4490kmの猫旅です。

湖から川をボートで遡上する
インレー湖は、昔ながらの暮らしぶりや自然豊かな景色が魅力で、世界中から観光客が訪れる場所です。そのインレー湖からさらに奥地の「インディン遺跡」に、猫の目撃情報を頼りに訪れてみました。

オールを足で漕ぐ独特のインター族の漁。

神秘的な仏塔の遺跡。

水上に建てられた家々。
湖での移動はやはり船、小さなボートで向かいます。インレー湖南西部の水路を進み、横幅10メートル程の川を上ると、遺跡のあるインディン村に到着です。水量が少ない時期だったため1時間近くかかりましたが、その間、美しい景色にずっと魅了されていました。

湖畔や川沿いの農村地帯。

途中休憩で立ち寄った場所に、いましたいました。

川沿いのデッキにも。

楽しそうに遊んでいました。

ここにもいました。

ゆっくりとした足取りで外出。

湖から水路の入口が見える。

村に着く前の川沿いにも遺跡がある。

小船の発着場と売店がある村の入口。
犬は外、猫は内
村の入り口から仏塔郡までの参道の柱は、403本もあるそうです。つまり少し歩かなければいけませんが、立ち並ぶお土産屋や、その脇からも見える仏塔、ついでに犬たちにも遭遇して、飽きることなく進みます。

洋風建築のような円柱がずっと奥まで続く。

お客よりも売り子の方が多い一角。

お土産の番をする犬。
参道も終わり靴を脱いで寺院に入ると、気持ちよく寝ている猫がいました。そんな猫を参拝客の方が避けながら通ります。中に入れない犬は暑い思いをし、猫は講堂内で涼しげです。ちょっと〝神〟扱い。わざわざ日本から目指して来た私にとっては、確かにお参りの対象みたいなものですが……。

堂々と中央でお昼寝中。

近づいても退くことはありません。

室内には入れないワンコの前で余裕です。

地元民が参拝する神聖な場所です。
エキゾチックな猫たち
神がかりな面をもう1点。この寺院の猫は、日本にいる猫と見た目がちょっと違います。顔立ちも毛並みもアビシニアンによく似ています。

額の模様がアビシニアン風だ。

好奇心旺盛な猫は興味津々でこちらに向かってきました。

目の前で座りますが

興味を失ったようです。

こちらは若そうなキジ猫。

全身黒々とした縞模様の寺院猫です。
猫参りを終えて外へ出ると、寺院を取り囲むようにインディン遺跡の仏塔が並んでいました。

寺院近くの見事な仏塔は修復が進んでいる。
村人の優しさに触れて
湖から続いている川を遡上中、浅瀬で立ち往生していたら、村人たちがボートを押してくれました。そしてボートが動くと、何事も無かったように去って行く。人助けが当たり前だった頃の、昔の日本を思い出してしまいました。あの親切な村人たちは今頃どうしているんだろう。昨今のミャンマーの動向が気がかりです。

懐かしさを感じる風景。

川に飛び込むこどもたち。
作者プロフィール

南幅俊輔(みなみはば・しゅんすけ)
盛岡市生まれ。グラフィックデザイナー&写真家。デザイン事務所コイル代表。現在、デザイン以外にも撮影、編集、執筆を手がける。2009年より外で暮らす猫「ソトネコ」をテーマに本格的に撮影活動を開始。日本のソトネコや看板猫のほか、海外の猫の取材・撮影を行っている。著書に「ソトネコJAPAN」「猫と世界遺産の街カレンダー」(洋泉社)、「ワル猫カレンダー」「ワル猫だもの」「サーバルパーク」(すべてマガジン・マガジン)、「どやにゃん」(辰巳出版)など。企画・デザインでは「ねこ検定」「ハシビロコウのすべて」「ゴリラのすべて」(すべて廣済堂出版)など。

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