プロフィール

片岡鶴太郎(かたおか・つるたろう)
1954年生まれ。東京都出身。高校卒業後、声帯模写の片岡鶴八師匠に弟子入りし、3年後に独立。1981年からフジテレビ系番組『オレたちひょうきん族』にレギュラー出演し、人気者となる。俳優として日本アカデミー賞最優秀助演男優賞ほか多数を受賞。一方で、画家・書家としても精力的に作品を発表。2015年に書の芥川賞といわれる第10回手島右卿賞を受賞。17年にインド政府公認プロフェッショナルヨーガ検定に合格し、インド政府よりヨーガマスター、ヨーガインストラクターの称号を授与される。第1回ヨーガ親善大使に任命されるなど、幅広く活動中。
66歳の今も肌をほめられる
私は夜の11時ごろに起床し、朝5時くらいまでヨーガを行うのが日課となっています。
ヨーガはもともと瞑想に興味を抱いたことから始めたのですが、身心が満たされることを体感し、しだいにヨーガをする時間が長くなっていきました。
ヨーガを始めたことで、肉体と精神のバランスが取れて、内臓が活性化されるようになりました。毎日を健康的に過ごせていると実感します。
このヨーガの一連の動きのなかに、私はマッサージなどを取り入れています。世間にはさまざまな健康法がありますが、「これはいい!」と思ったものを積極的に取り入れ、ヨーガといっしょに実践しているのです。
頭皮マッサージも、その一つ。ヨーガを行いながら、途中で頭をほぐしています。頭皮マッサージをすることでヨーガの動きもスムーズになり、毎日のルーチンに欠かせないものとなりました。
私が頭皮マッサージを始めたのは10年ほど前のことです。当時、私はきれいにはげたいと思い、オリジナルのマッサージに加え、頭皮に強めの刺激を与えていました。
最初のころは髪が抜けましたが、あるときそれがパタッと止まり、新しい毛が生えてきていることに気づいたのです。逆に、髪が生えてきて焦りました(笑)。
しかし同時に、頭皮マッサージの影響の大きさを実感しました。頭皮をマッサージすることで血行がよくなり、毛根の細胞が元気になったのかもしれません。
変化はそれだけではありませんでした。当時は頭皮がかたく、常に頭がパツパツに張っていましたが、頭皮マッサージをするうちにやわらかくなってきました。
そして、首や肩のコリを感じることが減り、お通じがよくなりました。さらに以前は目立っていたニキビ跡もなくなり、ツヤがでてきたのです。肌の調子がよくなり弾力が出て、たるみもなくなり、顔が若返りました。
顔と頭皮はつながっているので、頭皮マッサージによって顔の皮膚も活性化したのでしょうか。現在、私は66歳ですが、「お肌がツヤツヤですね」とよくほめられます。
ゆっくり鼻で呼吸するのがたいせつ
私の頭皮マッサージの方法ですが、おでこの上からこめかみ、後頭部と順に、頭皮を頭頂部へ引き上げるようにゆっくりともみほぐしていきます。
私はこれを1回5分ほど、一連のヨーガのなかで5度くらい行っています。こうして頭や首回り、眼球、口の中、手指、内臓、足指……と、頭から足先まで5~6時間ほどかけて全身を整えていきます。皆さんが実践する場合は、気持ちいいと思う程度に行うといいでしょう。
毎日もみほぐしているうちに、「ここがこっていて、もみ足りないな」という場所がわかるようになるかもしれません。その部分を特に意識してマッサージするといいと思います。
私も最初のころは、まだもみ足りないな、といった違和感のある場所がありました。そこを鏡で確認したら、その辺りだけ毛が薄い状態でした。
ここはおそらく血流があまりよくないのだろう、と思いもんでいたら、しだいに毛が埋まってきたのです。
頭頂部にある百会(ひゃくえ)(下図参照)というツボをしっかりとマッサージするのもお勧めです。私の場合は1日5分、百会を地面に当てて逆立ちをしています。下半身側に滞った「気」(一種の生命エネルギー)が頭までよく流れるようになり、スッキリします。

体の中心を通る正中線のライン上にある。万能なツボとされ多くの効能がある。
頭皮マッサージでたいせつなのは呼吸方法。ゆっくりと空気を鼻で吸い、鼻から息を吐き出す鼻呼吸で行うことがポイントです。リラックスができて、より血行もよくなるでしょう。
鼻呼吸は免疫力をアップし、内臓を動かすともいわれています。ぜひ鼻呼吸を意識しながら試してください。
そしてもう一つたいせつだと考えているのが、体のほかの部位も併せてほぐすこと。全身は皮一枚でつながっています。部分的にではなく全身をほぐすことで、心身の状態がよりよくなります。
私の目標の一つは、125歳まで生きること。頭皮マッサージを取り入れたヨーガを始め、心身を整える生活をこれからも続け、健康を維持していきたいと思っています。

この記事は『壮快』2022年2月号に掲載されています。
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