足には、全身の臓器とつながっている反射区があります。耳鳴りや難聴は、耳管と耳の反射区をもみます。もむとゴリゴリしたしこりを感じる人もいるでしょう。これは老廃物が骨のようにカチカチになってくっついたもので、それをほぐすと症状が改善します。【解説】田辺智美(「足健道」さと足ツボ療術院院長)

解説者のプロフィール

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田辺智美(たなべ・さとみ)

「足健道」さと足ツボ療術院院長。自身のムチ打ち症を足もみで完治させたことをきっかけに、ツボと反射区と筋肉を刺激する「足健道」を完成させる。2000年に石川県で開業以来、2万人以上の足を施術してきた。著書に『足の裏もみで病気が治る! 痛みが消える!』(マキノ出版)『もむだけ美脚ダイエット』(産業編集センター)などがある。
▼「足健道」さと足ツボ療術院(公式サイト)

耳の反射区が飛び上がるほど痛かった

「耳鳴りや難聴は治らない」

そう思っている人は多いと思います。しかし、諦めないでください。足を一生懸命もむと、改善していきます。

私も、かつてひどい耳鳴りに悩んだことがありましたが、今は全く起こりません。足もみで消えたのです。

耳鳴りがあった当時、私は強いストレスを感じていました。いろいろな問題が起こって、あれこれ悩み考えていることが多く、「どうなってしまったんだろう」と思うほど、ひどい耳鳴りがするようになったのです。

そこで、足の裏にある耳の反射区(全身の臓器や器官に対応する部位)をもんでみたところ、飛び上がるくらい痛かったのです。そこで毎日、その部分をより集中してもみました。

耳鳴りを経験した人ならおわかりでしょうが、耳鳴りは「いつも鳴っている」わけではありません。寝る前や、周りが静かなときなどによく鳴ります。

静かだと、どうしても耳鳴りを聞いてしまうので、私はなるべく、意識を耳鳴りに持っていかないようにしました。

また、考え過ぎているときもよく耳鳴りがするので、そういうときは、考えることもやめました。耳鳴りは、考え過ぎてしまっているサインだと受け止めることにしたのです。

そんな心の状態に気づいてあげるようにしながら、一生懸命もんでいると、その場で耳鳴りは治まりますが、しばらくすると再発します。そこで、またもむ……ということをくり返すうち、いつの間にか、耳鳴りが起こらなくなっていったのです。

難聴も、同じような感じでよくなっていきます。

・・・

Tさん(70代)は、ご主人が脳腫瘍で倒れた直後から聞こえが悪くなり、電話の声も聴き取れなくなってしまいました。

ところが、耳の反射区を一生懸命もんだら、いつの間にかよく聞こえるようになっていました。耳鳴りが起こったときも、耳の反射区をもむと、耳鳴りが消えるそうです。

私やTさんの経験でわかるように、耳鳴りも難聴も、ストレスが深く関係しています。強いストレスを受けて心が悲鳴を上げていると、その悲鳴が耳鳴りとなって聞こえてくるのです。

また、聞きたくないことがたくさんあると、心を閉じて耳をふさごうとします。それで難聴が起こってくるのです。

耳鳴りは、血液が流れる音が聞こえているという説もあります。首や肩のこりが強いと、血流が停滞して一気に動くときがあります。その流れる音を聞いてしまうのだそうのです。その音は不快なので、逆に脳に記憶され、無意識にそれを聞こうとする習慣ができてしまいます。

しかし、耳鳴りを聞こうとすると治りにくくなりますから、聞こうとしないこと、耳鳴りを意識しないことが大事です。

また、耳の中には、聴覚をコントロールする「あぶみ骨筋」という小さな筋肉があり、これが硬直すると、耳鳴りや難聴が起こりやすくなります。

リラックスしたり、ハミングしたりすると、この筋肉がゆるんで活発に動くようになりますから、耳鳴りが起こったら、音楽を聴いて、気持ちを切り替えるのも効果的です。

症状が出たときにもむとその場で軽くなる

そして、必ずやっていただきたいのが、毎日の足もみです。

足には、全身の臓器とつながっている反射区があります。

耳鳴りや難聴は、耳管と耳の反射区をもみます。耳の反射区は第4指、第5指です。この指先から足の裏、ふくらはぎ、太もも、内臓を通って、耳の神経につながっています。そこを血液が動いて伝わっていく。そんなイメージを持ちながらもんでください。

また、指をもむと、ゴリゴリしたしこりを感じる人もいるでしょう。これは、老廃物が骨のようにカチカチになってくっついたもので、それをほぐすと症状が改善します。その部分をゴリゴリ刺激すると、ものすごく痛いですが、安定した力で響かせるように刺激を入れると、痛気持ちいい感覚を得られるでしょう。

もむ時間はいつでも構いませんが、症状が出たときにもむと、その場で軽くなります。

なお、耳鳴りや難聴の期間が短い人は比較的早くよくなりますが、何十年も慢性的にある人は、時間がかかります。改善の目安は、「年齢÷10」、60歳なら6ヵ月です。

「よくなった、よくならない」を意識せず、治ったらもうけものくらいの気持ちでとり入れるといいでしょう。やっていくうちに「あれ、いつの間に」という感じでよくなっていきます。

なお、耳鳴りはメニエール病などの病気が関係することもありますから、耳鳴りがひどく気になるようでしたら、一度病院を受診してください。

耳鳴り・難聴にお勧めの足もみ

1. 耳管の反射区をもむ

耳管とは、鼓膜内外の気圧のバランスを取る器官。
手の人さし指を曲げ、突起した関節部分で、足の裏の第2~4指の付け根を、それぞれ3秒間ずつ押す。両足に行う。

画像1: 耳鳴り・難聴にお勧めの足もみ

2. 耳の反射区をもむ

足の第4指と第5指の腹側にある縦に長い反射区。
手の親指の腹で2~3ヵ所に分けて、3秒間ずつ押す。両足に行う。

画像2: 耳鳴り・難聴にお勧めの足もみ
画像: この記事は『安心』2021年6月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『安心』2021年6月号に掲載されています。

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