋底からヘラでかき混ぜる。しょうゆ、砂糖、ショウガを加え、ときどき混ぜながら煮汁が少なくなるまで煮る。梅酒の量により調味料は加減すること。
③を器に盛り、針ショウガをのせる。

ウナギ豆腐のヤマイモかけ

画像: ウナギ豆腐のヤマイモかけ

ウナギは気力と血を補います。ヤマイモは山薬(さんやく)ともいわれ、消化酵素を含み、消化機能を高めて気力を増し、衰えた腎の機能を正常化させるといわれています。どちらも腎を補う強いパワーの持ち主です。

材料(2人分)
ウナギの蒲焼……1/2尾
豆腐……2/3丁
本みりん……大さじ2
酒……大さじ1程度(要加減)
しょうゆ……大さじ1程度(要加減)
ヤマイモ(すりおろし)……大さじ3程度
粉サンショウ……少々
菜の花……適量

ウナギの蒲焼は幅2〜3cmに切る。
豆腐は幅3cm×長さ5cm程度、高さ1cmに切る(ウナギと同じ大きさと数にする)。
フライパンにウナギと豆腐を並べ入れ、本みりん、酒を加えて加熱する。味を見てしょうゆを加え、ふたをして蒸して煮る。
ウナギが柔らかくなったら豆腐を全て皿に取り出し、その上にウナギをのせていく(※)。ヤマイモがウナギにかかるように盛り付け、粉サンショウを振り、菜の花を添える。
※ウナギの味を豆腐に移すのが調理のポイント。

エビとニラのチャーハン

画像: エビとニラのチャーハン

エビとニラはどちらも腎を補い、体を温めるので、冷えが強い人に有効。のぼせやすい人はニラをセロリに代えてもOK。エビは同容量の桜エビでも代替可能です。

材料(2人分)
むきエビ……4尾
酒……小さじ1
ニラ……1/2束
油……大さじ2
卵……1個
冷やご飯(温めておく)……茶わん1杯半
鶏ガラスープの素……小さじ1/2
塩・コショウ……各少々

むきエビは、酒を振り、もみ込んで2〜3分置いてから洗う。ペーパータオルで水気をふき取り、一口大に切る。
ニラは、洗って1cmの長さに切る。
フライパンに油を引き、卵を溶き入れ、混ぜながら強火で炒める。八割程度火を通したら取り出す。
③のフライパンにエビを入れ、火が通ったらご飯と②を加えてさらに炒める。全体に火が通ったら卵を戻し、鶏ガラスープの素を振り入れ、塩・コショウで味を調える。

画像: この記事は『安心』2022年5月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『安心』2022年5月号に掲載されています。

www.makino-g.jp

This article is a sponsored article by
''.