肥満の原因となりやすい、糖質と脂質が多い食事をするときは、必ずたんぱく質と、食物繊維、そして「糖質や脂質を分解・燃焼させるのに役立つ成分」をしっかり食べることです。具体的にはまず、ビタミンB群。次に、体を温める働きを持つ成分。お勧めするのが、「ショウガオイル」です。【解説】菊池真由子(管理栄養士)

解説者のプロフィール

画像: 解説者のプロフィール

菊池真由子(きくち・まゆこ)

1966年、大阪府生まれ。管理栄養士。健康運動指導士。NR・サプリメントアドバイザー。日本オンラインカウンセリング協会認定上級オンラインカウンセラー。大阪大学健康体育部(現・保健センター)、阪神タイガース、国立循環器病センター集団検診部(現・予防検診部)を経て、厚生労働省認定健康増進施設などで栄養アドバイザーを務め、ダイエットや生活習慣病の予防対策など、のべ1万人の栄養指導に携わる。『食べても食べても太らない法』『食べれば食べるほど若くなる法』(ともに三笠書房)など著書多数。

やせたいからこそ、きちんと食べる

私は管理栄養士として、これまでの1万人以上の方々に、ダイエットなどのアドバイスを行ってきました。

その中で、強く感じているのが、食べない我慢比べのようなダイエットは必ず失敗するということ。「やせたいからこそ、きちんと食べる」ために、「食べるものの選び方」の見直しが不可欠です。

ダイエットに失敗する人が陥りがちな間違いに、「カロリーが低いほどやせる」という思い込みがあります。

例えば、ペペロンチーノとミートソースパスタ。カロリーは倍以上ありますが、私がお勧めするのはミートソースパスタです。

ペペロンチーノの栄養素はほぼ糖質と脂質のみですから、エネルギーにならずに、脂肪として体にため込まれやすいのです。おまけに消化が早く空腹を覚えやすいので、他のものを追加で口にしがちです。

それに対し、ミートソースは肉のたんぱく質や、ビタミンB群など糖質や脂質を燃焼させる栄養素がしっかり取れるので、食べ物をエネルギーとして利用できます。さらに満腹感も続きますから、実際にはこちらの方がずっとダイエットに役立つのです。

肥満の原因となりやすい「糖質と脂質が多い食事」をするときは、必ず一緒に肉や魚などの「たんぱく質」と、満腹感が得られる上に糖や脂肪の吸収を防ぎ、腸内環境を整えて便秘を解消する「食物繊維」、そして「糖質や脂質を分解・燃焼させるのに役立つ成分」をしっかり食べる。

この三つを意識するだけで、「我慢をしなくても、体が勝手にやせていく」のです。

 
では、「糖質や脂質を分解・燃焼させるのに役立つ成分」とは何なのか、具体的に説明していきましょう。

まずは、ビタミンB群です。ビタミンB1は糖質、ビタミンB2は脂質、ビタミンB6はたんぱく質と脂質をエネルギーに変える働きがあり、パントテン酸(B5)はストレス太りを防ぎます。

次に、体を温める働きを持つ成分です。体温は体脂肪を燃やして維持されます。体温が1℃高くなると基礎代謝量(安静時にも消費されるエネルギー)が13%も上がります。

体を温める働きがあるのが、魚油のDHAやEPA、トウガラシのカプサイシン、ショウガのジンゲロンやショウガオールなどの辛味成分です。

ただし、トウガラシは胃への刺激が強い上、燃焼効果が長続きせず、食欲増進作用もあります。

そのため、よりお勧めなのはショウガ。ジンゲロンは余分な体脂肪をどんどん燃やし、ショウガオールは血行を促進して代謝をアップし、脂肪の燃焼をサポートする作用があります。この二種類の辛味成分が、非常にバランスよくダイエットに役立ってくれるのです。

画像: やせたいからこそ、きちんと食べる

テレビで大反響だった「手作り調味料」

とはいえ、「ショウガを料理のたびにちょっと刻んで加える、そのひと手間が面倒だ」という方も多いのが実情です。

そこで私が考案したのが「ショウガオイル」です。

みじん切りにしたショウガを、オリーブ油(エクストラバージンがお勧め)に入れて1分加熱するだけと簡単に作れ、作りおきができます(作り方は下項参照)。これをテレビで紹介したところ、大きな反響がありました。

ジンゲロンやショウガオールは、生のショウガを加熱することで増えるため、より脂肪燃焼効果が高まります。

抗酸化物質が多く含まれ、コレステロールを減らして血液をサラサラにするオリーブ油と組み合わせることで、さらにダイエット効果が強化されます。

また、自然と減塩できるのも、隠れた重要ポイント。

中年以降のメタボ世代の人たちの多くは、内臓に脂肪がついて、おなかを中心に太るものです。このような人の食生活は脂っこいものや味が濃いもの多く、どうしてもご飯(主食の糖質)が進んでしまいがちです。

その点、ショウガオイルを料理に使うと、ショウガの風味がアクセントになり、薄味でも十分おいしく食べられるので、自然とご飯が少量で満足できるようになります。

いつものおかずに、作りおきしておいたショウガオイルを小さじ1~2杯加えるだけで、脂肪燃焼成分たっぷりの「やせるおかず」に早変わりします。

できれば、たんぱく質とビタミンB群が豊富な豚肉や大豆食品に、食物繊維と抗酸化物質が豊富な野菜やキノコを組み合わせたおかずに、ショウガオイルを加えたら、最高です。

ショウガオイルを活用している方々から「こんなにしっかり食べているのに、おなかの脂肪が減っていく!」と喜びの声がたくさん寄せられています。

内臓脂肪の減少は、高血圧や糖尿病の改善や、動脈硬化から心筋梗塞や脳梗塞(梗塞とは血管が詰まる病気)を起こすリスクを下げることにつながります。次は皆さんが健康を取り戻してください。 

画像: 【生姜オイルの作り方】体を温め脂肪燃焼をサポートする手作り調味料  アレンジレシピも紹介

ショウガオイルの4つの作用
脂肪燃焼 血行促進 血液サラサラ 減塩
小さじ1~2杯を加えるだけで、いつものおかずを「やせるおかず」に変える魔法の調味料!

ショウガオイルの作り方

血行促進と脂肪燃焼、代謝アップ作用のあるショウガをオリーブ油に漬け込んだショウガオイル。
いつものお料理にひとさじ加えるだけで、脂肪燃焼効率のよい「やせるおかず」に早変わり!
ぜひお試しください。

画像1: ショウガオイルの作り方

材料(作りやすい分量)
ショウガ ……100g
オリーブ油 ……100ml

画像2: ショウガオイルの作り方

ショウガはよく洗って水気を取り、皮ごとみじん切りにする。

画像3: ショウガオイルの作り方

フライパンにオリーブ油を入れて火にかけ、160℃程度に熱する。
※先をぬらしてから水気を拭いた菜ばしを油に入れて、はし先から細かな泡が出る程度が150~160℃の目安

画像4: ショウガオイルの作り方

ショウガを加え、かき混ぜながら1分間加熱したら火を止め、そのまま冷ます。

画像5: ショウガオイルの作り方

粗熱が取れたら、保存瓶に移して出来上がり!
・保存は冷蔵庫で1~2週間が目安。
・ショウガと油を合わせて、1人分小さじ1~2杯をお好みの料理に用いるのがお勧め。

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