カンジダ膣炎は、膣内と腸内の細菌バランスが、発症に関わっていることがわかってきました。予防には、まず腸のカンジダに対処することが肝心です。①甘い物と果物の除去、②鉄分をとる、③抗生剤を使わない、④洗い過ぎない、の4点を心がけるといいでしょう。【解説】溝口徹( 医療法人回生會みぞぐちクリニック院長)

解説者のプロフィール

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溝口徹(みぞぐち・とおる)

医療法人回生會みぞぐちクリニック院長。1964年神奈川県生まれ。福島県立医科大学卒業。1996年、痛みや内科系疾患を扱う辻堂クリニックを開設。2003年には日本初の栄養療法専門クリニックである新宿溝口クリニックを開設。2021年4月、東京都中央区にみぞぐちクリニックを開設予定。『2週間で体が変わるグルテンフリー健康法』(青春出版社)ほか著書多数。
▼みぞぐちクリニック(公式サイト)

カンジダ菌は甘い物が大好き

カンジダ膣炎は、再発しやすいことで知られています。しかし最近になり、膣内と腸内の細菌バランスが、発症に関わっていることがわかってきました。

アメリカでは、カンジダ膣炎を予防するサプリメントがすでに販売されています。これは、腸の細菌バランスを整えることで、膣の細菌バランスも変化することを応用したサプリメントです。

実際に、カンジダ膣炎を起こす人の腸を調べると、カンジダが繁殖していることがわかっています。ですから、膣カンジダの予防には、まず腸のカンジダに対処することが肝心です。

そこで、次の4点を心がけるといいでしょう。

甘い物と果物の除去

カンジダ菌は、砂糖と果糖を栄養分としています。甘い物だけでなく、果物も減らしましょう。

画像: 甘い物、果物はダメ!

甘い物、果物はダメ!

鉄分をとる

カンジダ膣炎を起こす人は、皆さん、鉄分不足です。鉄分を十分に補ってほしいのですが、一方で、カンジダ菌も鉄分を好むため、「適度にとる」というさじ加減が必要になります。

食事に含まれる程度なら問題はありませんが、サプリメントは吸収しきれないことがあり、それがカンジダ菌を増やす原因になります。

私は患者さんに、おなかの調子に注意して、サプリメントをとることを勧めています。

下痢や便秘、便が黒くなるなど、便の状態が変わったり、おなかが張ったりしたら、腸の負担となっている証拠です。これらの症状があるときは、サプリメントの量を減らします。

抗生剤を使わない

腸にさまざまな種類の細菌がすんでいれば、カンジダ菌が勢力を増すことはありません。

そのために気をつけたいのが、「抗生剤」です。抗生剤は、腸内の細菌数を激減させ、かえってカンジダ菌を増やします。症状が軽症なら、使用しない方がいいこともあります。医師に相談して、できるだけ使用を避けるようにしましょう。

洗い過ぎない

膣洗浄は、膣の細菌バランスに悪影響を与えます。ぬるま湯で優しく洗うくらいで十分汚れは落ちます。洗い過ぎないことが大事です。

以上、別記事も含めて、それぞれの栄養療法を述べましたが、これらはほぼ全ての病気に有効です。特に、甘い物は私たちが思う以上に、体に悪影響を及ぼしています。この機会に食生活を見直してみてください。

画像: この記事は『安心』2021年4月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『安心』2021年4月号に掲載されています。

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