新型コロナで怖いのは感染症そのものの症状だけではありません。「新型コロナ後遺症」が大変深刻なのです。最も多くのかたが悩まされているのが「倦怠感」。症状が出たら、自分の限界以上に体を動かさず、休息に努めることが大原則です。かつ、決して無理をしないこと。だるくなりそうだったら、すぐ横になって休んでください。無理してがんばると、症状は着実に悪化します。【解説】平畑光一(ヒラハタクリニック院長)

多いのは「倦怠感」や「思考力の低下」、「気分の落ち込み」

新型コロナ後遺症(以下コロナ後遺症)の症状のなかでも、最も多くのかたが悩まされているのが「倦怠感」です。当院の調べでは、後遺症に悩むかたのうち、93.3%が倦怠感(だるさ)を訴えています(前項の図参照、以下同)。

2000年代初頭、SARS(重症急性呼吸器症候群)が流行したとき、後遺症として、「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)」という症状が多発したことが知られています。ME/CFSは神経免疫系疾患であり、単なる慢性疲労ではありません。

今回の新型コロナウイルスに関しても、確定診断ができるかどうかは別にして、コロナ後遺症としてそれに近い症状が現れるかたがたくさんいます。

ME/CFSは、認知機能の障害や睡眠障害を伴いますが、今回のコロナ後遺症でも、「思考力の低下」を、当院の患者さんのうち83.7%のかたが訴えています。

「頭に霧がかかったような感じがする(ブレインフォグ)」というかたや、「考えがまとまらない」「記憶力が落ちた」といった訴えるかたもいます。

また、コロナ後遺症では、「気分の落ち込み」(86.6%)や、「頭痛」(80.1%)も非常に多くのかたが訴えています。なかでも気分の落ち込みは、後遺症としてなかなか認識されず、適切な治療を受けられていないのが現状です。

急激に強いだるさが出て全く動けなくなることも

また、家事など軽い作業をしたり、ストレスを受けたりしたあとなど、5~48時間後に急激に強いだるさが出る、という症状も多く見られます。これらは、「PEM(post-exertional malaise)」と呼ばれます。

PEMが出ることがあるかたが無理をすると、よりひどい症状、数日~数ヵ月間、全く動けなくなるクラッシュ」が起こりやすくなります。

そうなると、「歯を磨くことや、髪を洗うことさえつらい」「体が鉛のように重い」といった状態に陥ります。このために、何ヵ月もベッドから起き上がれなくなる人がたくさんいるのです。

本人はこのように苦しんでいるのに、「もう治ったのでしょう」「いつまで怠けているんだ」などといわれることも多いようです。こうした声に、さらに落ち込む人も多いのです。そして、そうした声に応えようとして、無理してがんばると、症状は着実に悪化します

新型コロナ後遺症の症状が出た時は「休息」が大原則

散歩が実は危ない!入浴にも注意が必要

コロナ後遺症の症状が出たら、自分の限界以上に体を動かさず、休息に努めることが大原則です。かつ、決して無理をしないこと。だるくなりそうだったら、すぐ横になって休んでください。

PEMやクラッシュという現象が自分にも起こりうるのだと自覚して、いかにだるくならないよう過ごすか、工夫してください。

頭を使うことも脳疲労の原因となります。スマホやテレビもできるだけ控えましょう。自宅でボーッとしているのがいちばんです。

ちょっと買い物に出たら、だるくなって数時間寝込むといったことがしばしば起こります。これはクラッシュとはいいませんが、このようにしてだるくなることをくり返しているうちに、ますます悪化します。

ジョギングなどの激しい運動は禁止です。また、散歩くらいならいいだろうと、皆さん外に出がちなのですが、私は散歩は非常に危険だと考えています。

家なら、体がだるくなってもすぐにその場で休めますが、散歩中だとだるくなっても休めません。しかもそこから家まで帰らないといけないわけで、帰り道に体力を消耗し、クラッシュが起こるおそれがあります。

また、入浴にも注意が必要です。入浴してもだるくならないかたなら湯船に浸かってもかまいませんが、入浴で疲労を感じ、症状が悪化するかたが多いので、シャワーのみにとどめたほうが無難です。

ちょっとよくなったからといって、寝込んでいた間の体力の落ち込みを取り返そうと、焦って運動を始めることもいけません。運動で行っていいのは、軽いストレッチのみです。これを、だるくならない範囲で行う程度にとどめます。

ただし、散歩のかわりに、ひなたぼっこならOKです。体を動かさず休めますし、ゆううつな気分をリフレッシュするためにもいいでしょう。

2週間単位でできることを増やしていく

少し動けるかたは、だるくならない程度に自分の身の回りのことを行い、おおよそ2週間単位で、できることを少しずつ増やしましょう。だるくならない程度の掃除、洗濯、食事の用意などが2週間続けてできたら、次の2週間には、もう少しできることを増やしていく、といった具合です。

サプリメントでは、必須アミノ酸であるバリン・ロイシン・イソロイシンの総称である「BCAA」配合の物が倦怠感に有効です。ドラッグストアなどで購入できます。どうしても外出しなければならないときには、家を出る前にBCAAを飲んでおくといいでしょう。

また、BCAAは、コロナ後遺症の症状としても割合の高い、記憶力や思考力の低下といった脳機能低下にも効果を発揮する可能性があります。

また、一部の耳鼻咽喉科で受けられるEAT(上咽頭擦過療法)という治療法も効果的です。次項にて説明しましょう。

コロナ後遺症治療の大原則
できるだけ自宅で休養し、無理をしない。
激しい運動は厳禁。体力をつけたいときも軽いストレッチ程度にとどめるとどめる(散歩や入浴にも注意!)

画像1: 【新型コロナ後遺症】どんな症状がある?3000人を診察した医師が回答!コロナの後遺症Q&A

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