窓から部屋と外を行き来する飼い猫?
8949kmの猫旅
~トルコ イスタンブール〈後編〉~
以前、トルコのイスタンブールの猫の記事を書きましたが、今回はその後編。

前回はほぼ全ての観光客が訪れるブルーモスクやアヤソフィアなどの世界遺産の周辺、歴史的地区に暮らす猫たちでしたが、今回は下町です。訪れた日はあいにく雨が降っていました。トラムに乗って猫たちがたくさんいるという場所へ向かっているのに、少しも気持ちがあがりません。今までの経験から、たとえば猫島に行ったとしても雨が降っていれば遭遇率はぐっと下がってしまいます。被毛が濡れるのを嫌がる猫たちは、みんなどこかで身を隠し、出てきてくれません。
ところが、ここでは雨が降っていたおかげでたくさんの猫たちと会うことができました。窓やドアの前でじっと雨宿りするトルコ猫だらけの町でした。

空をみつめ雨の行方を気にしているかのような三毛猫

道路と同じ高さにある窓で雨よけのキジ猫

ドアの前でお帰りなさいの表情をする灰白の猫
色々なタイプの雨よけ猫
私が下町と言っているのは「イスティクラル通り」を海側に坂を下った一帯のこと。
実はイスティクラル通りは路面電車が行き交う賑やかな通りで、観光客もよく訪れる場所でもあります。そこからタクシム広場近くから坂道を下って路地裏に入って行くとアパートが建ち並び庶民的な暮らしが見えてきます。
居住者が多い分ドアや窓も多く、そこで猫たちが雨宿り。2匹でかわいく佇んだり、様々なスタイルで雨宿りをしています。

窓辺のプランターで過ごす強者の茶白

お行儀良く窓の手すり内側で待つ2匹

室外機の上でポーズをとるフサフサな2匹

ドア近くで待っている人間っぽい2匹
猫だって立派な町の住人
坂のある下町は石畳と階段状の道路がたくさんあり、また、お店もカフェもあって、とってもいい雰囲気です。下町といいましたがアーティストが暮らす、おしゃれなエリアです。
そこで暮らしている猫たちも人と同じ石畳を歩き、階段を上り下りしています。お店の中に入り込んでも、店もお客もだれも咎めまることはしません。猫も町の住人として認められている。それがイスタンブールの猫たちのようです。

お買い物するかのようにメガネ屋さんを一巡して出て行った猫

アートギャラリーの店内にいたキジ白猫

人も猫も利用する階段道路

階段で遊ぶ子猫

左の白い猫は外。右の猫は窓の内側

町中で見かけた猫のアパート

オープンカフェには猫が集まります
トルコのイスタンブールの下町散策では猫に会えるチャンスがたくさんあります。ぜひ足を運んでみてください。
作者プロフィール

南幅俊輔(みなみはば・しゅんすけ)
盛岡市生まれ。グラフィックデザイナー&写真家。デザイン事務所コイル代表。現在、デザイン以外にも撮影、編集、執筆を手がける。2009年より外で暮らす猫「ソトネコ」をテーマに本格的に撮影活動を開始。日本のソトネコや看板猫のほか、海外の猫の取材・撮影を行っている。著書に「ソトネコJAPAN」「猫と世界遺産の街カレンダー」(洋泉社)、「ワル猫カレンダー」「ワル猫だもの」「サーバルパーク」(すべてマガジン・マガジン)、「どやにゃん」(辰巳出版)など。企画・デザインでは「ねこ検定」「ハシビロコウのすべて」「ゴリラのすべて」(すべて廣済堂出版)など。
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