安全な食品を選ぶには、どんなもので作られているかの確認が必要不可欠。ここでは、2ステップで安全性を判断する方法をお伝えしましょう。ポイントは①「/(スラッシュ)」の後をチェック、②危険な添加物がないか確認、です。【解説】渡辺雄二(科学ジャーナリスト)

解説者のプロフィール

画像: 解説者のプロフィール

渡辺雄二(わたなべ・ゆうじ)

1954年生まれ、栃木県出身。千葉大学工学部合成化学科卒業。消費生活問題紙の記者を経て、1982年よりフリーの科学ジャーナリストとして活動。食品、医療、環境、バイオテクノロジーなどの問題を、数多くの雑誌や新聞で発信。中でも食品添加物や合成洗剤、遺伝子組み換え食品の問題に力を入れ、全国各地で講演も行う。『コンビニの「買ってはいけない」「買ってもいい」食品』(大和書房)など、著書多数。2021年4月5日には、ビジネス社より『がんがイヤなら、これは食べるな』が発売予定。

発がん性の高い食品添加物も

昨今のコンビニには、弁当や惣菜が豊富に揃っています。また、それらを購入する高齢者の姿もよく見かけます。

しかし、これを食べ続けると体調をくずす可能性があることはご存じでしょうか。

ほとんどの弁当や惣菜には、日持ちや食感などをよくするため、食品添加物が使われています。そして中には、病気との関連性が明らかになっているものもあるのです。

一例を挙げると、がんです。現在の日本では、2人に1人ががんを発病しています。

では、どんながんが多いかというと、国立がん研究センターの「2020年のがん統計予測」によると、1位は大腸がん、2位が胃がん。どちらも消化器系のがんですから、食べ物が関係しているのは確実と言えるでしょう。このことは、研究によっても認められています。

まず、大腸がんですが、国際がん研究機関(IARC)は「ハムやソーセージなどの加工肉を1日50g食べると、大腸がんになるリスクが18%高まる」と警告しています。

これは、添加物の亜硝酸Na(ナトリウム)が原因と考えられます。亜硝酸Naは、肉に含まれるアミンという物質と反応して、ニトロソアミン類という物質に変化します。これに、強い発がん性があるのです。

胃がんにも、添加物との関連を示す研究があります。国立がん研究センターが40~59歳の男性約2万人を10年間追跡調査した結果、「めんたいこやタラコなどをひんぱんに食べる人ほど胃がんの発生リスクが高い」とわかりました。

これらにも、亜硝酸Naが添加されています。さらに、着色に使われるタール色素にも、発がん性が疑われています。

無添加の惣菜を上手に活用しよう

また、個人差はありますが、添加物の影響で、食後に次のような症状が生じる人も少なくありません。

口内の粘膜や歯茎の刺激感
胃が張る、痛くなる、重苦しくなる、気持ちが悪くなるなどの胃部不快感
下腹の鈍痛や下痢
じんましんなどのアレルギー

添加物が多いほど、こういった症状を招きやすいようです。

弁当類は特に、具材の数が多いほど添加物も増える傾向があります。これは、サケや煮物など、それぞれの具材に添加物が使われているため。幕の内弁当やのり弁当などは、添加物が25~30種に上ることもあります。

しかし、コンビニ各社も企業努力を続けており、現在は使用される添加物が減少傾向にあります。そのため、知識があればコンビニでも安全な食品を選べる状況になっています。

安全な食品を選ぶには、どんなもので作られているかの確認が必要不可欠。ここでは、2ステップで安全性を判断する方法をお伝えしましょう。

①「/(スラッシュ)」の後を チェック

原材料は、まず、米・小麦粉・塩などの食品原料が使用量の多い順に表示されます。次に添加物が続き、その間が「/」で区切られます。

チェックすべきは、「/」の後。その後の添加物の数が少なければ少ないほど、安全です。

②危険な添加物がないか確認

危険性が特に高い添加物を避けるだけでも、体への害を抑えられます。次の5種類が入っているものは要注意です。

亜硝酸Na

危険性は前述した通り。ハムやウインナーソーセージ、ベーコン、タラコ、めんたいこなどに使われます。ただし、おにぎりに限っては、亜硝酸Na不使用のタラコやめんたいこを使用するコンビニが増えています。

OPPOPP-NaTBZ

輸入レモンやオレンジ、グレープフルーツなどに使われます。動物実験で発がん性や催奇形性(胎児に先天異常が起こる危険性)が認められています。

タール色素

さまざまな食品に使われていますが、発がん性が疑われています。赤色3号、黄色5号など「色+数字」号という表示は、すべてタール色素です。

サッカリンサッカリンNa

発がん性が疑われています。寿司についているガリや、酢ダコに含まれます。

アセスルファムKアスパルテームスクラロース

カロリーゼロや糖類ゼロをうたう飲料や菓子類に使われます。脳腫瘍や認知症、肝機能障害、免疫力(病気に対する抵抗力)低下などとの関連性が疑われています。

食品表示を見るポイント

画像: 【安全な食品の見分け方】原材料名の「/」以降に記された添加物をチェック  賢いコンビニ利用術を紹介

ポイント❶
「/(スラッシュ)」の後ろに書かれている添加物の数を確認。少ない方が安全度が高い。

ポイント❷
次の添加物が入っていたら避ける。
•亜硝酸Na(発色剤)
•OPP、OPP-Na、TBZ(防カビ剤)
•タール色素(着色料)
 ※赤色3号など、「色+数字」で記載されている
•サッカリン、サッカリンNa(合成甘味料)
•アセスルファムK、アスパルテーム、スクラロース(合成甘味料)

現在のコンビニでは、ほぼ無添加の惣菜も販売されています。私のお勧めは、それら1~2品と納豆を購入し、ご飯と簡単なみそ汁を自宅で準備すること。これなら手間をかけずに、安全で栄養バランスのとれた食事をとることができます。

賢くコンビニを利用して、自らの健康を守りましょう。

画像: この記事は『安心』2021年5月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『安心』2021年5月号に掲載されています。

www.makino-g.jp

This article is a sponsored article by
''.