プロフィール

川村ひかる(かわむら・ひかる)
15歳で芸能界に入り、グラビアアイドルとして一世を風靡。その後、タレント活動と並行して発酵プロフェッショナル、オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート、こども分子栄養学アドバイザー、健康管理士、野菜ソムリエ等を取得。食べながらやせるダイエットやアンチエイジングビューティーフード、生理痛やPMS(月経前症候群)、妊活マイスター講師として、ホルモンバランスを味方につけてキレイになる方法等のセミナー活動も行っている。著書に『発酵美人』(幻冬舎)などがある。
頭痛やアレルギーが解消し疲れにくくなった
私は、発酵プロフェッショナルや健康管理士などの資格を持ち、現在、セミナー講師としても活動しています。そんな私にとって欠かせない食品の一つが、「米ぬか」です。
10代でグラビアアイドルとしてデビューし、多忙な日々を送っていた私は、20代の半ばから、数々の不定愁訴に悩むようになりました。
しっかり寝たはずなのに疲れが取れなくなり、常に体がだるい。肌がカサカサに荒れて、金属や花粉などのアレルギー反応が出る。不定期に起こる頭痛や、頑固な便秘体質にも苦しんできました。
そんな体調不良をなんとか改善したいと、食生活の見直しに取り組み始めた20代後半に、知人からぬか床をいただいたんです。それがきっかけで、私はぬか漬けのすばらしさに魅了されました。
こうして発酵食品は私の食生活の軸になりました。
さらに、そのころから、米ぬかも食べ続けています。もう15年近くになるでしょうか。ある日、ふと「米ぬか自体にも多く栄養素が含まれているし、もともと食べられる物だから食べてみよう」と思ったのが、きっかけです。
最初は、米ぬかをそのまま口にしてみました。ところが、粉っぽくてむせてしまい失敗。そこで、おいしく食べられる方法をいろいろと模索してきました。
生の米ぬかはにおいが強く、油も多いので、そのままだと酸化しやすいのが難点です。そこで、私はフライパンで米ぬかを低温で炒り、油と水分を飛ばしています。炒った米ぬかは、チャック付きのビニール保存袋などに入れて冷蔵庫で保管すれば、1ヵ月くらいもちます。
こうして、パウダー状にした米ぬかを活用しています。ヨーグルトやドレッシングに混ぜたり、スープやみそ汁といった汁物に混ぜたりしていただくのが、私のお気に入りです。

川村さん手作りの米ぬかをかけたレンコン
米ぬかを食べ始めて実感した変化は、まず、肌のコンディションがよくなったこと。以前は、油分の多い食事を取ると、肌がオイリーに傾いたり、小さいニキビが出たりしていましたが、米ぬかを食べたら、肌トラブルが出にくくなったんです。ニキビができても、すぐにひいていきます。
長年の頑固な便秘も解消しました。それまでは仕事柄、生活が不規則なこともあり、薬を飲まないと便が出なかったり、薬に慣れると、薬を飲んでも出づらくなったりで、便秘にはほんとうに困っていました。
ところが、米ぬかを食べ続けるうちに、すっかり便秘知らずに。米ぬかには食物繊維が多く、ぬか漬けなどの発酵食品も毎日とっていたので、腸内環境が改善したのだと思います。
今も、ガスがたまったときや、旅行などで外食が続いたあとは、米ぬかを集中的に取るようにしています。暴飲暴食をしたときは、体が自然と米ぬかを欲していると感じるんです。胃薬などを飲まなくても、米ぬかを食べると胃もたれやガス腹がすんなり治まるので、消化吸収をスムーズにする効果もあると思います。
米ぬかや発酵食品を日常的にとるうちに、さらに体質が変わりました。つらかった頭痛やアレルギー反応も、いつしか出なくなりました。疲れにくくなり、夏バテをしなくなったのも、うれしい変化。体調はグラビア時代より今のほうが断然に良好です。
カレーやシチューに混ぜると食べやすくなる
どんなに体にいい物でも、おいしくなければ長続きしません。米ぬかを食べるときは、精米したての新鮮なお米を使っていただくのがお勧めです。
慣れないうちは、ぬかの風味や粉っぽさが気になるかもしれません。そこでお勧めなのが、カレーやシチュー、ポタージュスープなど、粘度のある料理に混ぜること。ザラザラ感が緩和されて、食べやすくなります。
最初は、1日に小さじ1杯分くらいを目安にとるとよいでしょう。無理にたくさんとろうとせずに、続けることが大事。米ぬかを食べるタイミングは、朝がお勧めです。腸が休んでいる夜よりも、動きが活発になり始める朝のほうが、栄養素がより吸収されます。
新米が出回る時季は、米ぬかも新鮮で「食べる米ぬか」を始めるのに最適なタイミングです。ぜひ、食生活に米ぬかを取り入れてみてください。
腸内環境が改善し便秘やアレルギーが解消
ナグモクリニック総院長・医学博士 南雲吉則
米ぬかは、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を豊富に含みます。それらの効果が相乗し、腸内環境が改善。便秘などの腸トラブルや肌荒れ、アレルギーといった不調の解消に役立ちます。また頭痛が治まったのは、米ぬかに豊富なマグネシウムが貢献したと考えられます。
[別記事:ほんのり甘くてコク深い! 栄養満点!食べる米ぬかの作り方→]

この記事は『壮快』2022年1月号に掲載されています。
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