プロフィール

鈴木亜美(すずき・あみ)
1982年生まれ。1998年に歌手デビュー後、数々のヒット曲を出す。現在は2児の母となり、女優としても活躍中。スパイス香辛料ソムリエの資格を持ち、代表的なプロデュース商品に「なないろカレーパウダー」がある。今秋よりグリーンカレー、トマトカレーが新たに発売。
▼鈴木亜美のあみーゴTV(YouTube)
産後すぐにやせる必要があった
私は昔から辛いものが大好きで、トウガラシやタバスコを大量に使っていました。
あるときのことです。ふと、「スパイスって体によいのか、よくないのか、どっち?」と気になったのです。同じ頃には、スパイスカレーを自分で作るようになったこともあって、スパイスそのものに興味が湧きました。それをきっかけに、スパイスを勉強するようになりました。
そして、スパイスの多くが漢方薬の原料に使われるほど、さまざまな薬効があると知ったのです。
以来、十数種類のスパイスを常備し、体調が優れないときなどには、薬代わりに活用するようになりました。スパイスをたくさん使うと、味や香りのバリエーションが楽しめるだけでなく、健康にいい効果があることも日々、実感しています。
特にスパイスに助けられたのが、産後太りのダイエットのときでした。2020年2月に第二子を出産しましたが、妊娠中は体重が最大14kgも増えました。
当時、味の好みが変わって、それまで好きだった野菜や魚が食べられなくなって、お肉ばかり食べていたのです。500gのステーキやハンバーグを、ペロリと平らげていました。栄養が必要だから食べたくなるのでしょうが、自分でも「これは太るな」と思えるほどの食事量でした……。
その後、無事出産を経て、その数ヵ月後には仕事も入っていました。そのためにも、早く体重を戻す必要がありました。でも、産後は体力がない上、赤ちゃんのお世話で手いっぱい。20代の頃のようにジムに通う時間は取れません。
そこで、食生活の見直しだけでダイエットをすることにしたのです。まずは「高たんぱく、低糖質」を基本に、スパイスを多く活用してみました。
スパイスには、血行の促進や脂肪の燃焼を促す効果を持つものがあります。それらを組み合わせて「食べてやせる」の実現を試みたわけです。
結果的には、3ヵ月で14kgやせて元の体重に戻りました。
その間は、1日3食しっかりと食べた一方で、運動は何もしていません。でも、スパイスの効果で体の代謝が上がっていたのでしょうか。家事で少し動くだけでも、汗ばんでポカポカする体質に変わっていました。14kgと大幅なダイエットではありましたが、さほど苦もなく、減量できたと思っています。
ひどいむくみや手足の冷えが解消
産後すぐは体のむくみもひどかったのですが、スパイスを毎日とるようになって解消しました。手足の冷えもなくなり、カゼも引かなくなりました。
私が活用した「やせるスパイス」は、ショウガ(ジンジャー)、トウガラシ(チリペッパー、カイエンペッパー)、クミン、シナモンの4種類です。
材料が同じで、粉末状のものであれば、どれでも使えます。普通のスーパーに売っているもので大丈夫です。
この4種類を、全て同量で使うのが基本です。同量にすることで、香りや味のバランスがよく、いろいろな料理に合うようになります。香りが立ち、味に深みが出て、脳が満足感を覚えやすいので、塩分や油分が控えられたり、食べ過ぎを防げたりします。
手軽なのは、みそ汁に入れること。好きな具を入れてみそ汁を作り、最後に各スパイスを入れるだけです。使う際に、それぞれの量を計量する必要はありませんが、振り入れる回数だけは、同じにしましょう。
好きなスパイスを多めに入れるなどして、比率を変えても構いませんが、クミンとシナモンが多いと味が大きく変わるので、要注意です。
辛いものが好きな私は、ショウガやトウガラシの割合を増やして辛くすることもありますが、全スパイスを2~3振りの同比率にすれば、辛いのが苦手な人でも食べやすい味になります。それだけでも、十分ポカポカと体が温かくなるはずです。
より積極的にダイエット効果を高めたい場合は、高たんぱく・低糖質の食事を心がけましょう。ご飯(白米)やパン、パスタなどの炭水化物は控え、肉や魚と野菜を中心にとります。
ぜひ「あみーゴみそ汁」を、作ってみてください。
あみーゴみそ汁の作り方
用意するスパイス
・トウガラシ(チリペッパー、カイエンペッパー)
・ショウガ(ジンジャー)
・クミン
・シナモン
※粉末状のスパイスを使うこと

簡単な作り方
お好みのみそ汁1杯分(みそや具材の種類は問わない)に、用意したスパイス4種を2~3回、振りかける。全スパイスを同比率で入れると、食べやすい味に仕上がる。


この記事は『安心』2021年10月号に掲載されています。
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