「おかゆダイエット」が2週間限定というのは、緩やかな断食でデトックスすることが目的なので、長く行うと栄養不足に陥るからです。加えて、体が現状維持しようとする恒常性という本能が働き、やせるペースが停滞します。経験上、ベストな期間が「2週間」なのです。【解説】土田隆(よこはま土田メディカルクリニック院長)

解説者のプロフィール

画像: 解説者のプロフィール

土田隆(つちだ・たかし)

よこはま土田メディカルクリニック院長。1982年、東邦大学医学部卒業後、東邦大学医療センター大森病院脳神経外科学教室入局。1987年、磯子脳神経外科病院設立と同時に赴任。磯子中央病院に合併後、副院長と同院健康管理センター長を兼任。肥満外来を開設した後、予防医学を重視したよこはま土田メディカルクリニックを2011年に開院。著書に『2週間で体重10%減! おかゆダイエット』(マガジンハウス)などがある。
▼よこはま土田メディカルクリニック(公式サイト)

5000人の患者ほぼ全員が減量に成功

[別記事:おいしい最強の減量食!脂肪燃焼リゾット→

私は、自分のクリニックでダイエット外来を開設し、「おかゆダイエット」を提唱しています。これまでに5000人以上の患者さんに、ダイエット指導をしてきました。そのほぼ全員が、2週間で体重の10%、4~8kgの減量に成功しています。

脂肪燃焼リゾット」とは、穀物を水分の多いかゆ状にする点や、代謝のサイクルを促し腸の排泄力を高めることがカギになる点が、共通しています。

「おかゆダイエット」は、私自身の経験がきっかけとなり、生まれたものです。

仕事が忙しいところに、運動不足や飲酒、深夜の過食などが重なり、簡単に5kgほど太ってしまったことが過去に何度かありました。

私の場合、仕事が落ち着いて運動を再開すれば、たいてい元に戻るのですが、無理がたたったのでしょう、あるとき大腸にポリープが見つかりました。

入院して手術を受け、切除したあとに待っていたのが、おかゆばかりの生活です。ところが2週間が経過すると、以前より便通がよく、睡眠も安定。体が軽くなったのを実感しました。しかも、当時の体重のピッタリ10%、減量できたのです。

驚いた私は、なぜこのような効果が出たのか、検証を開始。その結果編み出したのが、このダイエット法というわけです。

「おかゆダイエット」には、いくつかのポイントがあります。

2週間の期間限定で、食べるのはおかゆだけ。ただし1日に何回食べてもOK
おかゆは五分がゆを推奨
たんぱく質をトッピング

理由を述べていきましょう。

やわらかいおかゆで糖質とカロリーをオフ

①の2週間限定というのは、このダイエットは緩やかな断食でデトックス、つまり毒出しすることが目的なので、長く行うと栄養不足に陥るからです。

期間限定だからこそ、「2週間だけ頑張ろう」とモチベーションを高められるというのも利点です。

加えて、長く行うと、体が現状維持しようとする恒常性という本能が働き、やせるペースが停滞します。

かといって1週間では、体がやせる準備を始めたところで終わってしまい、あまり効果を得られません。経験上、ベストな期間が「2週間」なのです。

食べていいのはおかゆとトッピング程度のおかずに限りますが、おなかがすいたら1日に何回食べてもかまわないので、ストレスなく続けられます。空腹の時間を作らず、血糖値を安定させるのも、狙いの一つです。

②の五分がゆというのは、米1に対して水10(容積比)で炊いた、やわらかいおかゆです。

一般的に、おかゆと聞いて連想するのは、全がゆといって、米1に対して水5で炊いた物。五分がゆは、全がゆよりもさらに固形分が少なくなります。それだけ米の量を減らせるので、糖質オフとカロリー(エネルギー)オフにつながります。

おかゆは消化・吸収がいいので、ほかの食べ物よりずっと速いスピードで大腸に到達します。腸に食べ物のカスが残りにくいため、腸内壁にこびりついた、いわゆる「宿便」もスッキリ排出。消化・吸収から排泄までの代謝が非常にスピーディーになることで、効率よく体重を落とせるのです。

2週間限定とはいえ、プレーンな白がゆだけ食べていては、骨量や筋肉量が減少し、体力が落ちるおそれがあります。そこで大事なのが、③のたんぱく質です。では、どんなたんぱく質がよいのでしょうか。

納豆や豆腐などの植物性たんぱく質は、消化・吸収がよいという長所があります。ただ、動物性に比べると、パワー不足が否めません。

やはりお勧めは、肉や魚、卵です。それも、強靭な筋肉を持つ種類・部位を選びましょう。

動かずに脂肪がたっぷりついている部位よりも、よく動いて筋肉が締まっている部位のほうが強靭といえます。鶏肉なら、もも肉よりも、むね肉やささ身のほうが脂肪が少なく低カロリー、かつ高たんぱくです。

「野菜はとらなくていいの?」という質問をよく受けますが、2週間程度なら大丈夫。ビタミンやミネラルは、五大栄養素のなかで、糖質・たんぱく質・脂質の三大栄養素をサポートする栄養素です。加えて、米にも、肉や魚、卵にも、ビタミンやミネラルは含まれています。

肥満は万病の元ですから、太っていて高血圧や糖尿病の症状がある人は、その解消が最優先です。おかゆや「脂肪燃焼リゾット」を活用すれば、空腹感なく楽にやせられ、高血圧や糖尿病なども改善するでしょう。健康体と健康的なスタイルを手に入れるため、ぜひダイエットに取り組んでください。

腸のデトックスがやせる近道!
水分たっぷりのおかゆをしっかり食べる
  
消化・吸収から排泄の代謝サイクルをスピーディーにする
  
腸がきれいになり、さらに代謝アップしてやせる!

画像: やわらかいおかゆで糖質とカロリーをオフ
画像: この記事は『壮快』2021年3月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『壮快』2021年3月号に掲載されています。

www.makino-g.jp

This article is a sponsored article by
''.