プロフィール

吉川プリアンカ(よしかわ・ぷりあんか)
1994年、東京都生まれ。インド人の父と日本人の母を持つ。ミス・ワールド2016では、ミックス女性として初めて日本代表に選ばれ、世界大会ではトップ20入りを果たす。日本語、ベンガル語、英語を自在に使えるトリリンガルで、ラオスの国家資格である象使いの資格を持つ。現在は多様性に寄り添うジェンダーレスなCBDスキンケアブランド“MUKOOMI”を扱う会社を経営。
「手足のアンバランスが肩こりを起こす原因」
[別記事:グルグル腕回しで肩や首のコリ、腰痛、股関節痛が改善→]
私は2016年のミス・ワールド日本代表に選ばれ、世界大会では参加120ヵ国以上のなかでトップ20に入ることができました。身長175cmで手足も長いほうですが、実は体のバランスが特に整っているとは思っていません。世界大会では、私よりスタイルがよく見える人がおおぜいいました。
私の悩みの一つに、慢性的な肩こりがあります。モデルを始めた16歳のころからずっとです。よく通っていた整体院では、骨盤のゆがみが関与しているといわれたこともあります。
3年前に基礎化粧品や健康食品を扱う会社を興してから、その肩こりがひどくなりました。パソコン業務が増え、いつも重い荷物を持ち歩いていたのがよくなかったのでしょう。忙しい日が続くと、肩がパンパンにこり固まり、つらくてどうしようもありませんでした。
そんな私を見るに見かねた母が、友人であるアスリートゴリラ鍼灸接骨院の高林孝光先生を紹介してくれたのは、2年前のことです。
高林先生は私の施術前に、「左右の手足のアンバランスがモデルとして損をしているし、肩こりを起こす原因にもなります」といわれました。実際、手の長さを比べてみると、利き手の右手より左手がかなり短いのがわかり、ショックでした。
そして、高林先生から教えていただいたのが、「腕回し」という体操でした。先生の指導どおりに左右の腕を前後にグルグルと回したら、短かった左手が2~3cmほど伸び、左右の手の長さがそろったのです。あまりにも簡単に体のバランスが整ったので、ビックリしました。
「自分でも毎日できるでしょう」と先生にいわれ、私もうなずくしかありませんでした。

ミス・ワールド2016の日本代表に輝いた当時の吉川さん
ミスコンを目指す女性にも必ず指導する
それから私は、夜の就寝前や日中パソコンに向かっている合間に、腕回しを行っています。腕回しを行うと、その場で肩の周囲がスーッと楽になり、手が伸びるのが実感できます。高林先生がいわれるように、縮こまっていた筋肉が緩み、血流がよくなるからだと思います。
以前は、肩のコリがひどくても対処法がわからず、つらい思いをしていました。しかし今は、多忙で疲れがたまっても、腕回しを行うことで肩のコリを和らげられますし、悪化を防ぐこともできます。
それに、腕回しをほぼ毎日続けていると、体のバランスが維持できているという実感があります。以前は、近所のマッサージ店で「体がゆがんでるね」とよくいわれ、嫌な思いをしましたが、今はそういうことを全くいわれなくなりました。
私は今、モデル業より会社の仕事に集中しています。ただし、ミス・コンテストを目指している女性からの依頼で、個人指導を行うことがあります。そのときは、必ず腕回しを教えています。
モデルにとって姿勢は基本です。腕回しを行うと、腕の長さがそろい、全身のバランスが整います。その結果、姿勢もよくなるようです。ステージに立ったときのポーズや歩く姿もきれいに決まります。
私自身、ミス・ワールドに出たとき、バランスの大切さを痛感しました。もし、腕回しを10代から知っていたら、おそらくもっと体のバランスが取れ、肩も楽だったと思います。今後も腕回しで体調を整え、楽しく仕事に挑んでいくつもりです。
全身のバランスが整い痛みやコリも緩和
アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長 高林孝光
骨盤のゆがみや、脚長差を調整することを部分矯正といいます。もちろん、有効ではありますが、それだけでは全身のバランスがなかなか整いません。そのために、痛みなどの症状が取れず、改善が遅くなることもあります。
腕回しは、肩周りだけでなく、全身のバランスを整える体操なので、まず姿勢がよくなります。そして、かたくなりがちな筋肉の緊張も和らぎ、全身の血流が促進されることで、痛みやコリの緩和にも役立ちます。

この記事は『壮快』2021年5月号に掲載されています。
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