プロフィール

前田美波里(まえだ・びばり)
1948年神奈川県生まれ。64年に舞台デビュー。66年に資生堂のイメージモデルとなり、注目を集める。ミュージカルの舞台を中心に、テレビ、映画、CMなどで幅広く活躍中。出演作品に「コーラスライン」「ウエスト・サイド・ストーリー」「レ・ミゼラブル」「ステッピング・アウト」「アプローズ」「マンマ・ミーア!」「ピピン」「マイ・フェア・レディ」等。
ひとさじのスプーンに素材の味が詰まっている
私は手作りの「野菜スープ」を飲むことを習慣にしています。
もともと、健康にいいといわれる食べ物や運動などは、すぐに取り入れるタイプ。とはいえ、後々まで続く事柄はそんなに多くありません。
ところが、この野菜スープは別です。もう4年以上、毎日朝晩、マグカップ1杯の野菜スープを欠かさずにとっています。
飲み始めたきっかけは、故・前田浩熊本大学名誉教授の著書『最強の野菜スープ』(マキノ出版)との出会いです。新聞広告を見てすぐに本を取り寄せ、読んだあと早速実践し始めました。
続いている理由は、端的にいっておいしいから。そして、「体にいい物を食べている」という実感があるからです。
スープは、本のとおりに作っています(作り方は別記事参照)。野菜は4~5種類以上を入れるのがよいようです。
[別記事:基本の「野菜スープ」の作り方&アレンジレシピ→]
私が必ず入れているのはカボチャ。スープに自然な甘みが出て、ほっとする味になります。
セロリ、タマネギ、ニンジンもよく使いますし、緑の野菜もとりたいので、ピーマンや小松菜、ホウレンソウ、パセリを加えることも多いです。
夏はオクラ、冬ならサトイモもいいですね。トロッとするような物を入れるのが好きです。
基本的には、調味料などは加えません。野菜から出る自然のだしの味だけでいただきます。初めて食べたときは、「少しもの足りない味だな」と感じました。しかし、2~3回食べるうちに、野菜本来の味がわかるようになり、すっかりとりこになりました。
口に運んだひとさじのスプーンに、野菜その物の味が詰まっているのです。
そのおいしさ、すばらしさを知ってほしくて、友人たちにも勧めています。ところが、「味つけせずに飲んでね」と、念を押しても、あとで聞くと、調味してしまう人がほとんど。もちろん、それもいいですし、私もあとから酢やみそで調味することもあります。
でも、最初は絶対に味をつけてはいけません。シンプルに野菜だけで作ってほしいのです。そのおいしさに気づくはずです。

前田さんの野菜スープ
食べ過ぎた翌朝は野菜スープでデトックス
「昨晩少し食べ過ぎちゃったな」という朝は、食事を野菜スープだけにして、仕事に出かけます。すると胃袋や腸が軽く、デトックスされたように感じます。
野菜スープは冷え対策にも効果的です。私は以前はよく生野菜のサラダを食べていました。でも、年齢が上がるにつれ、生野菜をとると体が冷えるのが気になってきたのです。
温かい野菜スープなら、とるとすぐに体がぽかぽかと温まり、汗をかくくらいになります。体が温まると、元気も湧いてくるように感じます。
また、ビタミンや食物繊維など、野菜に含まれるさまざまな有効成分をたくさんとれることも魅力です。
舞台の仕事では、お客様の目の前に生身の肉体をさらすことになります。正面からだけでなく、背中から、あるいは横からも視線を浴びます。そんななかでも自信を持って舞台に立てるよう、体形を維持しなくてはなりません。
また、舞台の演出家から、突然「こんな動きをしてみて」と、ちょっと難しい動作をリクエストされるかもしれません。それに、いつでも応えられる自分でありたいのです。
そのためには、健康によい物を食べて体を内側から整えつつ、しっかりとトレーニングをすることが重要。まるでピアノの調律師のように、自分の体を調律しておかなくてはなりません。
私にとって、この野菜スープは、健康を維持し、自分の体を調律するための必需品というわけです。これからも、飲み続けていきたいと思います。
強力な抗酸化力で病気や老化を防ぐ
堂園メディカルハウス院長 堂園晴彦
野菜本来の味を楽しみながらスープを飲んでいるのはすばらしいですね。野菜スープには、強力な抗酸化力を持つ有効成分ファイトケミカルや、多くのビタミンが溶け出しています。また食物繊維も豊富に含まれ、腸内環境を整えてくれます。これらにより、さまざまな病気や老化の予防に寄与します。毎日のスープ習慣が前田さんの体調を整え、パワフルな活動を支えているのでしょう。

この記事は『壮快』2022年2月号に掲載されています。
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