代謝とは、体内である物質を他の物質に作り変えたり、不要物を処理したりといったさまざまな処理のこと。これに欠かせないのが酵素で、酵素がなければ次の反応に進めません。そして、その酵素の働きを支えるために必要なのが、ビタミンやミネラルといった微量栄養素です。【解説】内山葉子(葉子クリニック院長)【レシピ】国光美佳(子どもの心と健康を守る会代表・国際食学協会理事)

解説者のプロフィール

画像: 解説者のプロフィール

内山葉子(うちやま・ようこ)

関西医科大学卒業。医学博士。大学病院で腎臓内科・循環器・内分泌を専門に臨床・研究を行い、葉子クリニックを開院。総合内科、腎臓内科、ホメオパシーの専門医。全人的医療に基づき、西洋医学に、漢方・機能性食品などを用いた補完・代替医療も取り入れている。『パンと牛乳は今すぐやめなさい!』『おなかのカビが病気の原因だった』『健康情報のウソに惑わされないで!』(以上、マキノ出版)など著書多数。国光美佳氏との共著に『発達障害にクスリはいらない』(マキノ出版)がある。

画像: 内山葉子 (うちやま・ようこ)

国光美佳(くにみつ・みか)

子どもの心と健康を守る会代表。国際食学協会理事。『発達障害にクスリはいらない』(内山葉子医師との共著。マキノ出版刊)など著書・監修書多数。

体は食べたものから作られる

私は総合内科医で自然療法医です。元々の専門は腎臓でしたが、現在は内科はもちろん、皮膚科や整形外科、眼科、歯科の領域の症状まで、場合によっては診るようになりました。

現代医療は細分化された分業制で、専門分野の知識は深化したものの、専門分野以外に関心がない医師もいます。けれども、私たちの体というのは、各器官がつながりあって機能しています。ある場所で起こっているように見える症状の原因が、全く別の場所にあることは、決して少なくありません。

そうした原因の根本に、「食」の問題が横たわっています。

いくつもの病院で原因不明と言われて困り果てていた吐き気やめまい、倦怠感、頭痛、眠気、抑うつ感、動悸、息切れ、皮膚感覚の異常、消化不良などの症状が、食事を改善した結果、次々によくなった患者さんが多数いらっしゃいます。

「体は食べたものから作られる」と言われますが、体のさまざまな機能は、食事から取り入れた栄養素を複雑精緻な化学反応を重ねて、変化させることで成り立っています。

下は、体内で起こっている代謝経路の一つである、メチレーション回路をごく簡略化して示した図です。

画像: 参考:『毒だらけ』(内山葉子著・評言社)

参考:『毒だらけ』(内山葉子著・評言社)

代謝」とは、体内で、ある物質を他の物質に作り変えたり、不要物を処理したりといったさまざまな処理のこと。歯車のようにお互いを次々に回して物質を連続的に変化させながら、体を動かすためのエネルギーの産生、遺伝子や体の材料や神経伝達に必要なホルモンの作成・分解、解毒・排泄などが行われています。

この歯車を回すのに欠かせないのが「酵素」です。酵素は化学反応の「カギ」のようなもので、酵素がなければ次の反応に進めません。

そして、その酵素の働きを支えるために必要なのが、ビタミンやミネラルといった「微量栄養素」です。図の中にも、ビタミンB群、ビタミンC、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、銅(Cu)が示されていますが、代謝経路のごく一部だけでも、これだけ多様な微量栄養素が必要だということです。

偏食で糖質過多の食事を続け、こうした微量栄養素が不足していると、たとえカロリーは足りていても、体に必要な材料が十分に作れません。その結果が、さまざまな体の不調として現れてくるのです。

ただし、単純に微量栄養素を補えばよいわけではなく、「炎症を起こし、代謝を阻害する要素」を減らした上で、不足している栄養素を補うことが大切です。

詳しくは私の著書をご覧いただければと思いますが、炎症(特に腸の炎症)の原因となりやすい砂糖、小麦製品、乳製品、加工食品、化学物質をできる範囲で減らしながら、ビタミンやミネラル、たんぱく質、良質な油をとることを心がけましょう。

ここからは、私と共著のある国光美佳さんが、毎日の食卓に無理なくミネラルを取り入れるレシピを紹介します。この機会に、毎日の食生活を見直してみてはいかがでしょうか。

ミネラル健康レシピ「天然だし粉末」

私たちの体と心の働きに深く関わる重要な成分でありながら、不足しがちなミネラルを毎日の食生活に取り入れるアイデアを、ご紹介していきます。

ミネラルは小魚や海藻、種実類などの食材に多く含まれますが、中でも、日本人が昔から親しんできた「だし」はミネラルの宝庫。

ただ「毎回だしを取るのが面倒……」と、市販の顆粒だし(だし風調味料)に頼ってしまう人にぜひ試してほしいのが、今回ご紹介する手作りの「天然だし粉末」です。

お湯に振り入れるだけで極上のだしになりますし、天然だし粉末、オリーブ油、みそを1:1:3の割合で混ぜておけば、スプーン1杯ほど器に入れてお湯を注ぐだけで即席みそ汁がすぐできます。

ちなみにだしの定番であるカツオ節は、製造過程で1~2時間と長時間水煮(煮熟)するため、水煮時間の短いイワシ煮干しや、水煮しないアゴの焼干しと比較すると、ミネラルは少ないのです。

市販の顆粒だしは、化学調味料やうま味調味料が主な材料なものが多く、ミネラル補給にはほとんど役に立ちません。

天然だし粉末は、「だし」として使う以外にも、かけて混ぜて、いろいろな料理に活用できます。酸化に気をつけて冷蔵庫に保存し、どんどん使ってくださいね。

基本の天然だし粉末

材料▶
イワシ煮干し…60g
焼きアゴ(トビウオ)…35g
だしコンブ…5g

作り方▶それぞれミルで粉末にして混ぜる。
使い方▶400mlの湯に対し大さじ1のだし粉末を加える。
保存▶密閉容器に入れて冷蔵庫で保存し、早めに使いきる。

アレンジレシピ

画像: アレンジレシピ

ミネラルふりかけ
・天然だし粉末…大さじ5
・すりゴマ…大さじ5
・アオサ粉…大さじ5
・しょうゆ…大さじ2
・酢…大さじ1
・塩…小さじ1/3
フライパンに材料を入れて中火にかけ、焦げ付かないようにかき混ぜながら水気が飛ぶまで炒る。
おにぎりの具にしてもおいしい!

ミネラルペースト
・天然だし粉末…大さじ2
・塩…少々
・酢…大さじ3
・オリーブ油(エキストラバージン)…大さじ3
・(お好みで)粒マスタード、黒コショウ…適宜
材料をすべて混ぜる。
トマトジュースに少量混ぜるだけで即席ガスパチョ!肉のソテーのソースやサラダのドレッシングにも!

ミネラル黒みつ
・天然だし粉末…小さじ1/3
・練りゴマ…小さじ1
・黒砂糖…大さじ3
・水…50ml
・オリーブ油(エキストラバージン)…小さじ1
小鍋に黒砂糖と水を入れて火にかけ、かき混ぜながらとろみがつくまで煮詰める。
残りの材料を全て加えてよく混ぜる。
意外なほど黒みつとだしは好相性!寒天や白玉にかけて

■調理・スタイリング/古澤靖子

画像: この記事は『安心』2021年10月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『安心』2021年10月号に掲載されています。

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