新型コロナで怖いのは感染症そのものの症状だけではありません。「新型コロナ後遺症」が大変深刻なのです。最も多くのかたが悩まされているのが「倦怠感」。症状が出たら、自分の限界以上に体を動かさず、休息に努めることが大原則です。かつ、決して無理をしないこと。だるくなりそうだったら、すぐ横になって休んでください。無理してがんばると、症状は着実に悪化します。【解説】平畑光一(ヒラハタクリニック院長)

息切れや咳の症状と関連する「消化器」の不調

胃酸の逆流を防いでのどの炎症を回避

新型コロナ後遺症(以下コロナ後遺症)のうち、「息苦しさ」も、多くの患者さんが悩まされている症状です。当院の患者さんでは、76.9%のかたが訴えています(記事冒頭の図参照)。

そもそも新型コロナウイルスは、重篤な肺炎を引き起こす感染症です。治療により、肺炎がよくなっても、セキや呼吸困難など、呼吸器に後遺症が残るかたが多いのです。

この息切れやセキの症状とも関連しているのが、消化器の症状です。コロナウイルスが直接消化器に侵入すると、下痢、嘔吐、腹痛、食欲不振などが引き起こされますが、このほかに多く生じるのが、「胃食道逆流症」です。

この病気には、内視鏡で診たとき食道にびらんが認められるタイプと、認められないタイプがありますが、コロナ後遺症に多いのは、びらんの認められないタイプの「非びらん性胃食道逆流症(NERD)」です。

しかも、食道を逆流して上がってきた胃酸が、呼吸器症状(息切れ・セキ)の原因となるのです。また、胃酸によって違和感が生じたり、セキが起こったりすることで、眠りが妨げられ、不眠(入眠障害、途中覚醒)や動悸なども誘発されます。

そのうえ胃酸の逆流が起こると、全身の症状が重くなり、倦怠感が悪化するのです。

なぜ胃酸が全身の症状に関係しているのか、疑問に思われるかたもいらっしゃるでしょう。それは、上がってきた胃酸が、のどの最上部に位置する上咽頭に届き、上咽頭を酸で焼いてしまうためだと考えられます。

画像: のどの最上部にあるのが上咽頭

のどの最上部にあるのが上咽頭

上咽頭というのは、鼻の穴の奥の突き当たりで、上咽頭にぶつかった空気がのどの下方(中咽頭・下咽頭)へと降りていくことになります。上咽頭にはたくさんの神経が通っており、ここに慢性炎症が起こる疾患が「慢性上咽頭炎」です。

私は慢性上咽頭炎とコロナ後遺症の間には密接な関連があると考えています。

当院の患者さんの場合、コロナ後遺症に悩むかたのほぼ全員に、慢性上咽頭炎があります。「慢性上咽頭炎の人がコロナにかかると、後遺症になる」と考えられるほどです。胃酸で焼かれることで上咽頭の慢性炎症がより悪くなれば、それが全身の後遺症症状の更なる悪化を招きます。

そこで、日常生活においては、胃酸の逆流現象をなるべく引き起こさないような工夫が必要です。日常生活での注意点を、下記に挙げます。

「胃酸逆流」 を防ぐ生活習慣

寝る前の飲食は控える
寝る3時間前には食事を済ませる
上半身をやや高くして眠る
布団の下に毛布などを入れるとよい
おなかに圧を加える姿勢をとらない
前かがみにならない、背中を丸めないよう注意
胃酸を分泌する食品を控える
脂っぽい物・甘い物・炭酸・カフェイン飲料・アルコールなどは避ける

画像2: 【新型コロナ後遺症】どんな症状がある?3000人を診察した医師が回答!コロナの後遺症Q&A

特に、①の「寝る前の飲食を控える」は重要です。具体的には、食事は就寝の3時間前までに済ませ、飲み物を飲むのも1時間前までにしてください。

眠る前に食事をしたり、水を飲んだりすると、床に就いたとき、つまり、体が水平になったときに胃酸が上がりやすくなります。

夜中にセキが出るかたや、不眠に悩むかたのなかには、睡眠時にのどが乾くというかたもおられるでしょう。これも、単純にのどが乾いているのではなく、上がってきた胃酸でのどが焼かれている可能性があります。

のどが乾いたからといって、水を飲んで寝れば、また胃酸が上がりやすくなってしまいます。のどが乾くかたは、寝る前に水は飲まずに、うがいだけ行ってください。

EATは後遺症症状の特効治療法!

このような胃食道逆流症に対する治療法として私が勧めているのは、慢性上咽頭炎の改善が期待できるEAT(上咽頭擦過療法)です。EATは、慢性炎症を起こした上咽頭に、直接、塩化亜鉛溶液を綿棒で塗りつける治療法です。

息苦しさやセキなどの症状を訴えているかたは、おそらく肺の血流が悪くなっていると想定されます。EATを行うと、自律神経の乱れが整えられます。自律神経がきちんと働くことで、肺に行く血流がよくなり、それが息苦しさを改善してくれるのではないかと考えています。

さらには、ここで紹介している呼吸器・消化器系の症状のみならず、コロナ後遺症の諸症状に悩むかたにEATを試すと、さまざまな症状が改善するケースが非常に多くあります。

前項で触れたような倦怠感のほか、長引く微熱や、味覚・嗅覚障害など、後遺症症状全般に効果が期待できるため、私はEATをコロナ後遺症の特効治療法だと考えています。

なお、EATは、一部の耳鼻咽喉科でしか受けられませんので、インターネットなどでEATを受けられるクリニックを探すか、直接、病院に問い合わせてみてください。

もし近くに対応する病院がない場合は、セルフケアとして、「鼻うがい」(下項参照)を行うとよいでしょう。

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