「目」は、自律神経のバランスの影響を大きく受けます。緑内障の進行を防ぐために重要なのが、眼圧を上げないことですが、眼圧は交感神経が優位だと上がりますから、爪もみで自律神経のバランスをとることは、効果的だといえます。【解説】本部千博(ほんべ眼科院長)

解説者のプロフィール

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本部千博(ほんべ・かずひろ)

ほんべ眼科院長。眼科医。「近視は治せる病気」をモットーに視力向上法に力を入れる。『見るだけで目がよくニャる猫の写真』(マキノ出版)など、著書、監修書多数。
▼ほんべ眼科(公式サイト)

交感神経が優位だと目のトラブルが増える

[別記事:自律神経のバランスが整う爪もみのやり方→

当院では、一般的な眼科治療に加え、自然治癒力を高める療法を取り入れています。

中でも重視している療法が「爪もみ」です(やり方は上別記事参照)。爪もみを本格的に行うときは、鍼や医療用の針を使いますが、実は、指先でもむだけでも十分効果があります。

眼科治療に爪もみを加えることには大きな意味があります。なぜなら「目」は、自律神経(内臓や血管の働きを調整する神経)のバランスの影響を大きく受けるからです。

自律神経には、緊張状態を作る交感神経と、リラックス状態を作る副交感神経があります。本来は双方がバランスよく働いているのですが、それがくずれると病気を招きます。

目に関しては、交感神経が優位(働きが強まること)な状態が続くのを避けるべきです。

交感神経が優位になっていると、「瞳」すなわち目の瞳孔が大きくなります。瞳は、カメラでいう「絞り」にあたる器官で、取り込む光の量を調節しています。

目もカメラも、絞りを絞る(小さくして入ってくる光の量を減らす)ほど、ピントの合う範囲が広くなります。インスタントカメラはそれを上手く利用しているので、調節する必要なくピントが合うようになっているのです。

これは、絞りを針の穴ほどに小さく絞った「ピンホールカメラ」と呼ばれる構造で、目もピンホールに近いほど、ピントが合いやすくなります。

その状態を保ち続ければ、ピント合わせの役割を担う、「毛様体筋」という筋肉を過剰に動かさなくて済むので疲れにくくなります。

逆に言えば、交感神経が優位になって瞳が大きくなると、ピント合わせの際に毛様体筋の負担が増えて目が疲れやすくなってしまうのです。

画像: 交感神経が優位だと目のトラブルが増える

交感神経が優位になると、眼内やその周辺の血流や、涙の分泌も減りますから、目の状態が悪くなり、多くのトラブルを招くことにつながりかねません。

現代人は、ストレスをたくさん抱えているので、圧倒的に交感神経が優位になりやすく、近視や老眼、目の病気の進行が進みやすいという悪条件がそろっています。

ですから、目をいたわるには、自律神経がバランスよく働くことが重要になってきます。そのために優れた効果を発揮するのが、爪もみなのです。

爪もみは、現在、失明原因の1位である緑内障のケアにも役立ちます。

緑内障は、眼圧(眼球内の圧力)が高くなって視神経にダメージを与え、最悪の場合は失明する恐ろしい病気として知られています。

進行を防ぐために重要なのが、眼圧を上げないことです。眼圧は交感神経が優位だと上がりますから、爪もみで自律神経のバランスをとることが、効果的だといえます。

かすみ目や疲れ目がなくなってきた

爪もみで改善が見込める目のトラブル
●視力低下 ●緑内障 ●白内障 ●ドライアイ ●眼精疲労 など

実際に、爪もみで高かった眼圧が下がった例や視力が向上した例をご紹介しましょう。

Hさん(70代女性)は、数年前に緑内障と診断され、眼圧は25‌‌mm‌Hg前後でした(基準値は10~21‌mm‌Hg)。同時に白内障とも診断されました。

爪もみを始めたところ、2ヵ月で、以前悩まされていた目のちらつきやかすみ目、ひどい疲れ目がなくなってきたのです。眼科では「最近、状態がいいですね」と言われ、眼圧は19‌‌mm‌Hgに下がりました。

Sさん(60代女性)は、視力の急激な低下を感じて眼科に行ったところ、以前は1.2以上あった視力が、右0.7、左0.2に下がっており、左目は白内障と診断されました。

爪もみを始めると、徐々に視界がはっきりし、左目の視力が、2年目には0.5、3年目には1.2まで回復しました。右目には変化がありませんが、左目の視力が向上したため、非常に見えやすく、目が疲れにくくなったと喜んでいます。

Kさん(60代女性)は、白内障の手術後に本や新聞を読むと目が疲れやすくなり、視界もよくぼやけるようになったそうです。

そこで爪もみを始めてみたら、目の疲れは軽減し、見えづらくなることはなくなったとのことでした。老眼鏡に頼らずに新聞を読めるようになって、運転免許証も眼鏡なしで更新できたと喜んでいらっしゃいました。

皆さんも、爪もみを、ぜひ目のケアにお役立てください。

[別記事:自律神経のバランスが整う爪もみのやり方→

画像: この記事は『安心』2021年7月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『安心』2021年7月号に掲載されています。

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