昔から「ユズはヘタ以外捨てるところがない」といわれます。皮や果汁を飲んだり食べたり、種を煎じたり、手作り化粧水を肌に塗ったりと、使い方はいろいろ。生活習慣病をはじめ、ぜんそくや便秘、あかぎれ、かゆみの改善などにも優れた効果を発揮します。冬至にユズ湯だけではもったいない!一年中フル活用して香りを楽しみ、優れた薬効を存分に享受しましょう。

通年で使うための保存法

画像1: 通年で使うための保存法

冷凍する
● まるのままでも冷凍可能だが、解体し部分ごとに小分けして凍らせると、使い勝手がよい。
● 外皮はそのまま湯船に浮かべてユズ湯にしても、内皮とともに刻んでジャム作りに使っても。黄色い表皮だけ薄くそいでおくと、ユズみそ作りや料理の薬味に、すぐ利用できる。
● 果汁は製氷皿に入れるか、チャックつき袋に入れ平らにして凍らせると使いやすい。

乾燥する
● 外皮と種は乾燥保存に向く。天日でカラカラに干して密封容器に入れておくと、常温で数ヵ月は保存できる。

画像2: 通年で使うための保存法

万能ユズジャムの作り方

画像1: 万能ユズジャムの作り方

材料(出来上がり目安量=400g弱)
・ユズ…2個
・ハチミツ…50g
※手順④のあとの重量の1/6程度が目安。

画像2: 万能ユズジャムの作り方

ユズはよく洗い、横半分に切り、ボウルの上で果汁をしぼる。種は取り除く。

画像3: 万能ユズジャムの作り方

外皮から、内皮や袋、果肉をこそげ取り、適当に刻む。

画像4: 万能ユズジャムの作り方

外皮は細かく刻む。

画像5: 万能ユズジャムの作り方

種以外のすべてを小鍋に入れ、水をひたひたに注ぎ、中火にかける。アクが出たら取り除いて弱火にし、絶えず底から混ぜ返しながら10分ほど煮る。ジャム状になったら火を止める。

画像6: 万能ユズジャムの作り方

ハチミツを加え混ぜ、清潔な密封容器に入れる。粗熱が取れたら冷蔵庫で保存。2週間ほど日もちする。

画像7: 万能ユズジャムの作り方

使い方と注意
・1日にとる量に決まりはないが、体調を見ながら調整し、とり過ぎに注意する。
・スプーンですくってそのまま、または湯や水に溶きユズ茶として飲む。
・ヨーグルトに添えたり、トーストに塗ったり、ジャムとして使う。
・マーマレード煮など、香りを楽しむ料理に使う。
・苦みや渋みは有効成分だが、食べづらい場合は、手順③のあと、外皮を1~2回ゆでこぼしてから④に進むと苦みが和らぐ。
・口の中にピリピリするようなしびれ感が生じる場合がある。これも外皮に含まれる成分によるもの。しばらくすると消えるが、アレルギー症状の可能性もあるため、気になる場合は医師に相談する。

ユズの種化粧水の作り方

材料
・ユズの種…適量(洗わないままでOK。乾燥した種でも可)
・ユズの種のかさの3~5倍量の酒(ホワイトリカーまたは日本酒)
※ 酒の量が少ないととろみが強くなり、増えるとサラサラになる。好みで調整。

ユズの種を、ふたつきの清潔な瓶に入れる。
酒を注ぎ入れ、ふたをする。
冷暗所に3日~1週間ほどおく。ときどき振り混ぜる。淡く色づき、とろみがついたら出来上がり。
ザルでこして、清潔な瓶に詰め替え、冷蔵庫で保存。1ヵ月ほどで使い切る。冷凍保存も可能。使う際に自然解凍する。

画像: ユズの種化粧水の作り方

使い方と注意
・ 顔や体に、そのままつけてOK。ただし必ずパッチテストを行う。ひじの内側など目立たない部分に少量を塗り、しばらく時間をおき、様子を見る。赤みやかゆみなどの異常が現れたら、直ちに中止する。
・ 紫外線に当たるとシミを作りやすい作用(光毒性)が、柑橘系の精油の一部などに見られる。ユズ、特に種には光毒性はないとされるが、心配な場合は、肌につけたあとに日焼け止めを塗るか、夜だけの使用にとどめる。

ユズみその作り方

材料
・ユズ…1個
・みそ…100g
・砂糖、みりん…各大さじ2

ユズはよく洗い、まるのまま黄色い表皮だけすりおろし、横半分に切って果汁をしぼる。
小鍋にみそと砂糖、みりんを入れ、中火にかける。絶えず底から混ぜ返しながら煮る。沸騰したら果汁を加えて煮詰め、ぽってりしたところで火を止める。
すりおろした皮を加え混ぜる。2週間ほど日もちする。

画像: ユズみその作り方

使い方
・コンニャクや豆腐につけて田楽に。
・ふろふき大根や、煮た里芋に添えて。
・白身魚やおにぎりに塗って焼いても。

ユズ皮茶の作り方

材料
・ユズ…適量

ユズはよく洗い、薄い輪切りにして、ザルなどに広げて並べ、天日に干す。
3~4日ほどでカラカラに乾いたら、ふたつきの密閉容器に入れて保存。数ヵ月はもつ。

画像: ユズ皮茶の作り方

使い方
・薄切りのユズ1枚に対し200ml程度の熱湯を注ぎ、数分おいてから飲む。
・ユズは湯の中に長く放置すると苦みが出るので、やわらかくなったら食べる。

画像: この記事は『壮快』2022年2月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『壮快』2022年2月号に掲載されています。

www.makino-g.jp

This article is a sponsored article by
''.