一般的に糖尿病の方の食事療法として、糖質の多いものは全て控えます。とはいえ、血糖値が上がらなければ、私たちは体を動かすこともストレスに対処することもできません。そこで必要となるのが、アズキやカボチャのように、血糖値をゆるやかに上昇させる自然な甘味です。【解説】三浦直樹(みうらクリニック院長)

解説者のプロフィール

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三浦直樹(みうら・なおき)

医療法人花音会みうらクリニック院長。1995年に兵庫医科大学を卒業後、関西医科大学小児科学教室に入局。1997年に退職し、西本クリニックなどで非常勤勤務を行うかたわら、各種自然療法を研究。2009年、みうらクリニック開院。2013年より始めた望診法講座は、日本各地で開催されていて、受講者は600名を超える。著書『顔を見れば隠れた病気がわかる』『薬だけに頼らず病気を治す家庭療法の教科書』(いずれもマキノ出版)など多数。
▼みうらクリニック(公式サイト)

自然な甘みを利用し血糖値スパイクを防ぐ

当院では、西洋医学と自然療法を組み合わせた統合医療を実践しており、その一環で食事指導も行っています。

その中で、私が患者さんに勧めている養生食の一つに、「アズキカボチャ」があります(詳しい作り方は下項参照)。

アズキカボチャは、基本的には糖尿病の治療食として用いています。これまでに多くの患者さんの血糖値を下げ、安定させてきました。それだけでなく、糖尿病の合併症を予防する効果もあります。その根拠について、説明しましょう。

まず、血糖値の安定に役立つのは、アズキとカボチャの自然な甘味です。

一般的に糖尿病の方の食事療法として、糖質の多いものは、とにかく全て控えます。しかし、本当に控えなければならないのは、白砂糖や果糖ブドウ糖液糖といった、加工されて作られる「人工的な糖質」です。

人工的な糖質は、人間にとってなじみが浅いので、ほとんどの人は体内でうまく処理できません。そのため、血糖値が急激に上がります。すると、膵臓からインスリンが過剰に分泌され、今度は血糖値が必要以上に急激に下がります。

この「血糖値スパイク」と呼ばれる血糖値の乱高下が、膵臓に負担をかけ、糖尿病を招き、悪化させるのです。

とはいえ、血糖値が上がらなければ、私たちは体を動かすこともストレスに対処することもできません。

そこで必要となるのが、アズキやカボチャのように、血糖値をゆるやかに上昇させる自然な甘味です。

人工的な糖質を避けて、代わりにアズキカボチャの自然な甘味を利用することで、血糖値スパイクを防ぎ、膵臓のインスリン分泌のリズムを整えることができるのです。

東洋医学ではアズキはむくみ取りの妙薬

アズキカボチャは、腎臓によいという特長も持ちます。東洋医学では、「形の似ているものが、形の似ている臓器を治す」という考えがあって、アズキは腎臓に似ていると言われています。

成分的に見ても、アズキは腎臓の働きを助けます。注目すべきは、アズキが豊富に含むカリウムサポニンです。

カリウムは、尿の排泄を促進する作用があります。腎臓は、体内の水分を調整して尿を作る臓器なので、尿がスムーズに出て体の水はけがよくなれば、腎臓の負担も軽減します。実際に、東洋医学でもアズキはむくみ取りの妙薬として重宝しています。

サポニンには、界面活性作用があり、腎臓に蓄積した脂質を溶かします。

腎臓という臓器は、多くの毛細血管が集まってできています。度が過ぎた肉食などによって、血液中の脂質が多くなればこれが腎臓に蓄積し、毛細血管が目詰まりを起こします。

すると、腎臓の機能が低下するのはもちろん、血液の流れも悪くなるので、血圧が上がります。また、血液の浄化機能も低下するので、皮膚のかゆみ、疲れなどの不調が起こってくるのです。

サポニンは、このような腎臓に蓄積した脂質を溶かし、毛細血管の目詰まりを解消してくれます。腎臓の機能が回復するのはもちろん、血流もよくなるので、高血圧も改善します。

さらに、カボチャにもβーカロテン、ビタミンC、ビタミンEなどの抗酸化作用を持った成分が豊富です。これらによる相乗効果で、細胞をいきいきと元気に保つ効果が期待できます。

細胞と血管が元気になれば、腎臓病、網膜症、神経障害といった糖尿病の三大合併症の予防にもつながります。

アズキカボチャは、1日に茶わん1杯(200g)程度を目安に食べてください。まとめて作って、冷蔵庫で保存しておくとよいでしょう。

食べるときは、冷たいままでも、温め直しても、どちらでも構いません。毎日食べ続けると体の反応が鈍くなるので、5日続けたら1日休むようにしましょう。

なお、腎臓病でカリウムの摂取を制限している方、甲状腺の病気を持っている方は、食べる前に医師に相談するようにしてください

アズキカボチャの作り方

用意するもの(3〜4日分)
アズキ……200g
カボチャ……150g
塩……小さじ1

画像1: アズキカボチャの作り方

アズキを軽く水洗いし、水3カップ(600ml)と一緒に鍋の中に入れる。ふたをしないで強火で煮る。沸騰したら、弱火にする。

アズキが鍋の中で動きだしたら水を1カップ加えて弱火にし、ふたをして煮る。再度沸騰したら、水1カップを加えてふたをして煮る。これをアズキが柔らかくなるまでくり返す(水を加える量の目安は3~4カップ)。

画像2: アズキカボチャの作り方

アズキが柔らかくなったら、2cm角に切ったカボチャと塩を加えて煮続ける。

画像3: アズキカボチャの作り方

出来上がり!
カボチャが煮えたら出来上がり。

画像: この記事は『安心』2022年2月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『安心』2022年2月号に掲載されています。

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