生命の貯蓄体操は、日常生活でいつの間にか緊張して硬くなったり、縮んだりしている筋肉をゆるめることを目的の一つとしています。筋肉がゆるむことで、骨が正しい位置に戻る余地が生まれて、体のゆがみも改善されます。それは全身の血流をよくし、首や肩のこり、腰痛やひざ痛が解消するのです。【解説】矢野順子(NPO法人生命の貯蓄体操普及会理事長)

腰、ひざ、股関節の痛み

「股関節伸ばし」

[要の操法第1動]
※無理な動きは痛みやケガにつながるので、できる範囲で行うこと
※発声しない体操。動きの最中は、ゆっくりと丹田呼吸を行う

股関節伸ばしは、太ももの内側や股関節の周り、お尻の外側など、筋肉や靭帯を大きく伸ばす動作です。壁にもたれかかることで自然と腹筋の力が抜け、股関節が開きやすくなります。股関節が開いて動くことで、自然に上半身も前に倒れるようになります。足腰の衰えを防止し、腰痛やひざ痛、座骨神経痛などにも効果があります。

画像1: 「股関節伸ばし」

背中を壁にもたれかけて座る。その際、肩とお尻は壁から離すこと。座ったら、体の真正面で両足側面を合わせる。その際、合わせたかかとと股関節の位置は離れていても構わない。手は左右のすねの内側に軽く置く。

画像2: 「股関節伸ばし」

両手の手のひらを、前方に滑らせながら上体をゆっくりと倒す。上体の重みを利用するのがコツ。無理に反動をつけない。口から息を吐きながら行うこと。鼻から息を吸いながら①の姿勢に戻る。①~②を20回くり返す。

「上体倒し」

[要の操法第2動]
※無理な動きは痛みやケガにつながるので、できる範囲で行うこと
※発声しない体操。動きの最中は、ゆっくりと丹田呼吸を行う

上体倒しは、腰、お尻、太ももの裏側の筋肉を伸ばすことができる動作です。これらの筋肉が硬いと下半身の血流が悪くなり、足のだるさやむくみ、冷えにつながる他、腰痛や座骨神経痛を招きます。しっかり伸ばして、ケアしましょう。

画像1: 「上体倒し」

壁にもたれかかり、両足を前に伸ばして座る。足の指を上に向けて立てる。両手の親指をからめてひざ頭の上に置く。

画像2: 「上体倒し」

口から息を吐きながら両手を前に突き出す。上体の重みを利用して体を前に倒していく。

鼻から息を吸いながら①の姿勢に戻る。①~②を20回くり返す。

「ベタ開脚」

[要の操法第3動]
※無理な動きは痛みやケガにつながるので、できる範囲で行うこと
※発声しない体操。動きの最中は、ゆっくりと丹田呼吸を行う

ベタ開脚は、日常生活では使う機会が少ない、太ももの内側の筋肉をゆるめて伸ばす動作です。ここを柔軟にすると股関節の可動域が広がり、ひざや腰の負担を減らします。また、ガニ股も解消します。さらには、骨盤内の血流をよくするので、便秘や頻尿、生理不順にも有効です。

画像1: 「ベタ開脚」

壁にもたれかかり、無理のない範囲で開脚して座る。両手を肩幅に開き、床に軽く触れる。

画像2: 「ベタ開脚」

口から息を吐きながら、上体の重みを利用して体を前に倒していく。

倒れるところまで倒したら、鼻から息を吸いながら①の姿勢に戻る。①~②を20回くり返す。

「座布団あおむけ」

[要の操法第4動]
※発声しない体操
※座布団の枚数は、背中を乗せた際に崩れない枚数にとどめる。無理をしない
脊柱管狭窄症の人は行わないようにする

座布団あおむけは、大腿四頭筋(太もも全面の筋肉)を伸ばす動作です。この筋肉の動きがよくなると、ひざの曲げ伸ばしがスムーズになり、痛みも和らぎます。同時に、上半身と下半身をつなぐ「腸腰筋」もしなやかにする効果があります。そうすることで、足腰のズレも正されるので、ひざ、腰、股関節の痛みの改善が期待できます。

画像1: 「座布団あおむけ」

まずは座布団を重ねる。その前で正座をする。座布団の角がお尻側にくるように調整して、背中を後ろに倒す。そのままあおむけになって、両手の指を交差させて頭上で組む。その際、足や腰が痛ければ、座布団の枚数を調整する。

画像2: 「座布団あおむけ」

気持ちよく伸びを感じられる枚数がベスト。足や腰が硬い人は、まずは10枚から始めて、自分に合った枚数で調整するとよい。そのままの姿勢で丹田呼吸を20回行う。

床で正座ができない人向け

最初に用意しておくもの
新聞紙もしくはジョイントマット(100円ショップのもので可)
いずれかを重ねて、その上で正座ができる高さに調整。それをビニールひもで結束する。

画像3: 「座布団あおむけ」
画像4: 「座布団あおむけ」

重ねた新聞紙もしくはジョイントマットの上で正座し、丹田呼吸のみを20回行う。

「背そらし」

[要の操法第5動]
※発声しない体操
脊柱管狭窄症の人は行わないようにする

背そらしは、おなか、胸、のどを伸ばす動作です。なので、おなかの筋肉が硬くなることで起こるネコ背を解消します。ネコ背は横隔膜や肋間筋といった呼吸筋を弱らせますが、ネコ背そのものが解消することで、呼吸器の不調も改善するでしょう。ただし、脊柱管狭窄症などで背中を反らすことができない人は行わないでください。

画像1: 「背そらし」

座布団を1枚折り曲げて、足の付け根に当てて、その上にうつぶせになる。座布団の折り目は頭側と足側のどちらでもOK。両手を伸ばして、上体を持ち上げる。もし、足の付け根が座布団に乗らなければ枚数を増やす。適切な枚数は、腰やお尻がリラックスできているかで判断する。その後、両手を肩幅に開き、指先を正面に向ける。両足の第1指を合わせ、かかとを外に開く(Vの字型)。

画像2: 「背そらし」

口を大きく開けて、息を吐きながら、頭を後方に倒す。のど、胸、おなかが気持ちよく伸びるのを感じたら①に戻る。①~②を20回くり返す。

This article is a sponsored article by
''.