解説者のプロフィール

倉田貴枝(くらた・たかえ)
東京都港区出身。金融機関を結婚退職後、子育てをしつつ勉強を進め、イメージコンサルタント、ミニマムメイクアップアーティスト、スカーフスタイリスト®アカデミーでスカーフスタイリスト®認定講師の資格を取得。美容系のサロンを営みながら、約15年で延べ5000人以上のイメージアップをサポート。「あなたの知らないあなたを目覚めさせる」がコンセプト。現在は、イメージコンサルティングでのノウハウを生かし、オンラインイベントの運営に数多く携わっている。
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スカーフの魅力
いつもの洋服を格上げしてくれる
シンプルなデザインのニットに、華やかなスカーフを巻くだけで、格段におしゃれ感がアップします。ご存じのように、スカーフは四角い布ですが、折ったり、ひだを作ったり、結んだりすることで、いろいろな形を作ることができます。1枚で、何通りものアレンジが可能なのです。巻き方や結び方、結び目の位置を変えるだけで、全く違うイメージになるので、洋服のレパートリーが少なくても「衣装持ち」に見られます。

同じワンピースに同じスカーフでも、アレンジしだいで全く違う装いに。
顔やスタイルを若々しく見せる
肌の色に合ったスカーフを巻くと、顔が明るく、若々しくなります。また、スカーフを細長くして縦のラインを作ると、全体がほっそりとしたイメージに。小柄なかたは、スカーフで首回りを彩ることで相手の視線が上に行くので、すらりと見えます。さらには、首のシワやくすみをカバーしたり、控えめなバストにボリューム感を出したりすることも可能。スカーフはまさに「魔法の布」なのです。
コミュニケーション・ツールとして役立つ
仕事関係の集まりや、知らない人だらけのパーティーに参加する際には、ぜひスカーフを巻いていってください。「素敵な巻き方ですね」「どうやって結んでいるんですか?」といった会話のきっかけになります。洋服やバッグ、アクセサリーなどは、褒めるのも質問するのも意外と難しいものです。「素敵ですね」「ありがとうございます」で会話が終了しがちですし、「どこで買いました?」と聞くのも野暮。その点、スカーフの巻き方なら老若男女話題にしやすいので、コミュニケーションの幅が広がります。
どんなスカーフを選べばいいか
正方形のレギュラーサイズがおすすめ
一般に「スカーフ」のイメージは正方形ではないでしょうか。ロングタイプもありますが、正方形はさまざまな形に折ることができて、アレンジの幅が広いのでおすすめです。大きさは、88~90㎝四方のレギュラーサイズがいいでしょう。種類が多くて選ぶのが楽しいですし、使い勝手もよく便利です。お土産やプレゼントでいただくのも、このタイプが多いと思います。最近は、同じ巻き方でもカジュアルに仕上がるプチスカーフ(53~60㎝四方)も流行しています。
素材はシルクがオールマイティ
一年を通して使えるのは、シルク(絹)です。吸放湿性と保温性に優れているので、季節を選びません。ポリエステルなどの化学繊維のスカーフもありますが、肌触りや装着感、ツヤ感は、やはりシルクとは異なります。滑りすぎて、ほどけやすいことも。ただ、お手頃価格ですし、自宅で洗濯できて便利なので、季節やシーンによって使い分けてもいいでしょう。
似合う色は実際に巻くとわかる
一般的には、明るくはっきりした色がお勧めです。春先はパステル調の淡い色やくすんだ色を選びがちですが、避けるのが無難。気持ちはわかりますが、「好きな色」と「似合う色」は違うんです。「スカーフを買ったけれど、使いこなせない」という失敗のほとんどは、「実際に巻かずに買ってしまった」ことが原因です。スカーフを買うときは、必ず何枚か、首に巻いてみてください。顔色がよく見えるものと、くすんで見えるものがあるはず。顔が明るく見える色が、あなたに似合う色です。その結果、淡い色やくすんだ色のスカーフで顔色がよく見えるなら、もちろんOKです。
柄を選ぶときの注意点
スカーフは、中央の柄に目を奪われがちですが、実際に首に巻くと、中央部は見えなくなります。スカーフを結んだときに目立つのは、一番外側の縁の部分です。外周をぐるりと囲むようにラインが入っていたり、均等に模様が入っていたりすると、結んだときにアクセントになり、全体の印象が引き締まります。
簡単な巻き方・結び方
バイアス折りをマスターしよう
正方形のスカーフを細長く帯状にする折り方を、「バイアス折り」といいます。こうすることで、さまざまなアレンジが可能になります。いろいろな折り方がありますが、今回は簡単なバイアス折りをご紹介します。表裏がわかりやすいように、折り紙で説明しましょう。
①スカーフを裏面にしてひし形に置き、手前の角を、真ん中より少し奥側へ折る。奥側の角も、同様に手前に折る。

左右の三角が対称になるように注意しましょう。
②。手前と奥を折って、真ん中で合わせます。

ここでも左右の三角の形をチェック。
③手前から3分の1のところで折り、反対側も同様に折り重ねたら完成。

両端がきれいな三角形になっているのがポイント。
サイドノット3種
最も簡単な巻き方です。スカーフを首にかけ、片方で1回結び目を作り、反対の端を通すだけ!
▼サイドノットその1【フェミニン】
①バイアス折りにしたスカーフを首にかけ、片方に結び目(普通のかた結び)を作る。

結び目の位置はお好みで。
②結び目の下から、反対側の端を通す。

結び目の下から通す。
③長さを調整したら完成。

シンプルながらも華やかなイメージに。
▼サイドノットその2【クール】
バイアス折りにしたスカーフを首にかけ、片方に結び目を作り、結び目の上か、反対側の端を通す。ネクタイ風になってマニッシュな装いに。

結び目の上から入れると……

ネクタイ風になります。
▼サイドノットその3【エレガント】
スカーフをバイアス折りにせず、三角に折っただけでサイドノットにすると、雰囲気がガラッと変わります。
①三角に折ったスカーフを首にかけ、片方に結び目を作る。

三角に折るだけなので簡単。

結び目を作るのは左右どちらでもOK。
②結び目の下から、反対側の端を通す。

③結び目を、横や後ろに持っていったら完成。

結び目を横にすると(写真右)と、また違った雰囲気に。

襟付きのシャツにも合います。
ハーフリボン
簡単にドレスアップできる結び方なので、知っておくと重宝します。
①バイアス折りにしたスカーフを首にかける。

②片蝶結びにする。蝶の羽部分は小さめに。

首に近いところで結ぶとスマートです。

蝶の羽が首の横に来るように、結び目を横にずらします。
③蝶の羽部分を好みの形に広げる。

羽を大きく広げるとゴージャスな雰囲気に。

垂らす部分を揃えると知的なイメージに。
パーティーなどで映える巻き方・結び方
シンプルなワンピースやスーツでも、スカーフを添えることでグンとドレスアップします。「職場からパーティーに直行」というときも、バッグにスカーフを入れておけばすぐに変身できますよ。
コサージュ結び
四角いスカーフがお花の形になる不思議なアレンジです。「それ、どうやって結ぶんですか?」と聞かれること間違いなし!でも、結び方は拍子抜けするほど簡単なんです。
①バイアス折りにしたスカーフを首にかける。

きれいなバイアス折りにするのがポイント。
②左右を交差させ、下のスカーフを首元に入れ込んで一結びする。この結び目にコサージュが来るので、バランスを考えて場所を決める。

コサージュの位置をイメージして。
③スカーフを「2つ編み」要領でねじっていく。

きつめにねじった方がほどけにくい。
④残り10㎝くらいになったら、クルッと返して輪を作る。

ねじったスカーフでお花を作ります。
⑤中心の穴に、ねじり合わせた最後の部分を、下からギュッと入れる。ほどけないように、しっかり入れ込むのがコツ。

⑥スカーフの端を、葉っぱのイメージで形を整えたら出来上がり。

シックな装いなので入学式などの式典にも。
スカーフを変えると、お花の形や雰囲気も違って見えます。

バイアス折りを丁寧にすると、葉っぱの部分がきれいに出ます。
パール使いアレンジ
パールのネックレスを使ったアレンジです。パールはもちろんイミテーションで十分。単色でシンプルなデザインのワンピースに合わせるのがお勧めです。
①バイアス折りにしたスカーフを首にかける。

左右の長さを揃えてかけましょう。
②ネックレスの長さに合わせて、スカーフを結ぶ。

ネックレスは長めのものがおすすめです。

普通のかた結びでOK。
③結び目を後ろに回し、ネックレスをらせん状に絡ませて、留め金をかけたら完成。

*結び目は、後ろでも横でもお好みに合わせて。

結び目を後ろにする(写真右)と背中にスカーフの花柄が来て、それも素敵です。
スカーフをウエストに巻く
スカーフをベルトのように見せるテクニックです。鮮やかな色のベルトを買うのは勇気がいりますが、スカーフで代用すれば気軽にチャレンジできます。ワンピースのほか、スカートのウエストに巻くこともできます。いろいろ試してみてください。
①バイアス折りにしたスカーフをウエストに巻く。

左右の長さを同じにしましょう。
②スカーフを交差させて、ねじる。

交差させてねじります。

結ばず、ねじって左右を入れ替えるだけ。
③後ろで結んだら完成。

シンプルなワンピースが華やかな雰囲気に。
お手入れ法と保管法
洗濯はどうする?
シルクのスカーフの場合は、風合いを保つためにもクリーニングに出すのがお勧めです。自宅で洗うと、光沢が落ちることがあります。クリーニングに出すのは、1シーズンに1回でいいと思います。大汗をかいたり、よごしてしまったりしたら、すぐにクリーニングに出しましょう。
どこに保管すればいい?
日光や蛍光灯などの光で、色あせや変色を起こすので、暗いところに保管してください。シルクやウールは虫がつくので、防虫剤を忘れずに。折りジワが気になる場合は、太めのハンガーにかけて収納しましょう。針金ハンガーのような細いものだと、折りジワがつきます。
まとめ
コロナ禍で外出やイベント、会食の機会が減っている今だからこそ、スカーフで小さなおしゃれを楽しんでください。ちょっと買い物に行く時でも、スカーフを身にまとうことで気分が上がります。オンラインで人と話をするときにも、ぜひスカーフをしてみてください。画面共有したときに、格段に顔映りが明るいのがわかります。オンライン飲み会なら、スカーフ談義に花が咲くはず。今回ご紹介したもの以外にも多数のアレンジがありますので、お問い合わせください。日々の生活の中にスカーフを取り入れることで、いろいろな楽しみが増えますよ。