埼玉の川越市で、ゴボウ専門店の看板を掲げて65年になります。いつからか「伝説のきんぴらゴボウ」と呼ばれるようになりましたが、作り方は至って普通です。ゴボウ茶も人気が高く、こちらは健康効果を報告してくださるかたが多くいらっしゃいます。【体験談】斉藤光江(斉藤牛蒡店店主)

ゴボウ専門店の看板を掲げて65年

通年置いてあるのはきんぴらとゴボウ茶のみ

埼玉の川越市で、ゴボウ専門店の看板を掲げて65年になります。10年近く前に亡くなった夫は、この近くの入間市の出身でした。その昔、入間の辺りはゴボウの一大産地だったそうで、夫がゴボウを商うようになったのも、そんな縁からでした。

ゴボウ専門店という珍しさから、これまで何度も、テレビや雑誌に取り上げられました。おかげさまで、芸能人のかたもひいきにしてくださり、北は北海道から南は沖縄まで、全国からお客様が訪れます。

通年で店に置いてある商品は「きんぴらゴボウ」と「ゴボウ茶」のみ。いつからか「伝説のきんぴらゴボウ」と呼ばれるようになりましたが、作り方は、至って普通です。

材料の比率は、せん切りにしたゴボウが3に対してニンジンは1。家庭で味つけしたいお客様のために、調理前の材料セットも販売しており、そちらはゴボウ150gに対してニンジン70gと比率を変えています。

この材料で、家庭で作る場合のレシピをお教えしましょう。

鍋にゴボウと、水150mlを入れ、ふたをして中火で10分煮ます。水がほぼなくなったら弱火にし、ニンジンと、サラダ油とゴマ油を各大さじ1、しょうゆと砂糖を各大さじ2ずつ加えよく混ぜて、ふたをします。

ときどきふたを開けて混ぜ、様子を見ます。お好みで一味唐辛子を入れ、煮汁がなくなったら出来上がりです。

画像: 店構えにも滋味があふれる

店構えにも滋味があふれる

きんぴらを作る際にゴボウの皮をピーラーでむくのですが、以前は皮を捨てていました。けれども、皮には優れた栄養成分が多いと聞き、活用したいと考えて、12年ほど前から、ゴボウ茶の製造を始めたのです。

大量のゴボウの皮は、機械で12時間かけて、カラカラに乾燥させます。これをさらにフライパンで焙煎して、手で細かくしたら出来上がりです。家庭で作るなら、2日ほど天日干しにした物を、焦がさないよう弱火で10分ほどかけて、全体が茶色くなるまで煎るといいでしょう。

ゴボウ茶のファンは老若男女

ゴボウ茶も、きんぴらに負けず劣らず人気が高く、こちらは健康効果を報告してくださるかたが多くいらっしゃいます。

例えば、30代の女性が来店したときは、もう10日もお通じがないというので、「少し濃いめに淹れて飲んでみたら?」と勧めました。すると実際に試してくださり、「たまっていた便が飲んだすぐ翌日に出てスッキリしました」と、後日また来店した際に、教えてくれました。

お通じが滞ると、肌の調子が悪くなるものです。「吹き出物がひどい」と悩んでいた20代の美人モデルさんは、ゴボウ茶を飲むようになってから、吹き出物が出なくなったそうです。

ゴボウ茶のファンは、女性だけではありません。ある若い男性は、あまりに肌がきれいなので、同僚女性の間で「エステに通っているにちがいない」と、うわさになっていたそうです。それを知った男性が「ゴボウ茶のおかげかも」と話したところ女性たちが早速、ゴボウ茶を買いに見えました。

50代の男性は、お母様が白内障の手術をする予定でしたが、糖尿病で血糖値が高く手術できなかったそうです。「ゴボウが血糖値の改善に役立つ」と、どこかで聞いたのでしょう。男性は、うちのゴボウ茶をお母様に毎日飲むよう勧めました。

すると2週間ほどで、お母様の血糖値が基準値内まで降下。医師には「いったい何をしたのか」と、それは驚かれたそうです。その後、無事に白内障の手術を受けることができたと、たいへん喜んでいました。

ゴボウのよさを多くの人に広めたい!

いつも元気いっぱいでシミなしのツルツル肌が自慢

画像: 店を切り盛りする斉藤さん

店を切り盛りする斉藤さん

私自身についていえば、商品の味見のために毎日きんぴらゴボウを食べ、来店したお客様にサービスでお出ししているゴボウ茶も、毎日飲んでいます。

68歳になりましたが、おかげさまで、いつも元気いっぱい。お通じもよく、肌もツルツルですし、年のわりには、顔に目立つシミもありません。

ゴボウ茶のおかげで健康状態がよくなったという経験は持ち合わせていませんが、「ゴボウ茶に救われたのかも」と感じたことはあります。

3年ほど前の春、外に出かけた帰り、どうも鼻がムズムズすると思ったら、みるみるうちに鼻水とセキ、涙が止まらなくなりました。「ゴボウ茶で花粉症がよくなった」というお客様の話を思い出して、濃いめに淹れたゴボウ茶を何杯も飲んだところ、翌日にはアレルギー症状がすっかり治まりました。

お客様に、きんぴらゴボウやゴボウ茶をおいしいといってもらえることが、私の喜びです。これからも元気で店先に立ち、ゴボウのよさを、多くのかたに広めたいと思います。

ゴボウには肌のシミやシワを防ぐ機能性成分が豊富

〈解説〉南流山内視鏡おなかクリニック院長 前田孝文

ゴボウ茶には、ゴボウの水溶性食物繊維が溶け出しているため、便秘の改善に効果的です。

ゴボウにはポリフェノールも豊富で、その黒い色の元であるクロロゲン酸は、化粧品にも配合される機能性成分です。強い抗酸化作用が活性酸素を除去し、肌のシミやシワを防ぐことが確認されています。全身のアンチエイジングに効果的です。

[別記事:ゴボウは便通を促す“食べる整腸剤”! 皮をむかずアク抜きせずに調理すれば最高→

ゴボウ茶の作り方

画像1: ゴボウ茶の作り方

材料(作りやすい分量)
・ゴボウ…1本(150~200g)

画像2: ゴボウ茶の作り方

ゴボウはタワシなどでこすり洗いし、土を落とす。皮はむかないまま、包丁でささがきにするか、ピーラーで薄く削る。アク抜きはしなくてよい。

画像3: ゴボウ茶の作り方

①を、よく乾かす。

【天日で干す場合】
ザルやクッキングシートに、①を重ならないように並べる。ときどき上下を返し、カラカラになるまで日に当てる。夏場なら半日~1日、冬場なら2~3日が目安。
【電子レンジを使う場合】
耐熱皿にクッキングシートを敷き、①を重ならないように並べる。600Wで2分加熱し、取り出したら上下を混ぜ返し、少しおいて蒸気を飛ばす。様子を見ながら、ムラなくカラカラになるまで数回くり返す。

画像4: ゴボウ茶の作り方

②をフライパンか鍋に入れて弱火にかけ、焦げ茶色に色づきパリパリになるまで5~10分ほど乾煎りする。粗熱が取れたら密閉容器に移す。
※フッ素樹脂やセラミックなどで加工されているフライパンは、乾煎りすると表面のコーティングがはがれる可能性がある。鉄製やステンレス製を使用すること。

飲み方と保存など
煎ったゴボウ小さじ山盛り1杯に対し、熱湯を200mlほど注ぐ。ふたをして数分蒸らし、ゴボウをこして飲む。
飲む量や回数に決まりはない。体調により調整しつつ、お茶がわりに飲む。
煎ったゴボウは密閉容器に入れて常温(夏場は冷蔵庫)で保存。1ヵ月ほどを目安に飲み切る。
おいしく飲めるのは1煎まで。出しがらのゴボウは、こまめに冷凍保存し、量がまとまったら汁物や煮物に入れたり、佃煮にしたりして活用する。

画像: この記事は『壮快』2022年4月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『壮快』2022年4月号に掲載されています。

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