目の老化を防ぎ、加齢黄斑変性や緑内障の予防・改善に有効な食品としてご紹介したいのが、β-カロテンを日常的にとりやすい「ニンジン」、ゼアキサンチンやルテインを含む「クコの実」、ケルセチン、ケンフェロール、ギンコライドが豊富な「イチョウの葉」です。【解説】石黒成治(消化器外科医・ヘルスコーチ)

解説者のプロフィール

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石黒成治(いしぐろ・せいじ)

消化器外科医・ヘルスコーチ。1997年、名古屋大学医学部卒。国立がんセンター中央病院で大腸がん外科治療の研鑽を積む。その後、名古屋大学医学部附属病院、愛知県がんセンター中央病院、愛知医科大学病院に勤務し、2018年から予防医療を行うヘルスコーチとしての活動を開始。腸内環境の改善法、薬に頼らない健康法を各種SNSで発信している。著書『少食ライフ』(クロスメディア・パブリッシング)好評発売中。

β-カロテンが豊富なニンジンがおすすめ

私は消化器外科医ですが、薬に頼らず、食生活で健康になる方法を研究しており、患者さんの指導や、YouTubeでの情報発信をしています。

かつては私自身が「医者の不養生」で、深夜に満腹になるまで食べてはすぐ寝たり、日中は忙しいのでお菓子で小腹を満たしたりと、不健康な食生活を送っていました。そのためか、年齢とともに不調を感じるようになり、食生活を見直すに至ったのです。

私は、基本的に現代人は食べ過ぎによって健康を損なっていると考えています。

そこで、節度のある食習慣(少食ライフ)を提唱しています。ただし、単に食事を節制するだけでなく、必要な栄養素を過不足なく摂取する上で、何を食べるかも重要です。

今回は、「目の老化」を防ぐのに有効な食品をご紹介したいと思います。

一つ目は「ニンジン」です。

ニンジンは、緑黄色野菜に特有の色素成分の「β‐カロテン」が豊富です。β‐カロテンは私たちの体内でビタミンAに変わり、目の細胞にとって重要な役割を果たします。

網膜には、光の刺激を信号に変えて脳に映像を伝える視細胞があります。視細胞には、主に明るい場所で色の違いを認識する「錐体(すいたい)細胞」と、主に暗い場所でわずかな光も感知する「桿体(かんたい)細胞」の2種類があります。

辺りが暗いとき、色はハッキリしなくても、物の形がわかるのは、桿体細胞の働きです。桿体細胞には光を感知するためのロドプシンという色素があり、その原料がビタミンAなのです。

先進国ではめったにありませんが、発展途上国ではビタミンAの欠乏により、暗いところで目が見えなくなる夜盲症が起こることがよくあります。そこまではいかなくとも、ビタミンAが不足すると、ドライアイや目の充血などが起こります。

β‐カロテンを十分に摂取している人は、加齢黄斑変性や白内障のリスクが下がるとの研究報告もあります。

シソやモロヘイヤにもβ‐カロテンは豊富ですが、よく食べる食材ではありません。その点、ニンジンは身近で調理法も豊富、日常的にβ‐カロテンをとるのに適しています。他にシュンギク、カボチャもβ‐カロテンを多く含みます。

スーパーフードとして注目されるクコの実

二つ目は「クコの実」。

杏仁豆腐のトッピングなどに使われる、赤い小さな実です。クコの実は、人体に必要な必須アミノ酸やビタミン、ミネラルをバランスよく含んだ「スーパーフード」として注目されています。漢方でも目の病気に用いられてきた歴史があります。

クコの実の成分で特に注目すべきは、カロテノイドという色素成分の一種の「ゼアキサンチン」と「ルテイン」です。

ゼアキサンチンとルテインは、人間の目にある黄斑部や水晶体に存在していて、目に有害な青色の光(ブルーライト)を吸収したり、有害な活性酸素を消去したりして、目を保護する働きがあるといわれています。

実際にクコの実を3ヵ月ほど摂取したところ、高齢者の視力低下を防ぐ効果が見られたとの研究報告もあります。

ゼアキサンチンはパプリカやトウモロコシ、ルテインはケールやヨモギ、ホウレンソウなどの葉野菜にも多く含まれます。

三つ目は「イチョウの葉」です。

古代中国では漢方薬として用いられ、現代ではサプリメントとして人気です。また、より手軽にとれるイチョウの葉のお茶も市販されています。

イチョウの葉には、「ケルセチン」「ケンフェロール」などのフラボノイド(植物の色素成分の一種)や「ギンコライド」というテルペン(植物の精油に含まれる成分)などの強力な抗酸化作用を保つ成分が豊富です。

また、血流を改善する効果があります。血流は、目の健康に重要です。

目の網膜には網の目のように多くの毛細血管が通っており、血流が悪くなると、さまざまな目の病気につながる恐れがあります。例えば、緑内障や加齢黄斑変性なども毛細血管の血流障害が原因の一つと考えられています。

イチョウの葉のエキスを摂取すると、加齢黄斑変性や緑内障の改善に有効との研究報告があります。これは、血流改善による効果と考えられます。

私も日頃からイチョウの葉のお茶を飲んだり、クコの実や緑黄色野菜を食べたりするように心がけています。

そういえば、かつては飛蚊症(目の前に黒い虫のようなものが動いて見える症状)に悩まされていましたが、最近はほとんど気にならなくなりました。

ただしこれは、食事だけでなく、運動や睡眠など生活全般を改めた相乗効果だと思います。食事も同じものばかり食べるのではなく、全体のバランスを考えながら、よい食品を上手にとり入れることが大事です。

目にいい成分が多い食材
β-カロテン:カボチャ、シソ、モロヘイヤ、ニンジン
ゼアキサンチン:パプリカ、トウモロコシ、クコの実
ルテイン:ケール、ヨモギ、ホウレンソウ、クコの実

画像: この記事は『安心』2022年2月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『安心』2022年2月号に掲載されています。

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