ご当地ラーメンと地元の名士へのリスペクト
赤いサバ缶の上にのった、山盛りの粗みじんタマネギ。
そんなインパクトのある見た目と、手軽さ、一度食べると癖になるうまさで、SNSから火が付き、一躍全国に広まった缶ツマ(缶詰を使った酒のつまみ)が、「サバサラ」です。
サバサラが生まれたきっかけは、願掛けでした。
2011年、私が料理人として独立し、「酒場カンテツ」を始めるに当たり、成功祈願で、大好物のご当地ラーメン「燕三条系ラーメン」断ちを決意しました。
燕三条系ラーメンの特徴と言えば、豚の背脂と粗みじん切りタマネギです。私が愛してやまない、この粗みじん切りタマネギを使ったメニューを試作していて、一番相性がよかったのがサバ缶だったのです。
加えて、マルハニチロの創業者(日魯漁業株式会社)の一人である堤清六さんが三条市の出身だと、知り合いから教わりました。
これはもう運命だなと、マルハニチロのサバ缶(安い方)を使うのが「公式」なサバサラ(マルハニチロ非公認)ということに勝手にしています。
高い方のサバ缶ももちろんおいしいのですが、安い方の多過ぎず少な過ぎずのほどよいアブラ感が、サバサラにぴったりなんです。
サバ缶ブームとともに一躍全国区に!

「今はラーメンも解禁してます(笑)」と関本さん。
ここ三条は金物の街で、店の常連さんには、全国を飛び回る営業マンが大勢います。
彼らが出張先の行きつけの飲み屋で、サバサラのことを話してその店でもメニューに加わり…… というのをSNSに上げていたら、興味を持ってくれた人によって、どんどん拡散されていきました。
折しも、健康によいとサバ缶のブームが来ていたこともあり、新聞やテレビで詳しく紹介されたのです。それを契機に、一気に全国のスーパーなどで、サバサラの作り方のPOP付きで、サバ缶とタマネギが売られるようになりました。
クックパッド(レシピ共有サイト)に載せるときに、「新潟・三条名物サバサラを世界のソウルフードに!」と、冗談で書いたんです。
そしたら、テレビのインタビューで全然知らないおじいちゃんが「昔からよく食べてる」とか答えていて、いつの間にか本当に「燕三条のソウルフード」扱いになっていたのはおかしかったですね。
普段は料理をしない人でも簡単に作れますから、どんどんみんなで作って食べて、広めていってもらえるとうれしいです。
酒場カンテツさん直伝!サバサラの作り方
【材料】(1人分)
サバの水煮缶…1缶
タマネギ…1/2個
マヨネーズ…3回転
刺身しょうゆ…1回転
一味トウガラシ…3振り

❶お皿の上に、よく拭いたサバ水煮缶をのせて、パカッとイイ音をたてて開ける。汁はそのまま。

❷マヨネーズを3回転かける。

❸粗みじん切りにしたタマネギを、さり気なく皿にこぼれるくらいの山盛りに盛る。
※みじん切りは薬指の爪ぐらいの大きさ

❹刺身しょうゆを1回転タラリとかけ回す。

❺一味トウガラシを3パラリ振りかけて、先割れスプーンで召し上がれ!
[別記事:サバ缶タマネギはやせホルモンGLP-1の分泌を促し肥満、糖尿病を改善→]

この記事は『安心』2021年4月号に掲載されています。
www.makino-g.jp