ナッツや小魚、チーズ、ビーフジャーキー、スルメなど、いわゆる「酒のつまみ」は、体をつくるたんぱく質が豊富。ビタミン・ミネラルなどの栄養素も多く含みます。血糖値を上げないので、眠くなることもありません。塩分だけとり過ぎないよう気をつければ、理想的なおやつなのです。【解説】南雲吉則(ナグモクリニック総院長・医学博士)

解説者のプロフィール

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南雲吉則(なぐも・よしのり)

医療法人社団ナグモ会理事長、ナグモクリニック総院長。医学博士。乳腺専門医。1955年生まれ。東京慈恵会医科大学卒業後、東京女子医科大学で形成外科を、癌研究会附属病院外科でがん治療を学び、東京慈恵会医科大学第一外科乳腺外来医長を経て開業。全国で乳癌手術、乳房再建術を行う傍ら、「1日1食」「ゴボウ茶」などの独自の若返りダイエット健康法を展開。近年は、がんから命を救う食事と生活の指導・講演にも力を注ぐ。

朝の4時に起床し食事は夜の1食のみ

医師にもいろいろいますが、あなたはどんな医師の診療を受けたいですか?

医師は体を診るプロですから、自らが健康を体現していなければなりません。例えば、肥満は万病を招くという点で、健康の対極にあります。でっぷり太った医師がダイエット指導をしても、説得力がありませんね。

実をいうと私は30代のころ、メタボ街道まっしぐらの生活をしていました。身長は173cmですが、体重は80kg近くあり、肥満のために不整脈がひどく、腰痛ベルトが手放せませんでした。

しかし、38歳のとき、自分に嫌気がさして一念発起。あらゆるダイエット法や健康法を試しました。そして65歳を過ぎた今、会う人から驚かれるほどの若さと健康を維持しています。

私の食生活の基本は、もう10年以上も前から「1日1食」。きちんとした食事をとるのは、夜の1食のみです。

とはいえ、仙人のように朝から晩まで、なにも口にしないわけではありません。今回は、1日の生活スタイルとともに、私の食習慣をご紹介しましょう。

起床時間は、午前4時。早く起きるのは、単純に、貴重な時間がもったいないからです。

朝は胃腸を休める時間と考えているので、固形物はほとんどとりません。抗酸化力が高く、老化を防ぐポリフェノール(植物の色素や苦み成分)が豊富なゴボウ茶などを、カップに何杯も飲みながら、メールをチェック。原稿の執筆、講演の準備などのデスクワークをします。

9時から診療に入ったら、水分は適宜補給しますが、昼の時間帯も食事はしません。おにぎりを1個でも食べようものなら血糖値がグンと上がり、眠気を催し、午後の外来や手術に支障を来すからです。

私たち医師は、患者さんの命を預かっているので、万が一にも事故があってはなりません。長時間の覚醒が求められる、長距離ドライバーと同じです。

たんぱく質やビタミンミネラルが多く理想的

ただ、どうしても小腹がすくことはあります。そんなとき、おやつとして口にするのは、ずばり「コンビニのおつまみコーナーにある物」。ただし、あられやせんべい、スナック菓子などは除きます。炭水化物は眠くなるうえ、体内で糖質が脂肪に変わり、肥満を招くからです。

ナッツや小魚、チーズ、ビーフジャーキー、スルメなど、いわゆる「酒のつまみ」は、体をつくるたんぱく質が豊富。ビタミン・ミネラルなどの栄養素も多く含みます。血糖値を上げないので、眠くなることもありません。塩分だけとり過ぎないよう気をつければ、酒のつまみは理想的なおやつなのです。

食べる量は、ナッツなら片手にのるくらい、6Pチーズなら1~2個程度がいいでしょう。

診療のあとは18時から夕食です。主菜として肉か魚を、体重(kg)×5(g)食べます。私は約60kgなので、300gといった計算です。肉は和牛の赤身、魚なら、青魚がいいですね。

そして野菜は肉や魚の、倍量をとります。栄養素を壊さないよう、卓上グリルパンなどで蒸し焼きにするのがお勧めです。かさが減って、たくさん食べられます。

ご飯は雑穀玄米が定番。「白いご飯がおいしくてやめられない」人は、糖質中毒だと認識を改めましょう。

肉や野菜のおかずを先に食べ切って、まだおなかがすいていたら、試しに、白いご飯だけ食べてください。そのままではおいしくないと、気がつくはずです。朝昼晩と食べるなら、まずは主食を抜く「おかず食い」の実践が、糖質を減らして肥満を解消する近道といえます。

夕食後は、猛烈な眠気が襲ってきますから、そのタイミングを逃さず、すぐに寝ます。そうすることで熟睡でき、翌朝スッキリと起きられるのです。

私のおやつや食事法は、ご参考になりましたか? せっかく食べるなら、プラスになる選び方・食べ方をして、健康につなげていきましょう。

南雲先生のおやつは
コンビニのおつまみ!

画像1: 【医師の健康法】眠気と肥満防止に食事は夜だけ  おやつは血糖値を上げない「コンビニおつまみ」がおすすめ

ミックスナッツ
ポリフェノールたっぷり!

画像2: 【医師の健康法】眠気と肥満防止に食事は夜だけ  おやつは血糖値を上げない「コンビニおつまみ」がおすすめ

ビーフジャーキー
よく噛むことで脳を活性化!

画像3: 【医師の健康法】眠気と肥満防止に食事は夜だけ  おやつは血糖値を上げない「コンビニおつまみ」がおすすめ

6Pチーズ
カルシウム補給で骨も強化!

画像4: 【医師の健康法】眠気と肥満防止に食事は夜だけ  おやつは血糖値を上げない「コンビニおつまみ」がおすすめ

小魚
ビタミンDの豊庫でがん予防

画像: この記事は『壮快』2021年10月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『壮快』2021年10月号に掲載されています。

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