筋肉が弱ってくると、軟骨と軟骨がぶつかりやすくなり、すり減りが激しくなります。すると、歩きにくくなって、ますます筋力が低下します。この悪循環を止めるためにも、ひざを筋肉でしっかり支えられるようにしなければなりません。そのために勧められる運動が、ひざ裏クッションです。【解説】石原周(たんぽぽ鍼灸院院長・鍼灸師)

解説者のプロフィール

画像: 解説者のプロフィール

石原周(いしはら・あまね)

たんぽぽ鍼灸院院長、鍼灸師。あんまマッサージ指圧師。側弯症の治療を専門とし、老若男女を問わず多くの患者の施術に当たる。ゆがみ方や、ゆがみ具合が人によって全く異なる側弯症に対し、それぞれに適した治療を施すとともに、自宅で行うセルフケアを指導。多くの人を改善に導く。著書に『側弯症は自分で治せる!』(マキノ出版)がある。
▼たんぽぽ鍼灸院(公式サイト)

ひざ痛の人の多くは筋力がかなり落ちている

高齢者がよく悩まされるひざの疾患が、「変性性ひざ関節症」です。これは軟骨がすり減ってしまうことによって、痛みが生じる病気です。

そうした痛みに悩む人に、私がお勧めしている方法が、今回ご紹介する「ひざ裏クッション」です。これは、その名称通り、ひざの裏にクッションをあてて行う運動です。

なぜ、このひざ裏クッションがひざ痛にいいのでしょうか。

変形性ひざ関節症を進行させる要因として、まず挙げられるのが加齢です。この病気はO脚ぎみの人がなりやすい傾向にありますが、加齢によって筋肉が弱ってくると、軟骨と軟骨がぶつかりやすくなるため、すり減りが激しくなります。

すると、O脚の度合いが悪化し、歩きにくくなって、ますます筋力が低下します。筋力低下が進めば、軟骨はさらにすり減って、症状がどんどん悪化していくという悪循環に陥ることになります。

現に、この病気で悩む人の多くは、かなり筋力が落ちてしまっています。

この悪循環を止めるためにも、ひざを筋肉でしっかり支えられるようにしなければなりません。

そのために勧められるのが、ひざ裏クッションです。この運動によって、ひざを支えるのに欠かせない、大腿四頭筋などの太もも前面の筋肉や、ハムストリングスといった太もも後面の筋肉を鍛えることができます。

画像: ひざ痛の人の多くは筋力がかなり落ちている

内側にねじれたひざを正面に向けて行う

詳しいやり方は、下項を参照してください。その前に、この運動を行うにあたっては、いくつか注意点があります。

クッションの高さ

ひざ裏にクッションを入れて、ある程度の高さまで、ひざを高くする必要があります。

この病気に悩む人のひざは、多くの場合、内側にねじれています。ひざの位置を高くすると、内側にねじれていたひざが、しだいに正面を向いてきます。ひざが真正面を向く高さにして、運動を行いましょう。

押す力

力いっぱい行わないでください。全力の半分くらいの力で、ゆっくりと押し下げましょう。

また、あまりやわらかいクッションはよくありません。ある程度のかたさと弾力があれば、座布団やタオルを丸めた物でもかまいません。

かかとの位置

クッションを押し下げていくとき、かかとは床に接したままにします。かかとを浮かせてしまうと、足を痛める恐れがありますので、注意が必要です。

両ひざとも行う

例えば、痛いのが左ひざだけだったとしても、左右のひざを同じ回数行いましょう。

左ひざを支える筋肉が弱って歩かなくなっている場合、右ひざを支える筋肉も弱っています。予防的な意味合いで、両方行うことをお勧めしています。

私の治療院は、側弯症(背骨が曲がり、背中に隆起が出る病気)専門を掲げていますが、ひざ痛が側弯症を発症するきっかけとなることもあれば、側弯症の影響で、ひざに負担がかかり、痛みが出ることもあります。

側弯症の人にとっても、もちろん、そうでない人にとっても、この運動は有効ですので、ぜひ試してほしいと思います。

ひざ裏クッションのやり方

画像1: ひざ裏クッションのやり方

ある程度の高さ・かたさがあるクッションや座布団などに右ひざを乗せる。

画像2: ひざ裏クッションのやり方

かかとを床に滑らせるようにして、ひざ裏でクッションを押し潰すように力を入れ、5秒間キープ。左足も同様に行う。
5~10回程度行う。
かかと・お尻が浮かないように注意する。
足首を立て、つま先が上を向くように力を入れる。

画像: この記事は『壮快』2021年10月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『壮快』2021年10月号に掲載されています。

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