整腸作用が高いと評判の発酵タマネギ。肉や魚にも合うし、サラダにかけるだけでも旨味と健康増進効果がアップします。発酵タマネギの作り方と活用メニュー6品を紹介しますので、ぜひお試しください。【指導・解説】濱田美里(料理研究家)

解説者のプロフィール

画像: 解説者のプロフィール

濱田美里(はまだ・みさと)

料理研究家、国際中医薬膳師、国際中医師A級。中医学から日本の郷土料理まで好奇心旺盛に幅広く探求し、それらを生かした料理を提案。テレビ番組に出演するほか、YouTubeの複数のチャンネルにて料理関係の動画を公開している。

発酵タマネギの作り方

腐敗を防ぐために、容器やスプーンは乾いた清潔なものを使いましょう。また、タマネギを刻むのが大変という人は、薄くスライスしたタマネギで作ってください。

材料(作りやすい分量)
タマネギ…200g
塩…6g(タマネギの重量の3%)
水…100ml

画像1: 発酵タマネギの作り方

タマネギはみじん切りにする。

画像2: 発酵タマネギの作り方

ジッパー付きポリ袋に入れて塩をまぶし、外から手でもんで塩を全体に回す。

画像3: 発酵タマネギの作り方

塩をより全体に回すため、水を加える。

画像4: 発酵タマネギの作り方

ジッパー付きポリ袋からできるだけ空気を抜き、なるべく平たい形で密閉容器内に置く。

画像5: 発酵タマネギの作り方

密閉容器のふたを閉め、常温で保存する。春夏なら1〜3日間、秋冬なら6日くらいで発酵する。

画像6: 発酵タマネギの作り方

目で見て、ポリ袋内の液体が白濁していたり、小さな泡が発生していたりすれば、発酵したと判断していい。

画像7: 発酵タマネギの作り方

調理時などに使いやすいように、ポリ袋からふた付きの瓶に移す。

画像8: 発酵タマネギの作り方

こうして出来上がった発酵タマネギは、冷蔵庫で2週間ほど保存が可能。

画像9: 発酵タマネギの作り方

エスニックたたき

画像: エスニックたたき

発酵タマネギは魚の臭み取りに大活躍。シャリシャリとした食感と酸味は、刺し身によく合います。お好みでしょうゆやユズの搾り汁を加えるのもよし。手軽に作れる一品です。

材料(2人分)
刺し身(マグロやカツオ、サーモン、アジ、タイ、ブリなど)…100g
発酵タマネギ…大さじ3(水分は切る)
青ジソ(またはパクチー)…3枚
ゴマ油…小さじ1

刺し身を軽く包丁でたたく。
①に発酵タマネギ、ちぎった青ジソ、ゴマ油を加えてあえる。味を見て、塩味が足りなければ、しょうゆかナンプラーを少々加える。

豆のサラダ

画像: 豆のサラダ

買い置きの豆でサッと作れるサラダです。豆はヒヨコ豆やミックスビーンズなど何でもOK。豆を入れなければ、サラダのドレッシングとしても使えます。

材料(2人分)
発酵タマネギ…50g
ツナ缶 …1/2缶(40g)
レモン汁(なければ酢)…小さじ2〜大さじ1
ゆで豆(市販のもの。大豆やヒヨコ豆など。ミックスになったものでも可)…100g
コショウ…少々
フリルレタス…少々
パセリのみじん切り…少々

発酵タマネギとツナ缶、レモン汁を混ぜる。
豆と①をあえて、コショウを振る。
器に刻んだフリルレタスを敷き、②を盛って、パセリのみじん切りを散らす。

イワシのオーブン焼き

画像: イワシのオーブン焼き

余りがちな発酵タマネギの汁を利用した一品。イワシが持つ青魚特有の臭みを取り、下味がつきます。焼いた身は、外はカリカリ、中はしっとりとした仕上がりに。

材料(2人分)
イワシ(開いたもの)…2〜4尾
発酵タマネギの汁…大さじ2
ミニトマト…10個
発酵タマネギ…50g
オリーブオイル…大さじ1と1/2〜2

イワシに発酵タマネギの汁をかけて15分以上おく(これで魚の臭みが抜け、下味がつく)。
耐熱容器に油(分量外)を引き、周りにトマトを置いて、水分を拭いたイワシを並べる。
イワシの上に水気を切った発酵タマネギを乗せ、上からオリーブオイルを回しかけて、焦げ目がつくまで焼く。
焼き方▶︎魚焼きグリルなら7分程度、オーブントースターなら10〜15分、オーブンなら220℃で10〜13分程度。いずれも予熱してから入れること。グリルとトースターは表面が焦げやすいので、チェックしながら焼く。
サバの切り身でも作れる。その場合、少し身が厚いので、皮に3本ほど包丁目を入れて、同様に。

鶏むね肉のチキン南蛮

画像: 鶏むね肉のチキン南蛮

発酵タマネギの汁は肉を柔らかくする効果もあります。時間があれば、肉を一晩漬けてみてください。また、発酵タマネギの整腸作用は、加熱しても失われません。

材料(2〜3人分)
鶏むね肉…1枚
発酵タマネギの汁…大さじ3
〈タルタルソース〉
発酵タマネギ(汁気を切ったもの)…100g(1/2カップ程度) 
ゆで卵…1個
マヨネーズ…大さじ1と1/2
ヨーグルト…大さじ1
トマトケチャップ…小さじ2
粒マスタード…小さじ1
パセリのみじん切り…大さじ1
卵…1個
片栗粉、揚げ油…適量
〈甘酢〉
酢…大さじ3
砂糖…大さじ1と1/2
しょうゆ…小さじ1/2(甘酢を作らず、すし酢大さじ4でも可)
パセリ…少々

鶏肉は食べやすい大きさにそぎ切りにし、ビニール袋に入れる。発酵タマネギの汁を全体にかけて、口を縛り冷蔵庫に30分以上入れておく。そのまま1日置いてもよい。時間をおくほど柔らかくなる。
タルタルソースを作る。ゆで卵は白身と黄身を分けて刻む。タルタルソースの材料を全部混ぜる。
①の水気を切って片栗粉をまぶし、溶き卵にくぐらせて油で揚げる。中温で5分程度揚げ、最後に強火にしてカラッと揚げる。
揚げたらすぐに甘酢にくぐらせ、皿に盛る。
②をかけ、パセリを添える。

豚肉と野菜のスープカレー

画像: 豚肉と野菜のスープカレー

キムチを炒めると旨味が増すように、発酵タマネギも加熱するとコクやうま味がアップします。カレーも短時間で作ったとは思えないほどの深い味わいに。

材料(2人分)
ニンジン…1/3本
カボチャ…180g 
シメジ…1/2パック(60g)
オリーブオイル…大さじ1
豚こま肉…180g
塩…小さじ1/4
ニンニク(みじん切り)…小さじ1
ショウガ(みじん切り)…小さじ1
カレー粉…大さじ1/2
発酵タマネギ… 100g(1/4くらい水分)
水…3カップ
パクチー…適量
玄米ご飯…2人分

ニンジンは拍子木切り、カボチャは2cm角程度に切り、シメジは石突きを切ってほぐしておく。
フライパンまたは鍋にオリーブオイルを熱し、豚肉を炒める。塩を加える。ニンニク、ショウガを加えて香りが出たら、①も加えてさらに炒める。
野菜の表面が透き通ってきたら、カレー粉を加えて炒め、香りが立ったら発酵タマネギを加える。
軽く炒めて水を加え、弱めの中火で10分煮る。
器に盛り、パクチー、玄米ご飯を添える。

発酵タマネギで作るトマトパスタ

画像: 発酵タマネギで作るトマトパスタ

お一人様ランチにお勧めのパスタ。タマネギを切る手間がないため、パスタをゆで始めてからソースを作っても間に合います。トマトとのうま味の相乗効果をお楽しみください。

材料(2〜3人分)
パスタ…180g
オリーブオイル…大さじ1と1/2
発酵タマネギ…100g(水分は切る)
ホールトマト…250g(半分強)
バジル…適量

パスタ(ペンネ)は、表示通りにゆでる。
フライパンにオリーブオイルを熱し、発酵タマネギを中火で2分炒める。
ホールトマトを加え、潰しながら5分煮る。
ゆでたバスタと③をあえる。
器に盛り、ちぎったバジルを散らす。

■調理・スタイリング/古澤靖子

画像: この記事は『安心』2022年3月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『安心』2022年3月号に掲載されています。

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