ナッツは抗酸化力が高い食品です。体内で老化や病気を引き起こす活性酸素を消去し、若々しく健康な体づくりに役立ちます。たまには甘い物が食べたくなったときに重宝するのが、とっておきの低糖質チョコレート。週に1回程度、数片だけ口にします。【解説】牛嶋千久(聚楽うしじまクリニック院長)

解説者のプロフィール

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牛嶋千久(うしじま・ちひさ)

聚楽うしじまクリニック院長。1989年、京都府立医科大学卒業後、同大学耳鼻咽喉科に入局。京都市立病院、京都第一赤十字病院勤務を経て、社会保険京都病院(現JCHO京都鞍馬口医療センター)で耳鼻咽喉科部長、京都第二赤十字病院で耳鼻咽喉科・気管食道科副部長を務める。2014年、聚楽うしじまクリニックを開院。甲状腺疾患やアレルギー疾患の治療にも注力している。日本耳鼻咽喉科学会認定専門医、補聴器相談医、日本抗加齢医学会専門医。
▼聚楽うしじまクリニック(公式サイト)
▼専門分野と研究論文(CiNii)

食生活のコントロールにはご褒美も大事

私はもともと、アンチエイジングと食の分野に関心がありました。専門は耳鼻科ですが、日本抗加齢医学会に所属する専門医としても、体を若々しく保ち健康を維持する食事について、日々、学びを深めています。

医大を卒業し、京都市内の主だった病院で研鑽を積んだ後、生まれ育った中京区に戻ってクリニックを開いたのは、2014年のことです。

生活様式が一変したためか、そのころから、食に対する意識が変わりました。なかでも重視するようになったのは、以下の2点です。

糖質を減らす
抗酸化力の高い食品を積極的にとる

思えば、私も若いころはケーキやミルクチョコレートが大好きでした。けれども年を重ねるにつれて、甘い物を食べる機会が自然と減りました。

今では、基本的に、おやつはとりません。どうしても小腹がすいたときには、買いおきしてある、無塩のミックスナッツを口にします。

ナッツは抗酸化力が高い食品です。体内で老化や病気を引き起こす活性酸素を消去し、若々しく健康な体づくりに役立ちます。よく噛んで食べる必要があるので、ほんの数粒でも満足感が得られ、空腹を紛らわせるのに、たいへん便利です。

とはいえ、たまには甘い物が食べたくなることも。そんなときに重宝するのが、とっておきの低糖質チョコレート。週に1回程度、数片だけ口にします。

抗酸化作用のあるポリフェノール(植物の色素や苦み成分)の含有量が多いダークチョコで、甘みは天然甘味料によるものです。砂糖は不使用なので普通の品よりも健康的です。インターネットで見つけてから、通信販売で取り寄せています。

こうしたご褒美を設けておくのも、食生活をコントロールするコツかもしれません。

牛嶋先生のおやつは
ミックスナッツ

画像1: 【難聴を予防する食事】カギは抗酸化力  ポリフェノール豊富な野菜類や古代米、ナッツがおすすめ

ミックスナッツ
抗酸化力の高さに期待!

画像2: 【難聴を予防する食事】カギは抗酸化力  ポリフェノール豊富な野菜類や古代米、ナッツがおすすめ

低糖質チョコ
週1回のご褒美にちょこっとだけ…

抗酸化作用の高い食品で老化を食い止める

先述の①ですが、糖質を全くとらないとエネルギー不足に陥るので、低糖質を心がけています。

減らすのに慣れると、体が糖質を欲しなくなるようです。糖質制限を始めたら、自然と体重が減り、1年ほどで7kgも減りました。少しもつらい思いをせずにやせることができ、明らかに体が軽く、動きやすくなったのでうれしく思っています。

②の、抗酸化力の高い食品の摂取は、耳鼻科医としても重視しています。難聴は、認知症を招く一大要因です。豊かな老後のためには、いかに難聴を防ぐかがとりわけ重要といえます。

音は、耳から振動として内耳(耳の奥の器官)に入ります。センサーの役割を持つ有毛細胞がこれを電気信号に変換して、脳に伝達。そこで初めて音として認識されます。この有毛細胞が加齢や騒音によって減少することが難聴の原因です。

早い人は40~50代から有毛細胞が減少し、難聴を発症しますが、老化を食い止めれば、進行を防ぐことが可能。そのために役立つのが、抗酸化力の高い食品の摂取です。

ポリフェノールは植物由来なので、野菜類はもちろん、ベリー系の果実や、先述したチョコレート、赤ワインなどに豊富です。サプリメントなら、ビタミンCやアスタキサンチンがお勧め。私自身、意識して摂取しており、患者さんにも、そのようにアドバイスしています。

私の食生活を、少しご紹介しましょう。まず、朝食は和食。白米に、ポリフェノール豊富な古代米や玄米、もち麦、雑穀などをブレンドしたご飯です。ビタミンやミネラル、食物繊維などが補えるうえ、白米だけよりも、糖質を減らせます。納豆も欠かしません。

朝食後に必ずいただくのが、シナモン入りの紅茶です。シナモンは抗酸化作用があり、毛細血管を強化します。日中は忙しいので、昼食は目玉焼きと全粒粉のパンなどで、簡単に済ませることが多いでしょうか。

診療後は、医師から主婦にスイッチを切り替えます。このとき、ほんの少し日本酒をいただきながら、夕食の支度に取りかかるのが、私流。ひと息つける貴重なリラックスタイムです。

ワインも飲みますが、私は特に日本酒が大好き。日本酒には発酵の過程で産生されたアミノ酸が、豊富に含まれています。血流促進やストレス解消にも効果があるので、適正量を守れば健康的といえるでしょう。

夕食は野菜が中心。家族が肉より魚を好むので、週の半分以上は魚料理です。ご飯は朝と同じで、みそ汁も必ず添えます。

口から入る物が、その人の体をつくります。少しでもいい物を取り入れて、日々をより健康に過ごしたいものですね。

画像: この記事は『壮快』2021年10月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『壮快』2021年10月号に掲載されています。

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