生命の貯蓄体操の呼吸と発声
「生命の貯蓄体操」の体操の中には、1回目に「イチ!」、2回目には「ニ!」といったように数を発声しながら行うものがあります。
数え方には決まりがあって、「ジュウ!」まで数えたら、「イチ!」に戻って数え直します。これは、正しい呼吸法のリズムを乱さないために重要です。
ポイントは、腹筋を使っておなかの底から声を出すこと。空手の「エイ!」、剣道の「面!」といった気合の声のようなイメージです。大きな声を出せない環境の人は、下腹をへこませて息を吐くことだけを意識してください。

症状別 生命の貯蓄体操
ホルモンバランス
丹田呼吸法は、生命の貯蓄体操に欠かせない基礎の呼吸法になります。
これを行うと、自律神経(内臓や血管の働きを調整する神経)が安定し、ホルモンバランスが整います。更年期障害、生理不順、抜け毛、肌荒れなどといったホルモンの乱れによる不調が気になる方は、丹田呼吸法を毎日行うようにしましょう。
丹田呼吸法
❶床に座り、丹田(へそから5cmほど下)を意識する。最初のうちは下腹に手を軽く当てると意識しやすい。腹筋を使って下腹をグーッとへこませる。背中を丸めないように注意する。正しく行えていると、口から自然と息が出る。息を吐くのではなく、丹田から息を送り出すイメージ。

❷腹筋の力をゆるめて、へこませた下腹を普通の状態に戻す。息を吸うのではなく、鼻から丹田まで息が自然と流れ込んでたまるイメージ。これを5〜10分間、自分のペースでくり返す。

※あおむけや立ったまま行っても構わない。いすに座って行うのもOK
症状別 生命の貯蓄体操
ネコ背
ネコ背は背骨だけの問題ではありません。骨盤のゆがみも関係しています。骨盤の前側の筋肉の縮みを、アシカポーズでしっかり伸ばしましょう。
足伸ばしでは、仙骨の位置を正し、お尻の周辺の筋肉をゆるめます。この2つの体操で骨盤を整えれば、結果としてネコ背の改善につながります。
アシカポーズ[要の操法第5動]
❶うつぶせになる。両手を肩幅に開き、ひじを伸ばして上体を持ち上げる。指先は正面。両足の第1指を合わせ、かかとを外に開く(Vの字型)。上体と首の力を抜き、天井を見るようにして顔を上げる。
![画像1: アシカポーズ [要の操法第5動]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783536/rc/2021/09/14/d1fc72095fdb1fdabdffd4ed958f2a0060158d80.jpg)
❷口を大きく開けて、息を吐きながら、頭を後方に倒す。のど、胸、おなかが気持ちよく伸びるのを感じたら①に戻る。①と②を20回くり返す。
※発声しない体操
![画像2: アシカポーズ [要の操法第5動]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783536/rc/2021/09/14/2789e72f32eebc99bab11ac3f1dd8f43a87743c2.jpg)
足伸ばし[五導術第13動]
❶長座の姿勢となり、両足の第1指の付け根をくっつける。ひざはできるだけ曲げないで、自然に伸ばす。腕を伸ばし、両手の親指をからめてひざ頭の上に置く。
![画像1: 足伸ばし [五導術第13動]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783536/rc/2021/09/14/724abeb64034c64af76e7a52fbaeb494dc6ed987.jpg)
❷「イチ!」と発声しながら、両手と上体を勢いよく前に倒す。両手は、まっすぐ前に出す。その際、口から息を大きく吐いて、リラックスする。倒すときに、ひざを曲げないことが大切。鼻から息を吸いながら①に戻って、①と②を20回くり返す。
![画像2: 足伸ばし [五導術第13動]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783536/rc/2021/09/14/39c577f0c9d88a85b3892a569731ea6b33e38103.jpg)
※体が硬い人は、無理をせず痛くないところまで上体を倒すだけで構わない。ひざはできるだけ曲げないようにする。
![画像3: 足伸ばし [五導術第13動]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783536/rc/2021/09/14/f4b2ac50f5ed1a2f0becb62c4aee0834df822527.jpg)
症状別 生命の貯蓄体操
ポッコリおなか
ゆっくりひざハンマーは、おなかの筋肉を伸ばしてしなやかにしてくれます。肩上げ下げは、腹筋群や横隔膜など、おなか全体が動く体操なので、体幹が鍛えられて腹圧(横隔膜の下部にある腹部の空洞の圧力)が強くなります。
腹圧が弱いと、腰椎をバランスよく支えられないので、おなかが前にせり出してしまいます。すると内臓も下がるため、下腹がポッコリと出るのです。逆に腹圧がしっかり安定すれば、ポッコリおなかの改善も見込めます。
ゆっくりひざハンマー[要の操法第4動]
❶あおむけになって、ひざを立て、足の指先を握り込むように曲げて床に着ける。(位置はお尻の横がベストだが、無理のない範囲でOK)。両ひざもできるだけ床と垂直にする(正座から手をつきながら、ゆっくりとあおむけになると、この姿勢を取りやすい)。手の指を交差させて組んで、頭上に上げて、ひじがまっすぐになるように伸ばす。
![画像1: ゆっくりひざハンマー [要の操法第4動]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783536/rc/2021/09/14/3e305b7d1b624d209e2ca0b23e849e6991ff4412.jpg)
❷口から勢いよく息を吐きながら、両ひざをバタンと床に落とす。コツは、床に打ち付けるのではなく、両ひざの重みを用いて、自然と落とすようにすること。おなか、太ももの前側、腰がジワーっと伸びるのを感じる。
![画像2: ゆっくりひざハンマー [要の操法第4動]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783536/rc/2021/09/14/6b4a9fcb24ab414c1a86d552d0536e31d7db3b99.jpg)
❸伸びたら、鼻から息を吸いながら、①の姿勢に戻る。これを20回くり返す。
※発声しない体操
![画像3: ゆっくりひざハンマー [要の操法第4動]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783536/rc/2021/09/14/ed3667f27f059bef8797adba6142f5a47dc6fc4f.jpg)
肩上げ下げ[五導術第4動]
❶正座をして、両手を体の後ろで組む。腕、肩、おなかに余計な力を入れないようにして、ひじをらくに伸ばす。
![画像1: 肩上げ下げ [五導術第4動]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783536/rc/2021/09/14/3ab631368dad0e93ece37fa773a6699e6d8426eb.jpg)
❷鼻から息を勢いよく吸い込みながら、両肩をすくめ上げる。
![画像2: 肩上げ下げ [五導術第4動]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783536/rc/2021/09/14/ff32d5b30346973071e0d301459e1400aa807823.jpg)
❸大きく口を開けて、息を吐きだ出しながら、力を抜いて両肩を勢いよくストンと落とす。その際、息はおなかの底から吐き出すようなイメージを持つ。②の姿勢に戻って、②と③を20回くり返し、最後に「エイ!」と発声。
![画像3: 肩上げ下げ [五導術第4動]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783536/rc/2021/09/14/280d53eb42ff24a1b286541e1acde4870f4b12fe.jpg)
症状別 生命の貯蓄体操
下半身太り
ベタ開脚とスーパーマン体操は、ともに股関節周辺の筋肉を伸ばす体操です。
足の付け根には大きなリンパ節(体内の老廃物や疲労物質を回収し運ぶリンパ管が合流するところ)があります。この周辺の筋肉が緊張したり縮んだりすると、リンパ節が圧迫されてリンパの流れが悪くなり、足のむくみにつながります。
この2つの体操は、リンパの流れが悪いことによる下半身太りの解消に役立ちます。
ベタ開脚[要の操法第3動]
❶無理のない範囲で開脚して座る。両手を肩幅に開き、床に軽く触れる。
![画像1: ベタ開脚 [要の操法第3動]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783536/rc/2021/09/14/9190977e75d3cfcf8c24a6ca9c16135c3f3d3b39.jpg)
❷上体の重みを利用して、体を前に倒していく。その間、口からゆっくりと息を吐き出す。
![画像2: ベタ開脚 [要の操法第3動]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783536/rc/2021/09/14/0e5f0a9bb99230cd43b8b8270d97cb85eb103002.jpg)
❸倒れるところまで倒したら、鼻から息を吸いながら①の姿勢に戻る。①~③を20回くり返す。
※発声しない体操。動きの最中は、ゆっくりと丹田呼吸を行う
※無理な動きは痛みやケガにつながるので、できる範囲で行うこと
![画像3: ベタ開脚 [要の操法第3動]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783536/rc/2021/09/14/28496ea0b6b9685bf5f1f8c7780fc6994b590b86.jpg)
スーパーマン体操[五導術第22動]
❶右足を歩幅1歩分より10cmほど前に出す。かかと同士が一直線になるようにして、右足のつま先は正面を向け、左足のつま先は30度に開く。両手を腰に当ててひじを張り、腰と上体は左半身に構え、顔は正面に向ける。
![画像1: スーパーマン体操 [五導術第22動]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783536/rc/2021/09/14/3ca13a5f23b1301ad3b3a7b8b1102c98843775e3.jpg)
❷「イチ!」と発声しながら、ねじれている腰を勢いよく正面に向ける。肩ではなく、腰を回すのがコツ。
![画像2: スーパーマン体操 [五導術第22動]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783536/rc/2021/09/14/fc685135d494ffda08aed89f52d723d4d0327b74.jpg)
❸息を吸って、「ニ!」と発声しながら、首の力を抜いて頭の重みで反る。無理に大きく反る必要はないので、できる範囲でOK。
![画像3: スーパーマン体操 [五導術第22動]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783536/rc/2021/09/14/e314d9e9cc8426a25519d3cebbd5c16617667129.jpg)
❹息を吸いながら上体を戻し、「サン!」と発声しながら①の姿勢に一気に戻す。①~④を6回くり返す。終わったら、足を替えて同様に6回行う。
![画像4: スーパーマン体操 [五導術第22動]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783536/rc/2021/09/14/4d876283512970f61466116bb315d57d6fb1ccc1.jpg)
横から見た動き
![画像5: スーパーマン体操 [五導術第22動]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783536/rc/2021/09/14/112497d6d916ad4d70f11eb5aed474cada25c10d.jpg)