解説者のプロフィール

柿原瑞穂(かきはら・みずほ)
かきはらみずほクリニック院長。1995年、国立滋賀医科大学卒業(医師免許取得)。京都府立医科大学第三内科(現・消化器内科学教室)入局。大津市民病院、京都府立医科大学附属病院、京都市立病院での勤務を経て、2004年に裕生会みどりヶ丘病院。17年、かきはらみずほクリニックを開院。専門は内科と消化器内科。大腸内視鏡健診の普及、禁煙外来にも力を注いでいる。日本内科学会認定医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医。
▼かきはらみずほクリニック(公式サイト)
▼専門分野と研究論文(CiNii)
チョコレートを買うときはパッケージにも注意
内科と消化器内科を専門とする私のクリニックでは、午前の診療に続き、午後は内視鏡検査、夜は夕方から19時まで診療しています。
半日だけ休診の日もありますが、朝から診察があれば、6時半に起床。子どもたちのお弁当を作り8時に出勤します。19時まで診察したら、カルテの処理や事務仕事を片づけて、帰宅は21時ごろになります。
そんな私の朝食は、お弁当を作りながら、余った卵焼きやご飯を口に放り込む程度です。昼食はお弁当を持参したり、コンビニで買ってクリニックで食べたり。とにかく忙しいので慌ただしく済ませます。
唯一、ゆっくり食事ができるのが夕食です。我が家は、ありがたいことに、夫が料理好き。おかげで、帰宅したらすぐに、夕食をとることができます。
週の平日のうち、夜の診療がない2日は私が夕食の担当。和食も洋食もなんでもありです。ご飯などの炭水化物も普通に食べますが、野菜を先に、多めにとるよう心がけています。食事に合わせてお酒を飲むことも。量は1合程度でしょうか。
基本的に食べることが好きなので、「おやつ」も、食生活を語るうえで欠かせません。
私のおやつタイムは、主に夜の診療のあと、コーヒー片手に事務仕事に向かうときです。疲れを感じると、甘い物が食べたくなるもの。そんなときは無理に我慢せず、何をどう食べるかに気をつけて、楽しむようにしています。
お気に入りは、こんにゃくゼリーです。かさがあって、おなかにたまるうえ、のどに詰まらせないよう噛む必要があるので満腹感が得られます。一方、低カロリーで罪悪感がないのも、うれしい点ですね。
こんにゃくゼリーは食物繊維のグルコマンナンが豊富で、整腸作用があるので、消化器専門医としてもお勧めできます。間食のとり過ぎに悩む患者さんに勧めることもあります。夏場は凍らせて、アイスがわりに食べてもおいしいものです。
チョコレートも好きでよく買いますが、気をつけているのは、大袋で購入しないこと。際限なく食べてしまわないよう、食べ切りサイズや、小さいパッケージにひと口サイズで入っている物を選びます。
検査件数が多い日は、コンビニにお昼を買いに出る時間すら取れないこともあります。そんなときに便利な非常食が、おやつとは少し違うかもしれませんが、シリアルです。
麦やナッツ、ドライフルーツなどが入っているグラノーラタイプの物を、戸棚に常備しています。食物繊維がたっぷりのグラノーラに、ヨーグルトをかけて食べるのが好みです。
乳酸菌の働きも加わり、腸にいいこと間違いなし。昼食をとっても、夜の診療までの間におなかがすいたと感じたら、これを食べることもあります。
柿原先生のおやつは
こんにゃくゼリー

こんにゃくゼリー
腸を整えるグルコマンナンが豊富!

チョコ菓子
少量の食べ切りサイズ!

シリアル
食物繊維の多いグラノーラを常備
女性が食事で減量すると便秘になりがち
私は昔から、しっかり食べるほうなので、体重がちょっと増えたら戻すことをくり返してきました。食べ物や食べ方以外で体重のコントロールに重要なのは、やはり運動です。
特に女性は、食事で減量しようとすると、便秘になりがち。また、筋肉やコラーゲン、血液のもととなるたんぱく質を減らすのは、ご法度です。骨粗鬆症のリスクが高まり、髪のツヤも悪くなります。食事はきちんと取ったうえで、運動で体重を調整するのがベストなのです。
筋肉の維持は、胃腸の機能を保つためにも重要です。例えば、腹筋が弱いと胃腸が垂れ下がり、便秘や頻尿を招きます。また、胴体を支える体幹の筋肉が衰えると、姿勢が前かがみになります。すると、食べた物が逆流しやすくなり、これが逆流性食道炎の一因にもなるのです。
たんぱく質のとり方として、今気に入っているのは、鶏ハムです。鶏の胸肉に塩コショウをして料理酒を振り、電子レンジで温めるだけ。市販のハムは添加物が多く塩分も高いので、こうして作った蒸し鶏を、ハムのかわりにして、お弁当のサンドイッチなどに活用しています。
運動でいえば、最近ハマっているのは、ホットヨガ。汗を流すのは気持ちのいいものです。なんとか時間を作って、週に3回は、ヨガスタジオに通うようにしています。
昨今は新型コロナの影響で難しいのですが、これまでは毎夏家族でダイビングに行くのが楽しみでした。1年前と同じウエットスーツが着られるかどうかも、体形チェックのポイントです(笑)。
今は誰しも、我慢の日々が続いていますが、いずれまた遠出を楽しめるよう、皆で乗り越えていきたいものです。

この記事は『壮快』2021年10月号に掲載されています。
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