プロフィール

葉石かおり(はいし・かおり)
1966年東京都練馬区生まれ。酒ジャーナリスト、エッセイスト。国内外で日本酒のプロ、SAKE EXPERTの資格認定を行う。「酒と健康」「酒と料理のペアリング」を核に、各メディアにコラム、コメントを寄せる。京都で不動産会社、ゲストハウス「宮崎屋」の運営など、経営者としての顔も持つ。『死んでも女性ホルモン減らさない!』(KADOKAWA)、『日本酒のおいしいヒミツがよくわかる本』(シンコーミュージック)など、著書多数。最新著書『名医が教える飲酒の科学』(日経BP)が好評発売中。
納豆とあわせると臭いが気にならない
もともと私は、いくら飲み食いをしても太らない、ありがたい体質でした。
それが40歳を過ぎた頃から、食べたら食べただけ、飲んだら飲んだだけ、結果が正直に体に出るようになったのです。体重も落としづらくなりました。
さらに、もともとあった甲状腺の不調と、コロナ禍での運動不足がたたり、昨年の夏には、ベスト体重より3kgも増えてしまったのです。
「これはさすがにまずい」と思い、2021年9月に、ダイエットにいいと話題になっていた「オートミール」を試してみることにしました。オートミールはご飯感覚で食べられるのに、糖質は少なめで、食物繊維やたんぱく質が豊富だとのことだったので、炭水化物好きの私にはピッタリだと思ったのです。
オートミールは、「米化」して、ご飯の代わりに食べることにしました。オートミール30gに水50mlを加えて、レンジで1分加熱するだけです。
しかし、米化オートミールは、独特な穀物臭が少しだけ鼻につき、そのまま食べるのは、ちょっと抵抗がありました。そこで、臭いを紛らわすために、いろいろな食材とあわせてみたのです。
一番のお勧めは、納豆です。納豆は、手軽に食べられるのも魅力ですね。雑炊や炒飯にしても、おいしいです。炒飯は、溶いた卵に米化オートミールをからめながら炒めると、簡単にパラパラに。半端に残った缶詰や炒りコンニャクなどを具材にすれば、冷蔵庫の整理ができるのもうれしい点です。
たっぷりの野菜と米化オートミールで作るお好み焼きも、よく食べました。つなぎは食物繊維が豊富なオオバコパウダーを使用し、小麦粉は使いません。
葉石さんのオートミールアレンジ

納豆とあわせて。手軽に食べられて美味!

炒飯もおいしい。簡単にパラパラ食感になる。

たっぷりの野菜とあわせて、お好み焼きにも。
こんなふうにして、オートミールをほぼ毎日、朝食か昼食に食べました。食事では、たんぱく質を多めにとったり、血糖値の急上昇を避けるために、甘い物は小分けにして食べたりするようにもしていました。
それから、節酒も心掛けました。酒ジャーナリストという仕事柄もありますが、もともと私はお酒が大好き。夫は仕事で京都にいるため、普段は一人暮らしです。そこへコロナ禍での外出制限が加わり、夜の一人晩酌に歯止めがきかなくなっていたのです。
そこで、少しずつお酒を飲む日を減らすことにして、ノンアルコールビールを箱買いしたり、お酒の代わりにリンゴ酢のソーダ割りを飲んだりしました。最初はお酒の夢を見るくらいきつかったのですが、徐々に慣れて、今はお酒を飲むのは週に2日程度です。
他にも、ヨガと1日8000歩を目標としたウォーキングなどの運動も続けました。
25インチのパンツがすんなりはける!
こうしてオートミール生活を続けていたところ、体重は少しずつ落ちてきて、5ヵ月後の現在、3kg減! 無事に、ベスト体重まで戻すことができました。
体脂肪率も2.5%減り、体のラインがハッキリ変わりました。おなか周りや胸の上などはスッキリ締まり、太ももで引っかかっていた25インチのパンツも、すんなりとはけます。
お通じの回数も増えました。以前は1日に1回だったのが、今は多い日で3回。以前は、お酒を飲んだ日の翌朝は、よく下痢をしていたのですが、それもありません。
肌の状態もよくなりました。マスクかぶれで、マスクの下にできていたボツボツの吹き出物が消え、口内炎もできなくなりました。朝の目覚めも爽快で、とにかく体が軽いのです。
以前、糖質制限ダイエットをしたことがあります。糖質の多いご飯やパンなどの量を減らせば、確かに体重は落ちました。しかし、肌はツヤが消えてボロボロに。また、ご飯などの量を戻すと、リバウンドで一気に太りました。
その点、オートミールを活用した今回のダイエットは、無理な我慢をせずに、健康的にやせられたと感じています。
おいしい食事やお酒を長く楽しむためには、体重管理を含めた日々の健康管理が肝心です。「我慢」は長く続けられませんが、「節制」なら続けられます。その節制の手法の一つに、オートミールは役立つと思います。
[別記事:やせる、腸内環境が整う、血糖値の急上昇を防ぐ!中高年に最適の食品「オートミール」→]

この記事は『安心』2022年5月号に掲載されています。
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