慈悲深いお坊さんに可愛がられる猫たち
ルアンパバーンまで4057kmの猫旅です。

まず、向かったのはお寺。海外、特にアジアの国で、慈悲深いお坊さんたちに可愛がられている猫の姿を何度も目撃しているので、期待が高まります。
この町には、60を超える寺院が点在していて、早朝に行われる、オレンジの袈裟を身に纏った僧侶たちの托鉢も見どころのひとつなんです。
ホテルから徒歩圏内にある寺院「Wat Manorom(ワット・マノーロム)」の敷地に入ると、さっそく子猫が迎えてくれました。

Wat Manorom(ワット・マノーロム)の子猫。

早朝5時からの托鉢。観光客でも托鉢できます。
寺のあちこちで猫たちがくつろぐ
ホテルからそれほど距離はないはずですが、寺院までの道のりはかなり遠く感じました。ルアンパバーンの太陽は強烈です。クラクラしながら、やっとの思いで寺院にたどり着きました。子猫の姿を撮影できたときは、「苦労したかいがあった……」と心から思いました。
その後、子猫は母猫の後を追いかけてお堂の中へ入っていきます。お堂というより僧侶たちの食事処風ですが、その内部のあちこちに猫たちがくつろいでいました。暑すぎてお寺の敷地には人の姿がなく、猫しか見当たりません。まさに猫寺です。ワンコも1匹いて、元気に走り回っていました。

装飾や宗教画が見事な本堂。

広間の床で寝そべるサビ猫。

黒猫の子猫も床でひんやり。

隙間から様子をうかがう小さな猫。

外にいる猫は日陰を探してまったり。

ルアンパバーンはワンコも多い。
緩やかに時間が流れるアジアの桃源郷
次のお寺に向かおうと歩き始めましたが、あまりの暑さに、ミニトラックを改造したタクシー「ソンテウ」に乗り込みました。汗をダラダラかいて、日中歩き回る人は私ぐらい。長期滞在型の観光客はみなプール付きのホテルで涼んでいるそうです。

サッカリン通りを走るソンテウ。

対岸から見たルアンパバーンの町。

近くの観光地クアンシー滝で読書する観光客。
夕方のナイトマーケットや早朝の托鉢で、やっとまとまった数の観光客を見かけました。観光の中心地サッカリン通りには、洋風でオシャレなカフェやショップも点在しています。みなさんのんびりするために、この街を訪れているのですね。

ナイトマーケットで見つけたかわいい布雑貨。

托鉢風景に観光客の撮影者が群がる。

洋風とアジア風な建物が混在している。
ラオス語のおみくじを引いてみた
お寺の敷地以外にも猫はいますが、ちょと格差を感じてしまいました。居心地の良いお店を縄張りにできた猫は涼しい場所、なんならクーラーの効いた場所でゴローンとのんびり。猫好きな観光客の目線を引き寄せていました。そんな場所を確保できない猫は、忙しそうに目の前を通り過ぎて行きます。ほんの少しの運の差が出てしまったのでしょうか。

ビーガン的なカフェでお休み中の白猫。

お土産屋さんの陳列棚が定位置?の茶トラ。

エアコンが効いたオシャレなファッション店の猫。

庭付きの高級レストランにいた子猫。
最後に、ルアンパバーンの猫たちと出会わせてくれたお寺に感謝の意を込めて、おみくじを引いてみました。数字の15以外、何が書いてあるのかさっぱりわかりません。でも15番をラッキーナンバーとしておきます。

おみくじのシステムは日本と同じ。引いた番号の紙が結果。

ラオス語のおみくじ結果。15の数字以外読めません。
海外旅行に行ける日がきたら、世界遺産ルアンパバーンの旧市街地の猫たちに会いに行って、おみくじを引いてみませんか。
作者プロフィール

南幅俊輔(みなみはば・しゅんすけ)
盛岡市生まれ。グラフィックデザイナー&写真家。デザイン事務所コイル代表。現在、デザイン以外にも撮影、編集、執筆を手がける。2009年より外で暮らす猫「ソトネコ」をテーマに本格的に撮影活動を開始。日本のソトネコや看板猫のほか、海外の猫の取材・撮影を行っている。著書に「ソトネコJAPAN」「猫と世界遺産の街カレンダー」(洋泉社)、「ワル猫カレンダー」「ワル猫だもの」「サーバルパーク」(すべてマガジン・マガジン)、「どやにゃん」(辰巳出版)など。企画・デザインでは「ねこ検定」「ハシビロコウのすべて」「ゴリラのすべて」(すべて廣済堂出版)など。

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