19歳のとき、ドラマの収録で共演されていた宇津井健さんが、ショウガ入りの甘酒を撮影現場に差し入れてくださって以来、好んで飲むように。5~6年ほど前からは、冬場に限って、手作りしています。甘酒を好きな下の娘から、近年教わった飲み方が、甘酒の豆乳割りです。【体験談】森尾由美(女優)

プロフィール

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森尾由美(もりお・ゆみ)

1966年、東京都生まれ。82年、ドラマ『ねらわれた学園』で芸能界デビュー。歌手活動の傍ら、バラエティ番組にも進出。女優としてはドラマ『大好き!五つ子』シリーズで長らく主演を務め、声優としてはアニメ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の秋本麗子役を10年以上演じる。2004年から約10年間、家族とともに米国で生活。近年は日本に拠点を戻し、活躍の場を広げている。トークバラエティ『はやく起きた朝は…』(毎週日曜日6時30分よりフジテレビ系列で放送)に、前身の番組が放送開始した1994年より継続して出演中。

冬の戸外ロケで冷えた体がポカポカに

今でこそ「こうじが手に入ったら甘酒を作ろう」と考えますが、実は幼いころ、私は甘酒が苦手でした。

好きになったのは、19歳のとき、あるドラマの収録がきっかけです。共演されていた俳優のさん(故人)が、ショウガ入りの甘酒を、撮影現場に差し入れてくださったのです。

ショウガがピリッときいた甘酒は、甘過ぎずに飲みやすく、冬の戸外ロケで冷えた体をポカポカに温めてくれました。

それ以来、甘酒に対する見方が変わり、好んで飲むように。5〜6年ほど前からは、冬場に限って、手作りしています。

というのも、毎年12月になると母の知人が、手作りのみそといっしょに、生こうじを冷凍した状態で送ってくださるのです。

これを常温に戻し、60度のお湯を加えます。お湯の量はこうじよりも少し多いくらいでしょうか。そこにみじん切りのショウガを1片入れて、保温するだけで甘酒の出来上がり。飲むときにも、すりおろしたショウガを入れます。

最初のうちは炊飯器で作っていましたが、炊飯器は朝晩と使うので、2年ほど前から石油ストーブを活用するようになりました。ほうろう製の鍋に甘酒を仕込み、ストーブの上に置いておくと、2〜3時間で十分甘くなります。

二人の娘のうち、下の子が甘酒を好きで、家にいるときは二人で飲んでいます。鍋いっぱいに作っても、1週間も経たないうちになくなりますね。

画像: 森尾さんお手製の甘酒

森尾さんお手製の甘酒

豆乳で割れば手軽な栄養ドリンクに

下の娘は、お年ごろなのか、美容や健康に意識が高く、私より詳しいほど。娘のリクエストで、それまであまり買うことのなかった豆乳を買い置き、料理にも使うようになりました。

そんな娘から、近年教わった飲み方が、甘酒の豆乳割りです。

私は夏場は、甘酒を手作りせず、気に入った銘柄の商品を購入しています。冷やして飲むのが定番です。これを豆乳で割ると、甘酒の甘さがマイルドになる一方、豆乳は豆臭さが気にならず、よりおいしくいただけます。

甘酒と豆乳の割合は、同量か、甘酒がやや多いくらいが、ちょうどいいように思います。

こうして、機会を見つけては好んで甘酒をとっています。実感している効果といえば、冬は体が温まること。ショウガ甘酒を飲むと、すぐに体がポカポカしてくるので、冷えの改善や代謝アップにつながっていると感じます。

夏の甘酒の豆乳割りに感じる効果は、暑さによる疲れや、だるさの改善でしょうか。暑いときはどうしても食が細くなり、栄養も偏りがちになります。そんなときの、手軽な栄養ドリンクとして重宝しています。

こうじから作られた甘酒は、「飲む点滴」と呼ばれるほど栄養が豊富なのだそう。実際、体がだるいと感じたときに甘酒を飲むと、元気が出る気がします。夏バテ対策にも、一役買っていると思います。

甘酒は発酵食品ですから、腸にいいそうですね。私はもともと便秘ではありませんが、飲んでいる間は、お通じがさらによくなるように感じます。

そういえば娘も、甘酒を飲むようになってから、お通じが改善した気がすると話していました。以前は、吹き出物などの肌荒れに悩んでいた時期もありましたが、今はお肌の状態がよくなったと喜んでいます。

この娘が5歳のとき、夫の仕事の関係でアメリカに移住し、10年間ほどロサンゼルスで暮らしていました。日本に戻ってから、こうじをはじめ、みそや納豆、ぬか床など、発酵の力を生かした食の豊かさや、その魅力を再認識したものです。

これからも、アレンジを楽しみながら、甘酒を体調管理に役立てていきたいと思います。

甘酒の豆乳割りは疲れ対策に有効
なないろのとびら診療所所長・総合診療医 松嶋 大

甘酒に豊富に含まれるビタミンB群は、代謝の促進やエネルギーの産生に欠かせない栄養素です。また、ショウガの成分には血行促進作用があります。これらの作用が働き、森尾さんの冷えが改善したのでしょう。

甘酒の豆乳割りは、甘酒に不足しているたんぱく質や脂質を補えるため、私も皆さんに勧めています。体力がつくので、森尾さんが実感されているとおりだるさや疲れ対策に有用です。

基本の甘酒の作り方

画像1: 基本の甘酒の作り方

材料(出来上がり目安量=850g)
米…1合(150g)
こうじ(乾燥)…200g(手でよくほぐしておく)
水…500ml

画像2: 基本の甘酒の作り方

米をとぎ、炊飯器の内釜に入れ、分量の水のうち300mlを注ぎ、30分ほど浸水させる。米が水を吸って白くなったら、炊飯器の「おかゆモード」でおかゆを炊く(鍋で炊いても可)。

画像3: 基本の甘酒の作り方

①が炊き上がったら、残りの水200mlを加えて混ぜる。これで発酵に適した温度に下がる。こうじを加え、さらによく混ぜる。

画像4: 基本の甘酒の作り方

内釜の上にふきんをかけ、炊飯器のふたは開けたまま、「保温モード」で発酵させる。ムラなく仕上がるよう、約3時間ごとに混ぜ返す。8~10時間おいたら出来上がり。

画像: エネルギー:1109kcal 糖質:231.2g(全量) このまま食べてもおいしい!

エネルギー:1109kcal 糖質:231.2g(全量)
このまま食べてもおいしい!

とり方
そのまま食べる。ドリンクとして飲む場合、このままでは固形に近く飲みづらいので、水や好みの飲料で2~3倍に薄めるとよい。
料理には、砂糖のかわりに調味料として使える。発酵の力で旨みが加わるうえ、肉や魚の漬け込みに使うと、たんぱく質が分解されてやわらかくなる。

画像5: 基本の甘酒の作り方

保存について
完成後は清潔なふたつきの容器やチャックつき袋に入れ、冷蔵庫で保存。2週間ほど日もちする。冷凍の場合は1ヵ月ほど保存可能。

画像: この記事は『壮快』2022年1月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『壮快』2022年1月号に掲載されています。

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