新型コロナで怖いのは感染症そのものの症状だけではありません。「新型コロナ後遺症」が大変深刻なのです。最も多くのかたが悩まされているのが「倦怠感」。症状が出たら、自分の限界以上に体を動かさず、休息に努めることが大原則です。かつ、決して無理をしないこと。だるくなりそうだったら、すぐ横になって休んでください。無理してがんばると、症状は着実に悪化します。【解説】平畑光一(ヒラハタクリニック院長)

嗅覚障害・味覚障害や脱毛予防に「鼻うがい」

頭髪が全体的に薄くなる「脱毛」も多い

新型コロナウイルス(以下新型コロナ)の流行が始まった直後から、発症時に嗅覚障害や味覚障害が起こることが知られていました。

この急性期に発症した嗅覚や味覚の障害が、肺炎などの呼吸器症状がよくなったあとも残り、新型コロナ後遺症(以下コロナ後遺症)として患者さんを苦しめているケースが見られます。当院の来院患者さんでは、54.5%のかたが嗅覚障害を、48.3%のかたが味覚障害を訴えています(記事冒頭の図参照)。

嗅覚障害で特徴的なのは、異臭症といって、異臭を感じるタイプです。「変なにおい」「石油っぽいにおい」「排気ガスのようなにおい」などのパターンがあります。

また、味覚障害では、味(多くの場合はにおいも)がわからなくなり、食事がつらく、「人生の楽しみがなくなった」と訴える人もいるのです。

これら嗅覚や味覚の障害といっしょに起こることが多いのが、「脱毛」です。当院では54.1%のかたが訴えています。 

この場合の脱毛は、円形脱毛のようにスポット的に毛が抜けるのではなく、頭髪が全体的に薄くなることが多いようです。まんべんなく減るので、最初のうちは周囲からは気づかれにくいのですが、本人にとってはショックであることはいうまでもありません。

脱毛のパターンとしては、新型コロナ発症後の2~3ヵ月後に始まることが多く、半年以内にいったん治まるかたが多いようです。しかし、ミネラル(特に亜鉛)が不足していると、再び脱毛が起こることも少なくありません。 

また、嗅覚障害・味覚障害や脱毛といった症状は、男性よりも女性に多く出る傾向があるようです。

画像: 脱毛は女性に多く出る症状の1つ

脱毛は女性に多く出る症状の1つ

鼻うがいは感染予防や後遺症発症の予防になる

これら嗅覚障害・味覚障害、脱毛に関してはどう対応したらよいでしょうか。

嗅覚障害、味覚障害、脱毛の3つの症状があるものの、それ以外のコロナ後遺症が発症していないケースは、ほかに多数の後遺症を発症しているかたと比べると比較的軽症で、治りやすいといえます。

まず勧められるのは、亜鉛のサプリメント(栄養補助食品。以下サプリ)摂取です。

亜鉛は、味を感じる舌の味蕾細胞の新陳代謝を助けたり、髪の主成分の生成に関与したりしています。できれば病院で血液検査を行って、体内の亜鉛の量をチェックするとよいでしょう。

もしも亜鉛の量が少ないと判明したら、サプリで補充することをお勧めします。サプリはドラッグストアや薬局でも購入できます。

サプリで亜鉛を補っていくと、徐々に症状が改善されてきて、数カ月でよくなっていきます。また、亜鉛によって、倦怠感が軽減する人もいます。

また、前項で説明したEAT(上咽頭擦過療法)を受けることもお勧めです。慢性上咽頭炎がよくなると、後遺症が改善されることも多いとお話ししましたが、嗅覚・味覚障害も例外ではありません。

そして、このEATの簡易版といってもよいのが、「鼻うがい」(やり方は下項参照)です。

私はEATを受けられないかたには、「鼻うがい」をお勧めしています。鼻うがいは、生理食塩水を作って、上咽頭を洗う方法です。下項の方法のほか、ドラッグストアで売られている鼻うがい用の製品を使ってもよいでしょう。

EATほどの劇的な効果はありませんが、日ごろから鼻うがいを行うことによって、慢性上咽頭炎を防ぐことは、後遺症の発症予防にもつながるはずです。鼻うがいは、海外の論文でも、風邪の予防効果や新型コロナの症状を軽減する可能性が示されています。

私は、ご家族に感染者が出たかたに鼻うがいをお勧めしたことがあります。一つ屋根の下に感染者がいるので、感染の危険は極めて高かったはずですが、そのかたは、1日6回、鼻うがいを続けたところ、感染せずに済んだと報告を受けました。

後遺症発症だけでなく、新型コロナ感染の予防的な措置としても、鼻うがいは大いに勧められます。

鼻うがいのやり方

用意するもの
・塩...小さじ 1/2(約2g)
・水...200ml
・やわらかい樹脂製のボトル...1個 (ハチミツ容器や、注ぎ口の口径が太めのドレッシングボトルがお勧め。200ml程度が入る物。100円ショップで購入可能)
・ストロー...1本 (上記ボトルより長く、注ぎ口にできるだけピッタリ入る太さの物)

塩と水を混ぜて塩水を作る。

画像1: 鼻うがいのやり方

ボトルに1を入れ、注ぎ口にストローを差し込む。注ぎ口からはみ出た部分はハサミで切る。

画像2: 鼻うがいのやり方

少し前かがみになり、②の容器の先を鼻の穴に入れ、「エー」と声を出しながら容 器の側面を押し、塩水を鼻に入れる。塩水 はもう片方の鼻の穴と口から出てくる。 反対側の鼻の穴も同様に行う。

※最低1日1回、できれば朝と晩の2回行う。慣れ るまでは入浴時に行うとよい。
※口に出てきた塩水は飲んでしまっても問題ない。
※上記の方法が難しい場合、薬局などで市販されている鼻うがいキットを購入し て使ってもよい。

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