プロフィール

安井友梨(やすい・ゆり)
ビキニフィットネスアスリート、銀行員。JBBFオールジャパン・ビキニフィットネス選手権大会6年連続チャンピオン。食べながらやせて筋肉をつける「安井式メソッド」がSNSなどで話題に。2018年、アーノルドクラシック ヨーロッパ大会4位。19年、世界アジアボディビル・フィットネス選手権大会優勝。21年IFBB世界フィットネス選手権準優勝。
無理なダイエットでは〝健康美〟はかなわない
皆さんは「ビキニフィットネス」をご存知ですか。ボディビルの一種で、プロポーションから立ち居振る舞い、ヘアスタイル、コスチュームなど、すべてにおいて女性らしい健康美を競う競技のことです。
私は、外資系金融機関の営業職として働くかたわら、ビキニフィットネスの日本チャンピオンとしての顔も持っています。
もともと太りやすい家系に生まれた私は、学生時代からどんなダイエットもうまくいきませんでした。ピーク時は、体重が70kg(身長は173cm)になりました。30歳のとき、「自分を変えたい」と一念発起。インターネットで目にしたビキニフィットネスに挑戦することにしたのです。
競技を始める前、私は炭水化物抜きダイエットで体重を55kgまで減らしていました。しかし、当時体温は35度にまで低下。疲労感、抜け毛がひどく、常に体調がよくありませんでした。ビキニフィットネスは健康美を競うので、これでは大会で勝てません。
無理なダイエットはよくないと痛感した私は、健康美を目指して体づくりに取り組みました。そして、10ヵ月後にビキニフィットネスの日本チャンピオンになることができたのです。2019年にはアジア大会でも優勝。21年に世界第2位となり、今の目標は世界チャンピオンになることです。
こうして競技を続けるうちに、私の食生活は大改革されました。以前は1日1食という日もありましたが、今では、3時間おきに1日6回食べるなど分食するようになりました。一度にたくさん食べると吸収できない分が脂肪になるので、小分けにして効率よく栄養をとるためです。
また、糖質の内容や摂取のタイミングを見直す、筋肉をつくる良質なたんぱく質や、栄養豊富な野菜をしっかりとる、といった工夫もしています。
シソタマネギはやみつきになるおいしさ!
さて、そんな私は野菜類のなかでも「タマネギ」を特に積極的に食べています。
私はふだんから、自分の理想の体づくりのために、血管年齢を若く保つことを意識しています。血管が老化して血流が悪くなると、肩こり、むくみ、肥満、便秘につながります。むくみは筋肉の美しい隆起や、女性らしいシルエットをつくる妨げになります。逆に、血管がしなやかになれば体の柔軟性が高まり、やわらかな曲線のあるボディになるのです。
また、血流をよくして酸素と栄養をしっかり行き渡らせることは、肌のアンチエイジングの面でも重要といえます。
タマネギは血管を強くして、血流をよくするのに役立つ食材です。日持ちもするので、私は全国からいろんなタマネギを取り寄せて、1日1回は必ず食べています。
これからの季節にお勧めの食べ方は、「シソタマネギ」です。シソとタマネギを切り、カツオ節をのせて、ポン酢やドレッシングをかけるだけ。簡単にできるうえ、さわやかでやみつきになるおいしさのサラダです。
タマネギは水にさらすと有効成分が減ってしまうので、そのまま食べるのがポイント。旬の新タマネギなら、辛みも少なくモリモリ食べられます。ジャコ、ツナ、トマトなどをトッピングしてもOK。刺身にのせてカルパッチョにしたり、炒めて食べても美味です。

安井さんのシソタマネギ
カロリーも低いので、私はこれを主に夜、食べたいだけ食べます。夜食べたほうが、寝ている間にタマネギのデトックス作用が発揮されて、腸内環境がよくなる気がするからです。
そのほか、タマネギをまるごと煮込んだ「タマネギスープ」(プロフィールの写真参照)も、常備している一品です。
現在、大会を控えていないときの体重は60kg前後。毎日のトレーニングはもちろん、タマネギをはじめとする食生活のおかげか、むくみにくく、太りにくい体になっています。冷えや肩こりもなくなり、体温は36.7度に上がりました。以前は1週間出ないのが当たり前だった便秘も、今はありません。
これからもタマネギの力を借りて血管から若く健康な体をつくり、世界一を目指します。
血流や腸内環境の改善が健康美のもとになる
内科医・メディカルフード研究家 関由佳
タマネギに含まれるケルセチンには、強力な抗酸化作用があります。それにより、血管の修復が促され、血流が改善します。全身の血流がよくなれば、基礎体温が上がり、肌のくすみなども改善します。
さらに、タマネギの食物繊維やオリゴ糖により腸内環境が整えば、代謝アップや美肌につながり、健康美をかなえてくれるでしょう。
[別記事:血管をしなやかに血液をサラサラにするタマネギは高血圧や糖尿病にとてもいい→]

この記事は『壮快』2022年5月号に掲載されています。
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