ツイッターで5万以上の「いいね」がついた
私は、「食」を題材にしたイラストやマンガを中心に描いています。そのイラストやレシピを、「あやぶた食堂」というホームページで紹介していて、これまでに5冊の本も出版しています。
公開してきた数々のレシピの中でも反響の大きかったものの一つが、今回、ご紹介する「カゼが治るタマネギスープ」です。ツイッターで紹介したところ、5万以上の「いいね」がありました。
これは、子どもの頃、私がカゼをひくと、母が作ってくれたタマネギスープを元に、自分なりに味付けにアレンジを加えた一品になります(作り方は下記参照)。
これを飲むと、体がポカポカしてきて、しばらくすると汗がドーッと吹き出します。そうしたら着替えて、一晩寝ると、カゼがすっかり治っているんです!
また、私は少しぜんそくの気があるので、食事をゆっくりと食べるように心掛けています。急いで食べようとすると、むせやすく、ぜんそくの発作を引き起こす心配があるからです。
とろみをつけた料理は冷めにくいので、ゆっくり食べても温かいまま、おいしくいただけます。だから、母は普段の食卓でも、よくとろみのついた料理を出してくれていました。
タマネギスープに、片栗粉を使ってとろみをつけているのはそのためです。
ご飯やにゅうめんを加えてもおいしい
看護師の母は、子どもの頃に私が体調をくずしても、仕事が忙しくて、付き添っての看病は無理でした。
大人になってから聞いたのですが、「カゼで弱っている私を置いて仕事に行くのが、とてもつらかった」と振り返っていました。でも、どんなに忙しい中でも、食事は欠かさず作ってくれました。
母の手料理があると、見送る際にも、寂しさを感じることもありません。母の料理を通じて、子どもの頃の私は「大事にされているんだな」という安心感をもらっていたのだと思います。
そんな母の影響もあって、私は食べることと料理が大好きになりました。
このタマネギスープは、カゼをひいたとき以外にも私はよく食べています。白いご飯を入れておじやにしたり、にゅうめんを加えたりしてもおいしいです。
体が温まって冷えが楽に
私は冷え症で手足が冷えやすいのですが、このスープを飲むと体が温まり、冷えがらくになります。実際に作った皆さんから、うれしい反響も寄せられました。
妊娠初期の妊婦さんがカゼをひいて病院に行ったら、医師に「今は大事な時期だから、薬は飲まないようにしましょう」と言われたそうです。
そこで、このタマネギスープを作って飲んだら、体が温まり、元気になったと報告してくれました。
別の女性から聞いたエピソードもあります。
この女性はある日、寒気と発熱で体調をくずしてしまいました。家事はおろか、食欲もなくなり、寝込んでしまうほどひどいありさまだったようです。
すると、小学5年生の息子さんが、「ママ、早く元気になってね」とこのタマネギスープを作ってくれたそうです。しかも息子さんがキッチンに立ったのは、このときが初めて! それでも失敗なく、おいしくできたそうです。
私が母から受け継いだ真心のこもったタマネギスープが、皆さんの健康と幸せな生活づくりに役立っていて感無量です。
杏耶さんのタマネギスープ

【材料】(2人前)
・タマネギ……1/2個(うす切り)
・水……300ml
・溶き卵……1個分
・すりおろしショウガ……大さじ1
(ショウガチューブでも可)
・すりおろしニンニク……小さじ1
(ニンニクチューブでも可)
・鶏ガラスープの素もしくはめんつゆ……適量
・水溶き片栗粉……適量
【作り方】
❶鍋に水を入れて強火で沸騰させる。沸騰したらタマネギ、溶き卵を入れてかき混ぜる。
❷すりおろしたショウガ、ニンニク、鶏ガラスープの素もしくはめんつゆで味付けし、水溶き片栗粉を入れてとろみがついたら出来上がり。

この記事は『安心』2021年2月号に掲載されています。
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