唾液には胃酸を中和する働きがあります。唾液の量が少なければ、胃酸が中和されないため、それが逆流してきたときに食道を傷つけ、炎症を起こすのです。舌下腺・顎下腺・耳下腺の三つを刺激すると、唾液の量を増やすことができます。早速やってみましょう。【解説】前田祐樹(慢性腰痛・自律神経専門整体院 natura-ナチュラ-院長)

解説者のプロフィール

画像: 解説者のプロフィール

前田祐樹(まえだ・ゆうき)

柔道整復師。整形外科勤務などを経て、整体院 natura-ナチュラ-を開院。慢性腰痛の治療を専門にし、体のさまざまな症状のケアに当たる。YouTubeの登録者数は10万人を超え、セルフケアの動画はわかりやすいと大好評。
▼慢性腰痛・自律神経専門整体院 natura(You Tube)

ストレスで唾液の分泌が減っている人が多い

大阪で自律神経専門整体院を開院している私のもとには、自律神経の乱れによって起こる症状でお悩みのかたが、多数来られています。

逆流性食道炎の症状も、その一つです。

私たちの内臓は、自律神経によって調整されています。胃酸を出したり止めたりするのも、自律神経の働きによるものです。

逆流性食道炎は、自律神経の乱れによって胃酸過多となり、それが胃から食道のほうまで上がり、食道の粘膜に炎症を起こす疾患です。

症状としては、胸やけ、のどの詰まり、のどが焼けるようにヒリヒリする、口の中が苦いなど。背中の痛みを訴えるかたもいらっしゃいます。

そしてもう一つ、逆流性食道炎に関係するのが、唾液です。唾液も、自律神経によってコントロールされています。自律神経のうち、活動時に働く交感神経が優位になると唾液の量が減り、休息時に働く副交感神経が優位になると唾液の量が多くなります。

逆流性食道炎の症状を訴えるかたのなかには、唾液の量が少ない人が多くいらっしゃいます。おそらく、ストレス等で交感神経が優位になり、唾液の分泌量が減っているのでしょう。

唾液には胃酸を中和する働きがあります。唾液の量が少なければ、胃酸が中和されないため、それが逆流してきたときに食道を傷つけ、炎症を起こすのです。

食前に唾液を出しておく

そこで、自宅で手軽にできる、逆流性食道炎のセルフケアとしてお勧めするのが、唾液腺を刺激して唾液の量を増やす「唾液腺マッサージ」です。

唾液は、舌下腺・顎下腺・耳下腺で産生されています。ですから、この三つを刺激すると、唾液の量を増やすことができるのです。早速やってみましょう。

唾液腺マッサージのやり方

1日何回行ってもOK。
口腔がんや咽頭がん、唾液腺に腫瘍や炎症がある人は行わない。

まず舌下腺です。舌下腺は、舌の真下にあります。両手の親指2本を、あごの骨の内側、少しやわらかくなっているところに当ててください。そして、真上に軽く押し上げた状態で、左右に滑らせるように揺らしながらマッサージします。

画像1: 唾液腺マッサージのやり方

次は顎下腺です。顎下腺は、あごの左右にあります。少し出っ張ったエラの骨の内側に、両手の親指を左右それぞれ当ててください。その状態で、前後に揺らしてマッサージします。さらに、そこからあご先に向かって、5ヵ所くらい場所を移動しながらマッサージしましょう。

画像2: 唾液腺マッサージのやり方

最後は耳下腺です。耳下腺は、上の奥歯の付近にあります。耳の斜め下方辺りのほおに、両手の親指以外の4本の指を左右それぞれ当ててください。そして、指の腹で円を描くようにマッサージします。

画像3: 唾液腺マッサージのやり方

いずれも痛くない程度の強さで、30秒〜1分くらい行いましょう。

物を食べると胃酸がたくさん出ます。胃酸が増えると、それだけ逆流しやすくなるので、食事の前に唾液腺マッサージを行って、唾液をしっかり出しておくのがお勧めです。そのほか、症状が気になるときに行ってもいいでしょう。

唾液腺マッサージは1日何回行ってもかまいません。どのくらいで効果が現れるかは、炎症の度合いによって異なります。毎日コツコツ行うことが肝心です。

ただし、口腔がんや咽頭がん、唾液腺に腫瘍や炎症がある人は、行わないでください。

このマッサージの動画をユーチューブで発信したところ、「楽になった」「効果を感じた」というコメントをいただきました。逆流性食道炎の症状でお悩みのかたは、ぜひ一度、試してはいかがでしょうか。

画像: この記事は『逆流性食道炎 自力でスッキリ治す!』に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『逆流性食道炎 自力でスッキリ治す!』に掲載されています。

www.makino-g.jp

This article is a sponsored article by
''.